妊娠、出産、子育てには多くのお金がかかりますが、国や自治体が行う制度によって、子ども1人につきおよそ250万円の支給があります(一部所得制限があります)。

こうした制度は、申請をしないと貰うことができないため、事前に知っておくことが大事です。どんな制度があって、いくら貰えるのか、ここでしっかりチェックしておきましょう!

  • 子育て世代が貰えるお金をチェック

    子育て世代が貰えるお金をチェック

妊婦健診費の助成

妊娠、出産は「病気」にはあたらないため、健康保険の対象外となります。妊婦検診は1回あたり平均5,000円ほどかかり、妊娠が判明してから出産まで14回~16回検診を受けるケースが多いので、妊婦検診だけで7万円以上の出費となります。しかし、こうした費用は市区町村が公費負担しています。負担額は市区町村によって異なり、全国平均は10万5,734円となっています(平成30年4月時点)。

市区町村に妊娠の届出を行った際、母子健康手帳と一緒に妊婦健康診査費用を補助するための補助券が交付されます。これを使って検診を受ければ費用はほとんどかかりません(妊婦検診以外の検査費用や保険適用の検査は対象外となります)。

出産育児一時金

妊娠4カ月以上で出産(死産や流産も含む)した時に、出産育児一時金として、子ども1人につき42万円が支給されます。国民健康保険中央会の調査(平成28年度)によると出産費用の全国平均は約50万円となっており、全額とはいかないまでも、出産育児一時金によって費用の多くを賄うことができます。支給方法は原則として、医療機関に直接支払う「直接支払制度」が取られています。分娩費用が42万円を超えた場合は、その差額を医療機関に支払い、42万円未満であった場合には、加入している健康保険組合に請求すると、差額が被保険者に支給されます。

申請方法は、医療機関に保険証を提示した際に渡される「直接支払制度合意書」に必要事項を記入して医療機関の窓口に提出します。

児童手当

0歳から中学校卒業までの児童を養育している人に支給されるのが児童手当です。金額は子どもの年齢によって変わります。

<支給額>

  • 出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

    出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

誕生してから中学卒業までの15年間の支給額を合計すると198万円になります。

気を付けたい点は先述の妊婦健診費や出産育児一時金と違って、児童手当には所得制限が設けられている点です。ただし、所得制限の限度額以上であっても、特例給付として月額一律5,000円が支給されるので、全く手当がなくなるわけではありません。

<所得制限限度額>

  • 出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

    出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

扶養親族等とは税法上の同一生計配偶者と扶養親族を指し、例えば、専業主婦(主夫)世帯で子ども2人の場合は扶養親族等の数は3人となります。また、共働き世帯の場合は年収が多い方の収入を基準とします。

さて、ここまで紹介した制度は、所得制限によって金額の違いはあるものの、子どもを持つすべての人が対象です。妊婦健診費の助成を10万円とし、これに出産育児一時金の42万円、児童手当の合計金額198万円を足すと全部で250万円になります。妊婦健診費と出産育児一時金は、貰うお金と言うよりは費用の補助と言うべきかもしれませんが、いずれも申請をしないと支給がないという点では気を付けなければなりません。

次に、会社員などが対象となる健康保険、雇用保険から、出産、育児によって働くことができない期間の給付を受けることができる制度をご紹介します。

出産手当金

会社員などが加入できる健康保険の被保険者が出産のために仕事を休んだ時に、給料が支払われないことを条件に(一部支払われた場合は差額支給)健康保険から給付を受けることができます。支給期間は出産日以前42日、出産日後56日となっており、出産日が予定よりも遅れた場合は、遅れた日数分も支給されます。

支給額は支給開始日以前の12カ月間の標準報酬日額×3分の2となります。 例えば月収20万円の人であれば、1日あたり4,447円が98日分支給されるので、出産手当金は43万5,806円となります。

申請は勤務先を通して行いますが、直接、加入している健康保険組合に申請する場合もあります。気を付けたい点は、産休後に申請を開始するため、産休が終わってすぐに申請をしても、支給には1カ月程度かかります。出産日から考えると支給開始は3カ月程先になります。

育児休業給付金

1歳未満の子を養育するために育児休業を取得すると、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。支給要件としては、雇用保険の被保険者期間が休業開始日前2年間で通算して12カ月以上ある場合に受給資格を得られます。

支給期間は原則育児休業開始日から子が1歳になるまでの間ですが、「パパママ育休プラス制度」(※)を利用する場合は1歳2カ月までとなり、さらに保育所に預けられないなどの理由によって期間の延長を認められた場合には1歳6カ月または2歳まで支給対象となります(※父母ともに育児休業を取得する場合に育児休業期間の延長ができる制度)。

支給額は育児休業開始から180日までは賃金日額の67%、それ以降は50%となります。

申請方法は原則として事業主が管轄のハローワークに申請書類を提出します。そのため勤務先に育児休業取得の申し出を行いましょう。

子育て世帯は何かとお金がかかります。この他にも、各自治体が独自に子育て世帯を対象とした支援を行っているケースがありますので、お住まいの自治体ホームページを確認してみるといいでしょう。どの制度も、申請をすることで貰える仕組みになっているので、利用できる制度を見つけたら忘れずに申請をしましょう!

筆者プロフィール: 石倉博子(いしくらひろこ)

女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター。/ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。

エフピーウーマンでは、女性のための無料マネーセミナー「お金のmanaVIVA(学び場)」を無料開講中!