普段の会話などではあまり使うことはありませんが、ビジネス文書やお礼の手紙など、かしこまった文書を出す場合においては季節の挨拶(時候の挨拶)が重要です。

12月は「師走(しわす)」の名の通り年末が迫って忙しい一方で、年末の挨拶など、手紙や挨拶メールを出す機会が多くあります。季節感あふれる言葉を使いこなしたいところですが、同じ12月の中でも、時期や挨拶を送る相手によって、季節の挨拶として使用する文言は異なります。

本記事では12月にふさわしい季節の挨拶をピックアップ。文書の冒頭で使える季節の挨拶や例文、結びで使える挨拶を、ビジネス/カジュアルシーンごとに紹介。12月の季語も見ていきましょう。そのまま使えるテンプレートも用意しました。

  • 12月の季節の挨拶

    季節の挨拶を用いて、この時期ならではの雰囲気を伝えよう

季節の挨拶文(時候の挨拶文)の基本の書き方・構成

「季節の挨拶」とは「時候の挨拶」ともいい、四季折々の季節感を重んじる日本において、手紙やはがき、書面などの冒頭に用いる挨拶文のことを指すとされます。また、結びの文にも季節感を取り入れるといいでしょう。

以前と比較すると手紙を書く機会は少なくなりましたが、改まったメールでも用いることがあります。

[ビジネス]季節の挨拶文の基本の書き方

手紙やメールにもさまざまな表現があります。同じ時期に書く手紙であっても、ビジネスシーンとプライベートでは季節の挨拶の表現も使い分けが必要です。

ビジネスシーンや目上の人への手紙では、一般的に「◯◯の候」などの漢語調の挨拶が使われます。少し硬い表現にあたりますが丁寧な印象となるため、気を遣わなければならない相手やかしこまった内容の手紙やメールで使うようにしましょう。

なお主にビジネスシーンでは、「拝啓」など文章の最初の書き出しである「頭語」の後に季節の挨拶を書きます。そして頭語を使う場合、文末には「敬具」などの「結語」で文章を結ぶのが原則です。

  1. 頭語(「拝啓」など)
  2. 時候・季節の挨拶
  3. 主文
  4. 結びの言葉
  5. 結語(「敬具」など)

[カジュアル]季節の挨拶文の基本の書き方

親しい友人などへの手紙で漢語調の表現を使うと、堅苦しい印象を与えてしまいます。カジュアルなシーンでは口語調が使われるのが一般的です。

口語調の表現はとてもわかりやすく、親しみを感じさせてくれるので、家族や親しい友人などへの手紙にぴったりです。

また、頭語や結語も同様に堅苦しいため省略して、季節の挨拶から書き出すこともできます。

  1. 時候(季節)の挨拶
  2. 主文
  3. 結びの言葉

ビジネス用、カジュアル用の季節の挨拶の例は、後ほどそれぞれ紹介します。

12月に使える季語

季節・時候の挨拶を送る際、本文にその月を表す季語を入れましょう。

季語というと堅苦しいイメージですが、二十四節季の名前や12月の風物詩などが季語に含まれます。季語を使うと、ぐっと季節の挨拶の要素が色濃くなりますね。

12月全般 師走、年の瀬を迎え
12月上旬 初冬、大雪
12月中旬 寒冷、本年も残り少なく
12月下旬 冬至、歳末
  • 12月のビジネスレターに使える文例

    12月を連想させる言葉はたくさんあります

[ビジネス]12月の季節の挨拶(書き出し) - 漢語調(改まった文書や目上の人用)

取引先などへ出す手紙や挨拶状などに使用できるかしこまった表現方法を紹介します。

12月全般:「師走の候」を用いた例文

・師走の候、ますますご活躍(清栄)のことと、お喜び申し上げます
・師走の候、貴社の皆様におかれましては、いよいよご壮健のこととお喜び申し上げます

12月上旬:「初冬の候」を用いた例文

・初冬の候、皆様ますますご活躍のこととお慶びを申し上げます
・初冬の候、貴社におかれましては一層ご隆盛のこととお喜び申し上げます

12月中旬:「寒冷の候」を用いた例文

・寒冷の候、皆様におかれましてはお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます
・寒冷の候、貴社ますますご繁栄のことと心からお喜び申し上げます

12月下旬:「冬至の候」を用いた例文

・冬至の候、◯◯様におかれましてはますますご健勝の由、何よりと存じます
・寒さ厳しい冬至の候、貴社益々ご発展のことと大慶に存じます

[ビジネス]12月にふさわしい結びの言葉

漢語調の場合、結びの文に季節的な要素を入れなくても問題はありませんが、12月にあった結び文を入れることで、より季節感のある文書となります。

年末だからこそ、健康を気遣う言葉や、一年間の感謝を添えると良い印象が与えられるでしょう。ここでは、寒さや年末の忙しさが和らぐような結びの挨拶について紹介します。

・歳末ご多忙の折、健康にご留意の上、より一層ご活躍されることを祈念しております
・年末に向け何かとご多用かと存じますが、お体にお気を付けて良き新年をお迎えください
・寒さ厳しい歳末の時節柄、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます
・今年と同様、来年もますますのご発展をお祈り申し上げます
・来年も、ご愛顧の程宜しくお願い申し上げます
・来年も変わらぬご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます

  • 12月の手紙は結びの挨拶も重要

    ビジネスとプライベートで季節の挨拶をうまく使い分けましょう

[カジュアル]12月の季節の挨拶 - 口語調(やわらかい表現、学校のおたよりや親しい人用)

