生活保護を受けることが決まったら気になるのは生活保護費の支給日です。毎月、何日に支給されるのでしょうか? また、支給日が休日の場合はどのような扱いになるのでしょうか?

本記事では生活保護の概要とともに、生活保護費の支給日と支給日が変更となるケースをご紹介します。

  • 生活保護費の支給日はいつ? 支給日が変わる月も

    生活保護費の支給日はいつ? 支給日が変わる月も

生活保護とは?

生活保護とは最低限度の生活費を保障し自立を支援することを目的にした制度です。収入や資産がわずかで生活に困窮し、なおかつ経済的な支援をしてくれる親族がいない人に対し生活に必要な費用を給付します。

支給対象者には厚生労働大臣が定めた基準で算出した最低生活費と世帯全員の収入を比較し、預貯金や不動産、受給可能な年金などの資産を差し引いたうえで最低生活費を下回る額が給付されます。(※1)

【生活保護費の支給額】=【最低生活費】-【世帯全員の収入合計額や年金、預貯金など】

生活保護受給者には、受けるべき権利と守らなければいけない義務が生活保護法によって定められています。どのような内容なのか見ていきましょう。(※2)

生活保護時給者の権利

  • 不利益変更の禁止

正当な理由なく保護費を減額されたり、保護を受けられなくなったりと、すでに決まっている保護内容を不利益に変更されることはありません。

  • 公課禁止

支給された金品や進学準備給付金に税金を課せられることはありません。

  • 差押禁止

支給された金品や進学準備給付金が差し押さえられることはありません。

生活保護受給者の義務

  • 譲渡禁止

生活保護を受ける権利を他人に譲り渡すことはできません。

  • 生活上の義務

能力に応じて勤労に励み、保護費を無駄遣いせず節約を図るなどして、生活の維持・向上に努めなければなりません。

  • 届出の義務

収入や支出に変動があったとき、居住地や世帯構成に変更があったときは、速やかに届け出なければなりません。

  • 指示等に従う義務

福祉事務所が最低生活の保護と生活の向上・自立のために必要な指導や指示を行ったときは、これに従わなければなりません。

  • 費用返還義務

生活を賄える資力があるのにもかかわらず保護を受けた場合は、保護金品に相当する金額の範囲内において定められた金額を返還しなければなりません。(※3)

以上のように、生活保護を受けている人は権利によって最低限度の生活が守られます。一方で、生活保護を受給することで守らなければいけない義務があり、常に生活の維持・向上に努める必要があります。

生活保護の支給日は?

生活保護費の毎月の支給日は、担当の福祉事務所により異なりますが、月初(1~5日)のいずれかが支給日であることが多いです。支給日が土日祝日の場合、支給日が土日祝の前日にあたる金融機関営業日に変わります。たとえば、支給日が5日で、ある月の5日が土曜日の場合、4日の金曜日が支給日となります。

さらに、年始(1月分)とゴールデンウイーク(5月分)は福祉事務所が休日になります。この場合は、1月分は12月末の平日に、5月分は4月末の平日に支給日が変わることを留意しておきましょう。

参考 :
生活保護費の支給日 : 「長崎市」「釧路市」「富良野市

あわせて読みたい : 生活保護費はいくらもらえる? 単身世帯・母子家庭のケースを例に紹介

生活保護費は申請してからどのくらいで支給される?

生活保護費を申請すると生活状況や資産状況の調査が行われます。その調査が終わると、生活保護を支給できるかどうかの回答があります。申請から調査を終えて可否の回答があるまでの期間は、原則として14日以内となっています。ただ、調査するのに日数がかかるなど特別な場合については最長30日かかる場合もあります。生活保護の利用が決まると、生活保護費の支給が始まります。(※4)

生活保護の支給方法は?

生活保護費の支給方法は、状況に応じて次の3通りの方法があります。(※5)

  • 金融機関の口座へ振り込み
  • 福祉事務所の窓口での手渡し
  • 入院、入所する施設へ送金

臨時特例つなぎ資金貸付制度とは?

生活保護の利用が決定し、はじめての支給日までに期間がある場合は、当面の生活費に困ることがあるかもしれません。そんなときは、「臨時特例つなぎ資金貸付制度」を利用できる可能性があります。(※6)

臨時特例つなぎ資金貸付制度とは、公的給付制度(失業等給付、住宅手当、生活保護など)や公的貸付制度の申請が受理されていて、なおかつ給付開始までの生活が困窮している場合で金融機関の口座を持っている人に対して、当面の生活費を貸し付ける制度です。

貸付限度額は10万円以内で、連帯保証人は不要であり無利子となっています。貸付金の返済は、生活保護費から差し引かれることになっています。

この制度を利用したい場合は、持っている銀行口座の通帳と口座の届け印を持参して、市区町村の社会福祉協議会で申し込みましょう。

生活保護費の支給日を把握し、計画的に使いましょう

生活保護を申請したら、通常は14日以内に受給の可否が知らされます。そして、毎月決まった日に生活保護費が振り込み、または手渡しで支給されます。 支給日が土日祝日のときは、その前日の金融機関営業日に支給日が変更になります。 毎月の支給日が決まっているため、生活保護費を計画的に使い、生活の維持・向上のためにできることを進めていくことができます。

参照 :
(※1)厚生労働省「生活保護制度
(※2)門真市「生活保護受給者の権利と義務
(※3)大津市「返還金・徴収金
(※4)厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A
(※5)江戸川区福祉事務所「生活保護のしおり
(※6)厚生労働省「臨時特例つなぎ資金貸付制度