新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は、生活支援策として「国民1人当たり10万円の現金給付」を行う意向を示しました。「収入が減少した生活困窮家庭に30万円の給付」から一転し、所得などに制限を設けず一律に支給される予定です。給付方法などに課題は多いものの、「条件に当てはまらず現金給付が受けられない」と嘆いていた多くの人にとって、少なからず希望の光となったことでしょう。

一方で、自粛生活に終わりが見えない今、現金10万円が給付されたら、どのように使えばいいのか悩んでいる人も少なくないようです。そこで今回は、給付金を何に使うか迷っている人に向けて、ファイナルプランナーの筆者が4つの使い道を提案します。

  • 一律10万円の現金給付、もらったら何に使うべき?

一律10万円の現金給付、使い道4選

1.生活費を補てんする
政府から緊急事態宣言が出され、仕事が在宅勤務となったり、やむを得ず休業となったりし、収入が減少した人は非常に多くいると思います。「普段は、残業代や出張手当などが加算された収入でやりくりしていたので、それがなくなり困っている」という声も多く聞かれます。いつものように働けない状況下で、厳しい節約を覚悟している家庭は少なくないでしょう。

さらに、このタイミングで、4月には食料品などの値上げが相次いでいます。自宅で過ごす時間が増えたことで、食費や水道光熱費などの支出も増えていますし、生活費のやりくりが難しいと感じるものです。

こうした状況がすぐに解消されるならまだしも、新型コロナウイルスの収束はいつになるか目途が立っておらず、自粛生活にも終わりが見えていません。最近では、今のような生活は、ある程度長期間に及ぶことを受け入れなければならないという話題も耳にするようになりました。すでに生活がギリギリという人も出始めています。そういった場合は、まずは給付金を生活費の補てんにしたいところです。

給付金が子どもにも支給される場合、たとえば、夫婦と子ども2人の4人家族では合計で40万円が受け取れることになります。支出を減らす努力をしながらも、収入だけでは不足する場合には給付金から充当し、当面の生活への不安を少しでも和らげましょう。

2.自粛の長期化に備える
収入がこれまでとあまり変わらず、今後もさほど悲観するほどは下がらないという人は、自粛が長引く可能性を踏まえ、快適に「巣ごもり」できるアイテムを買い足してみてはいかがでしょうか。

子どものいるご家庭では、休校が1カ月以上にも及び、家での過ごし方に変化を付けたいと考える時期でしょう。ここへ来て休園となる保育園も増え、家庭で子どもをどう遊ばせようかと頭を悩ませている親御さんも多いことと思います。

子どもも大人と同じように、なかなか外へ出かけられない生活にストレスを抱えています。給付金が支給されたら、意思表示ができる年齢の子どもには、本人に使い方を決めさせてあげるのもいいでしょう。いつもは、「おもちゃを買うのは特別な時だけ」と決めているご家庭も、子どもが喜ぶなら好きなおもちゃを買い、自粛生活を少しでも楽しいものにしてあげてはいかがでしょうか。

乳幼児には、おもちゃのサブスクリプションがおすすめです。月齢に合ったおもちゃを定額で借りられるというもので、一定期間が過ぎると新しいおもちゃが届く仕組みのサービスです。自粛が長くなるかもしれないことを考え、少しでも飽きのこない遊び方を工夫するのもいいですね。

一方で、家で過ごす時間が圧倒的に増えたからこそ、この機会に便利な家電を買い足すのもひとつです。パンが美味しく焼けるトースターなど、いつもなら購入に二の足を踏む家電も、思い切って買ってみてはどうでしょう。思うように出かけられない今の時期だからこそ、家での暮らしが少しでも楽しいものになるお金の使い方をしてみましょう。

3.テレワークを快適にするために使う
今回、各企業において急速にテレワークが広がりましたが、その流れは新型コロナウイルスの収束後にも続くと予想されます。今後も自宅で仕事をする機会があるかもしれないと考え、給付金を使って、テレワークしやすい環境を整えておくのもいいでしょう。PC用の机や書斎周りのアイテムを買い揃えるなどして、自宅の一部をテレワーク仕様にしておくと便利です。

なお、テレワークをするためのパソコンや周辺機器などの費用は、基本的に会社が負担します。自宅でかかる通信費や水道光熱費は、個人の使用分と切り分けが難しいため、会社が一定額の補助を実施する場合があります。

4.寄付や店舗の応援に使う
幸いにして、収入が減らない、減少しても充分生活していけるという人は、どうすれば有意義な使い方になるでしょうか。それであれば、困難な環境にある人のために、給付金を寄付してみてはいかがでしょうか。

現在、新型コロナウイルスに対する緊急支援を、様々なNGOやNPOが募っています。世界には、日ごろから人道危機に瀕している地域が存在します。そのうえ、新型コロナウイルスの影響が及べば、さらなる脅威にさらされる恐れがあります。もちろん、国内にも困難に直面している人がいます。給付金の支給をきっかけに、こうした人たちへの支援が少しでも広がればと願わずにはいられません。

また、もっと身近なところでも、誰かの応援をすることができます。たとえば、行きつけの飲食店でテイクアウトのサービスをしているなら、それを利用することで営業継続の応援が可能になります。さらには、飲食店を支援するためのクラウドファンディングも立ち上がっています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、あらゆる業種が打撃を受けていますが、特に、多くの飲食店は存続の危機にあります。そうしたお店をできる形で励ますのも、給付金の有意義な使い方ではないでしょうか。

情報が開示されつつある給付金

現在、日本のみならず世界中で、経験したことのない我慢を強いられる日々が続いています。そんな中での現金給付は、まさに私たちが待ち望んだ政策と言えるでしょう。

なお、4月20日時点において、給付金の申請方法や「いつ、どのような形で、誰に」支給されるのか、徐々に情報が開示されつつあります。すでに経済的な困難が生じている人も多い状態ですので、一日でも早く人々の元に給付金が行き渡ることを望みます。

武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中