次に、前述の通り親しい人などカジュアルなシーンに用いる口語調の季節の挨拶について、時期ごとに見ていきましょう。

漢語調に比べて自由度が高いので、送る相手や状況に合わせて内容をアレンジしてもいいでしょう。親しい上司であれば堅苦しすぎずかつ丁寧な表現を、友人や個人的な知り合いなどであれば慣用表現に限らず、自由な発想で季節の挨拶を表現しましょう。

12月上旬

・年の瀬を迎え、何かとご多用のことと存じます
・冬晴れが心地よいこの季節、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます
・ポインセチアの紅色が華やぐ季節です
・街にあふれるきらびやかなイルミネーションに、心浮き立つ季節になりましたね

12月中旬

・大雪のみぎり、皆様つつがなくお過ごしのことと存じます
・師走も半ばとなり何かと忙しい日々ですが、お風邪など召されていませんでしょうか
・今年も残り少なくなってまいりました。クリスマスの準備など楽しんでいらっしゃる頃合いかと存じます
・クリスマスを控えた街の華やかさに心弾むこの頃、いかがお過ごしでしょうか

12月下旬

・冬至を迎え寒さが堪える日々ですが、お元気でお過ごしのことと存じます
・行く年を惜しみながらも新年に希望を馳せるこの頃、お健やかにお過ごしでいらっしゃいますでしょうか
・寒さが深まりつつあり、今朝はついに車のフロントガラスが凍っておりました。○○様はお風邪など召されていませんでしょうか

[カジュアル]12月にふさわしい結びの言葉

口語調の文書にあう、12月にふさわしい結びの言葉をご紹介しましょう。

こちらも年末だからこそ、健康を気遣う言葉や、一年間の感謝、来年への思いなどを添えると、良い印象が与えられるでしょう。

・年の瀬もいよいよ押し詰まってまいりました。仕事も一段と忙しくなる時期かと思いますが、無理をしすぎずお体を大切にお過ごしください
・今年も残りわずかとなってまいりました。暮れの忙しい時期ですが、お互い頑張りましょう
・何かと忙しい年の瀬ですが、お互いに元気で、良い年を迎えましょう
・寒い日が続きますが、どうぞお体に気を付けてお過ごしください

  • クリスマスカードを英語で送る際の文例

    自分なりの発想で12月らしさや、相手への気遣いを表現することも大切です

12月の仕事・ビジネスで使えるテンプレート集

12月に送るビジネスレターの文例を紹介します。テンプレートとしてご使用ください。

12月に送るお礼状のテンプレート

お歳暮などを受け取った場合はできるだけ早くお礼状を出すのが原則です。そのため「まずは書中をもって」として手紙を送ります。

拝啓 初冬の候、皆様ますますご活躍のこととお慶びを申し上げます。
さて…(主文)
近いうちに改めてご挨拶に伺わせていただきたく存じますが、まずは書中をもってお礼とさせていただきます。
寒さ厳しい歳末の時節柄、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。

敬具

12月に送る贈答状のテンプレート

贈答状とはお歳暮に添える手紙のことです。お歳暮は12月の上旬から20日ごろまでに送るのが一般的なので、送るタイミングに合わせて季節の挨拶を添えます。

拝啓 初冬の候、今年も残りわずかとなり、何かとご多用のことと存じます。皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて…(主文)
皆様よいお年をお迎えになりますよう、お祈り申し上げます。略儀ながら、書状にて失礼させていただきます。

敬具

12月に送る親しい相手へのカジュアルな手紙・メールのテンプレート

普段の生活の様子がうかがい知れる親しい相手には、年末ならではの負担を気遣う文章を送りましょう。堅苦しくならないカジュアルな表現で、相手を思う気持ちを率直に表現するのもいいでしょう。

拝啓 歳末となり、行く年を惜しみながらも、新しい年に希望を馳せていらっしゃることと存じます。
さて…(主文)
忘年会や外出などが多くなる季節です。ご自愛の上、素晴らしい新年をお迎えください。

敬具

また、「拝啓」などの頭語や「敬具」などの結語を使うと文章が硬くなってしまうため、省いてしまっても問題ありません。

寒さが深まりつつあり、今朝はついに車のフロントガラスが凍っておりました。○○様はお風邪など召されていませんでしょうか。
さて…(主文)
寒い日々が続きますが、体調など崩されませぬよう、お祈りしております。

クリスマスが近づき、ついにわが家でも先日、家族でクリスマスツリーの飾り付けを行いました。今年も残りわずかとなってまいりましたが、お元気でお過ごしですか。
さて…(主文)
年末で忙しい日々が続くと思いますが、ご家族で楽しいクリスマスをお過ごしください。

[番外編]12月に送る、コロナ禍における手紙・メールの文例

2023年5月には感染症法上の位置づけの「5類」に移行したこともあり、コロナ禍についてわざわざ言及する必要はないでしょう。

しかし相手の体を気遣う言葉として、文頭や結びの言葉で軽く触れる程度ならばいいかもしれません。

拝啓 師走の候、貴社におかれましては益々ご活躍のことと、お慶び申し上げます。
さて…(主文)
年の瀬を迎え何かと忙しく、また移動や会合などが増えてまいりました。風邪やコロナなどを召されませんように、皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

12月らしい季節の言葉を入れたはがきやお礼状などを送りましょう

12月は一年の締めくくりとして、お世話になった方へ連絡をしたり、お歳暮を贈り合ったりと、手紙を書く機会が多いです。

季節の挨拶は「~の候」とする漢語調や、話し言葉で伝える場合もあります。気持ちを込めた手紙やメールを書いて、相手とさらに良好な関係を築きましょう。