厳しい寒さが続く2月ですが、暦の上では2月初旬の節分後に立春をむかえ、春がはじまります。2月の時候の挨拶(季節の挨拶)では、寒いなかでも日がだんだん長くなっていく様子や花の蕾のふくらみなど、春の心躍る様子を表現するといいでしょう。

本記事では、2月の時候の挨拶についてご紹介します。上旬・中旬・下旬など時期により適した表現があるほか、送る相手との関係性によって異なる表現もあるため、参考にしてくださいね。

2月の時候の挨拶 - 使用時期は?

2月の時候の挨拶でよく使われる3つの言葉の使用時期と意味は次のとおりです。

時候の挨拶に使う言葉 使用時期 意味
大寒(だいかん) 1月20日~2月3日頃(※1) 1年でもっとも寒い時期
立春(りっしゅん) 2月4日~2月18日頃(※1) 冬が終わって春がはじまる時期
雨水(うすい) 2月19日~3月6日頃(※1) 降る雪が雨へと変わり、雪解けがはじまる時期

(※1)季節用語の時期が「頃」となっているのは、季節の指標である「二十四節気」は太陽の動きで決まっており、数日のズレが生じるためです。例えば、2021年の「節分」は124年ぶりに2月2日となりました

節分を迎えると、暦上では「立春」とされ、春がはじまります。

2月は、卒業・転勤などがある「人生の節目となる3月」の準備の月でもあります。そのため2月に手紙・メールにて時候の挨拶を書く際には、春を感じさせるあたたかみのある挨拶や結び、飛躍や活躍を感じさせる文章を織り込みましょう。

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■【豆知識】2021年の「節分」はなぜ「2月2日」だったのか?

2021年の節分は、124年ぶりに「2月2日」となりました。これは、例年よりも1日早い日付ですよね。それでは、なぜこのようなズレが生じたのでしょうか?

「節分と言えば2月3日で固定されている」と覚えている方も多いでしょう。しかし、そもそも節分とは、季節を分け春となる「立春」の前日のこと。そして、立春の日は“地球が太陽軌道のどの地点を通っているか”によって決まります。

地球が太陽軌道を回るには、365日と6時間弱ほどの時間がかかります。そのため、立春の日の基準となる時刻は年々遅くなっているのです。ただし、このずれは4年に1度の「うるう年」にて調整されます。

多くの場合、立春は、2月4日の24時間以内の範囲で収まっているのですが、2021年にはこの6時間弱のズレが影響し、1日ずれて2月3日となり、それに伴い、節分の日も1日ずれて2月2日となったのです。

■【豆知識】2021年の「節分」「立春」「雨水」はいつ?

2021年は124年ぶりに「節分の日」が1日ズレたことで、「節分」は2月2日、「立春」は2月3日、「雨水」は2月18日となりました。

2月の時候の挨拶 - 季語

時候の挨拶と一緒に、本文にも2月を表す季語を入れましょう。なお「季語」というと堅苦しいイメージですが、2月に行われる「豆まき」「バレンタインデー」「受験」なども季語に含まれますよ。

植物 梅(白梅、紅梅)・ラッパ仙水・猫柳・寒椿・雪割草・蕗の薹(ふきのとう)・ヒヤシンス・春菊・かぶ・せり・三ッ葉
動物 鶯(うぐいす)・雲雀(ひばり)・わかさぎ
風物詩 豆まき・梅見・針供養・バレンタインデー・受験シーズン・野焼き・麦踏み
  • 2月の時候の挨拶と例文(漢語調・ビジネス基本編)

    時候の挨拶と一緒に入れ込みたい2月の季語

時候の挨拶における「漢語調」と「口語調」の使い分けは?

時候の挨拶には「漢語調」「口語調」の2つの種類があります。漢語調は特にビジネスシーンなどのかしこまったシーンで用います。一方の口語調は、個人間でのメールや手紙、あるいはビジネスシーンでのカジュアルな文面などに用いられます。

  • 漢語調 : フォーマルな文書
  • 口語調 : カジュアルな文書

と覚えておくとよいでしょう。メール・手紙の相手やシチュエーションによって、漢語調・口語調を使い分けるようにしてください。

2月の時候の挨拶と例文(フォーマルなシーンの場合)

2月の時候の挨拶(漢語調)には、代表的な「大寒」「立春」「雨水」に加えて、次のような数多くの表現があります。

季節を感じさせるもの 大寒、立春、雨水、向春、早春、春浅、春雪、春寒、晩冬、残雪、雪解、余寒、残寒、厳寒、寒明け、中陽
植物 梅花、紅梅、梅月、梅鴬
風物詩 節分

以下では、上記の中でも特に頻出するものについて、例文を用いつつ紹介します。

■春分(2月4日頃)まで : 「大寒の候」

1月下旬から春分までは、二十四節気のうち「大寒の候」を挨拶に使います。

【挨拶の例文】
・拝啓 大寒の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 大寒の候、貴社におかれましては、ますますご発展の段、大慶に存じます。

■春分(2月4日頃)~立春(2月18日頃) : 「立春の候」

節分が終わった後~2月中旬頃は、二十四節気のひとつ「立春(りっしゅん)」の挨拶を使います。旧暦において立春は元旦とされていましたが、新暦では節分の翌日を指しています。立春の次の時候、「雨水(2月中旬)」の前日までが、立春の時候となります。

【挨拶の例文】
・拝啓 立春の候、○○様におかれましてはますますご清福にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
・拝啓 立春の候、貴社におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。

