俳優の長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)は、きょう18日放送の第28回「新しき幕府」より、「京~伏魔殿編」に突入する。このたび織田信長役の染谷将太がコメントを寄せた。

  • 織田信長役の染谷将太

足利義昭(滝藤賢一)が上洛を果たし、勢いに乗った織田軍は周囲の三好勢を一掃。明智光秀(長谷川博己)も活躍が認められ、将軍奉公衆に取り立てられる。

染谷は「上洛した際、演じていて一番感じたのは、光秀への信頼でした。光秀に言われたことをやって悪い思いをしたことがないので、光秀に対して絶大な信頼を置いています。また道三が『大きな世を作る』と言ったことに対して、信長自身も大きな世を作りたいという思いが強まり、更に上洛によって『大きな世を自分で作る』という大きな野望に向かっていったと思います」と上洛を振り返る。

続けて、「信長は、どんどん力をつけて強くなっていく中で、“全能感”といいますか、怖いもの知らずになっていきます。戦に勝ってみんなから褒められることが嬉しいという点はこれまでと変わりませんが、自分の目標だけに邁進していきます。少し前までは戦で仲間が死んで悲しいという感情もありましたが、今はそういう感情も欠けていっている気がします」と信長の変化を解説。

また、信長と義昭の関係性について、「この2人は本当に正反対な考え方を持っています。信長には大きな目標がありますが、それは将軍のそばにいて、幕府を使わないと実現できないと分かっていて、義昭を利用しているという印象が現段階では強いです」と述べ、「僕はずっと『信長はピュアな人間として演じています』と言い続けてきたのですが、滝藤さん演じる義昭を見て、はるかに恐ろしいピュアさを感じました(笑)。戦のためのお金を見ても、『これで何人もの命が救える』と、キラキラした目でおっしゃるので・・・信長と義昭のピュアさの方向性は違いますが、義昭は恐ろしいほどピュアな将軍だと思いました」と義昭の印象を明かす。

そして、「信長を演じるのはすごく楽しいです。今回の信長は、分かりやすい悪役ではなく、ひとりの人間として丁寧に描かれています。ただ暴走するのではなく、そこにはちゃんと動機があり、過去のトラウマなどのさまざまな力が加わって、信長がどんどん止められない存在になっていきます。最後までちゃんと信長を全うしたいなと思います」と今後への意気込みを語った。

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