40代は子どもの成長に伴い、教育費が徐々に増えはじめる頃です。そのため貯蓄もしづらくなってくる年代といえるでしょう。そこで、40代が貯蓄するにはどうすれば良いか、方法や取り組み方をお伝えします。

  • 40代が貯蓄するためのコツとは?

40代の平均貯蓄額は694万円

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」によると、40代の金融資産平均保有額は694万円です。ここでいう「金融資産」とは、預貯金、積立型保険、個人年金、株式、債券などです。

694万円の内訳は預貯金が約300万円と最も多く、次いで生命保険が約230万円となっています。一方で、金融資産を保有していない世帯も約20%あり、保有額が300万円未満の世帯も同じく約20%あります。300万円未満ということは、平均額の半分以下です。その世帯が全体の約40%を占めているわけですから、厳しい家計状況がうかがえます。

では、みなさん、年間どの程度貯蓄をしているのでしょうか。手取りからの貯蓄割合を見てみると、40代の平均貯蓄割合は9%です。最も多い割合が10~15%未満の約2割となっています。30代の平均貯蓄割合が10%ですから、30代に比べ40代は貯蓄しづらい家庭環境にあることが分かります。

40代の家庭事情は様々

とはいえ、40代で未就学児がいる家庭もあれば、大学生がいる家庭もあり、子どもがいない家庭もあるでしょう。様々な家庭状況の中、平均データだけで語れない部分もあります。

お子様がまだ小学生以下なら、教育費がかかってくるのはこれからです。もし、資金の準備ができていないなら、今すぐに教育資金の目標額を明確にし、その金額に向かって積み立てをする必要があるでしょう。一方で、同じ40代でも、子どもがあと数年で独立するなら、教育費の支出はほとんど終了です。したがって、同じ40代でも子どもの年齢によって貯蓄すべき金額は異なります。

ただ共通しているのは、子どもの年齢は違っても、老後までの年齢はみんなそれほど変わらないということ。老後資金の準備においては、40代前半であれば、そろそろ準備が必要ですし、40代後半であれば既に準備中という状態にしておきたいものです。

しかし、調査では「貯蓄をしなかった」と回答している割合が18%あり、必ずしも資金準備に取り掛かれているとはいえない現実がうかがえます。

貯蓄額が少なくても問題ない家計と問題ある家計の違い

ただ、貯蓄額が少ない=問題あるというわけではありません。少なくなっている原因が、今まで貯めてきた教育資金を取り崩しているからということなら問題ないでしょう。ただし、一方で老後資金は少なからず積み立てをしているという前提です。というのも、資金を取り崩しているということは、それまで貯蓄してきた過去があるということです。貯蓄体質があるわけですから、このケースでは大きな問題はありません。

問題なのは、貯蓄体質がなく貯蓄が少ない家計です。もし、思うように貯蓄ができていないなら、老後にどれだけお金が必要なのか、考えたことはあるでしょうか。老後に向けて、いくら準備するのか実際に計算する必要があります。

この老後の生活費をより具体的に、そして、リアルにイメージできる人ほど準備できている傾向がありますし、逆に想像したことがない、想像しても分からないという人ほど資金は準備できていない傾向にあります。しかし「分からないから準備できない」で良いのか考えていただきたいのです。

貯金ゼロ家計が今すぐするべきこと

したがって、まずすべきは将来設計を立てることです。そうすれば、今のままの家計ではまずいということが分かるはずです。40代なら今からでも間に合いますから、これから必要になるお金を具体的に算出し、今から積み立て計画を立ててください。

そして、ありきたりですが、積み立ては先取り貯蓄で行います。この貯蓄には手をつけてはいけません。先取り貯蓄後の収入で生活できるよう支出を工夫します。携帯代、保険は適正か、利用していないサービスに月額料金を支払っていないか? 細かな支出まで一度確認をしたほうが良いでしょう。

一方で、収入を上げるという解決方法もあります。例えば、妻が扶養内で働いているなら扶養を抜けて働く、または副業をするなど、収入を増やす選択肢もあります。支出を減らせないなら収入を増やすしかありません。

そして、貯蓄が生活費の1年分貯まったら、iDeCoやつみたてNISAを利用して資産を増やすことにもチャレンジしましょう。これらの準備は、遅れれば遅れるほど大変になります。今すぐ取り組むことをおすすめします。