■立春(2月18日頃)~2月いっぱい : 「向春の候」

向春の候とは、「春に向かう」という文字のとおり、日に日に春に近づいていることを意味します。向春は「向春のみぎり」と使われることもありますが、ビジネスでは「向春の候」で問題ないでしょう。

【挨拶の例文】
・拝啓 向春の候、貴社におかれましてはご隆昌のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 向春のみぎり、貴殿におかれましてはますます健勝のこととお慶び申し上げます。

使用時期ははっきりと決まっていませんが、一般的に立春から2月いっぱいに使います。2月がまだまだ寒い地方では、場合によって3月はじめまで使うこともあります。

■立春(2月18日頃)~3月いっぱい : 「春寒の候」

「春寒の候(しゅんかんのこう)」は立春が終わる2月中旬頃から3月いっぱいと、長く使うことができます。春寒という言葉のとおり「春なのに寒い」つまり立春をすぎてぶりかえす寒さを意味します。

【挨拶の例文】
・拝啓 春寒の候、貴社におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春寒の候、○○様におかれましてはますますご清福にお過ごしのこととお喜び申し上げます。

■立春(2月18日頃)以降で寒暖の差が激しいとき : 「三寒四温の候」

「三寒四温(さんかんしおん)」とは、立春がすぎても寒い日が続きなかなか暖かくならないことや、気温が変わりやすいことを表しています。

【挨拶の例文】
・拝啓 三寒四温の候、貴社の皆様におかれましてはますます健勝のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 三寒四温の候、貴社におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。

「三寒四温の候」の挨拶を使うときには、「お変わりございませんでしょうか」「体調管理が難しい時候ですが、何卒ご自愛ください」など、その後に相手を気遣う文言を書くとよいでしょう。

■結びの挨拶

結びの文は、定型のものでさしつかえありません。

【結びの例文】
・末筆ながら貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。まずは略儀ながら書中にてお知らせいたします。敬具

  • ビジネスシーンなどのかしこまったシーンでは「漢語調」を使うのがよいでしょう

    ビジネスシーンなどのかしこまったシーンでは「漢語調」を使うのがよいでしょう

2月の時候の挨拶と例文(カジュアルなシーンの場合)

続いてもう少しくだけたビジネスレターやメール、プライベートで使える時候の挨拶(口語調)・結びの文の例文をご紹介します。

■2月上旬(節分)までのカジュアルな時候の挨拶・結び

2月上旬の節分までは、寒さやお正月、新春にまつわる言葉を使うといいでしょう。

【挨拶の例文】
・寒さが身に染みる時節柄、お変わりございませんでしょうか。
・春の便りが待ち遠しく感じられる厳寒の時節、いかがお過ごしでしょうか。
・春の陽気が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしですか。

【結びの例文】
・寒さ厳しき折、春まだ遠く、体調などくずされないようご自愛くださいませ。
・厳寒の折、お風邪など召されませぬようご自愛ください。

■2月上旬(節分)~中旬までのカジュアルな時候の挨拶・結び

この次節は地域やその年によって気候が異なるので、メールや手紙を受け取る相手方の状況に合わせてアレンジしてみましょう。

【挨拶の例文】
・梅のつぼみもふくらみ始め、春の兆しを感じる時候となりました。
・立春もすぎたとはいえまだまだ寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
・余寒なお厳しい今日この頃ではありますが、早咲きの紅梅を見つけました。
・寒さなお厳しき折ではございますが、お変わりございませんでしょうか。
・根雪の残る庭に、椿の蕾がふくらみはじめました。

【結びの例文】
・まだまだ厳しい寒さが続きますが、どうぞお風邪などひかれませんよう。
・春寒の折、皆様の一層のご健康をお祈りいたします。まずは書中にて、お知らせいたします。

■2月中旬~2月後半までのカジュアルな時候の挨拶・結び

2月後半になると咲く花や雪など、地域にまつわる単語を盛り込んでみましょう。

【挨拶の例文】
・猫柳の芽もようやくふくらみ、春がすぐそこに来ているのが感じられます。
・東風が吹き、梅の香りが春を運んでくる季節となりました。
・水ぬるむ季節をむかえ、ようやく根雪もとけ始めたようです。

【結びの例文】
・末筆ながら、○○様のご健康のほど、心よりお祈り申し上げます。
・本格的な春の近いことを励みに、もうしばらくの寒さを乗り切りましょう。
・幸多き春の門出となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

  • シーンに合った2月の時候の挨拶で、粋な書き出しに

    シーンに合った2月の時候の挨拶で、粋な書き出しに

2月に送る、コロナ禍における手紙・メールの文例

2020年初頭より世界中を騒がせている新型コロナウイルス。コロナ禍についてわざわざ触れる必要はありませんが、文頭や結びの言葉で軽く触れるのもよいでしょう。

【挨拶の例文】
・春寒の候、貴社におかれましてはコロナ禍においてもますますご活躍のことと、お喜び申し上げます。

【結びの例文】
・何かと不便の多い日が続きますが、皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
・先の見通しがつき辛い日が続きますが、春寒の折、皆様の一層のご健康をお祈りいたします。

基本的には、先述の時候の挨拶や結びの挨拶をベースにして作成するのがよいでしょう。また、カジュアルな手紙・メールの場合にはもう少しかみ砕き、より自分らしい言葉で先方への心配や自身の状況説明などを行うようにしましょう。

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実際には寒い日が続きますが、暦の上では春となる2月。「寒さ」と「早春」を表す言葉や季語を上手に組み合わせることで、寒い日々のなかでもこれからおとずれる春への明るさを感じさせることができます。

また2月は住む地域によって、寒暖差の激しい時期。状況に合わせた時候の挨拶で、粋なメール・手紙に仕上げましょう。