ダブルバインドのメリットとデメリット

ダブルバインドには、メリットだけではなく、効果によるデメリットも存在します。ここでは、ダブルバインド効果を使う側の観点から、メリット・デメリットを解説します。

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    ダブルバインドのメリットとデメリット

ダブルバインドのメリット

ダブルバインドはうまく活用すれば相手の選択肢を意図的に絞ることで、ある程度判断をコントロールすることができます。

例えば、相手から自分が意図した選択肢を引き出すエリクソニアン・ダブルバインドというテクニックがあります。

エリクソニアン・ダブルバインドは、本来は数多くの選択肢がある判断に際して、予め限定して質問することで意図に沿った選択をさせやすくなる心理テクニックです。

例えば、「カレーとラーメンどちらが好きですか?」と聞くとします。

質問した側は他にも食べ物の種類はほかにもたくさんあるにも関わらず、カレーとラーメンという2択に限定することで、質問というメッセージを伝えられた人は、それ以外の回答をすることができなくなります。

これは、誤前提暗示と呼ばれることもある手法で、ある程度絞った選択肢から意図した選択を相手に選ばせることが可能になります。

ダブルバインドのデメリット

前述のように、相手の選択肢を意図的に限定するなどして、判断をコントロールすることができる効果がありますが、多様をするとメンタルヘルスへの影響や、パフォーマンスの低下などのデメリットも発生します。

前者に関しては、受け取り手は矛盾したメッセージによって混乱してしまい、結果として自由な行動ができないことに対するストレスを感じてしまう可能性があります。場合によっては、その拘束された状態自体の原因を自責にするようになってしまい、精神的不調をきたしてしまう恐れもあります。

後者に関しては、特に仕事上で発生するケースが多いです。仕事上、ダブルバインド状態が続くことで、メッセージの受け手側は行動に自信を持つことが難しくなり、常に相手の顔色をうかいながら仕事を進めるようになってしまうかもしれません。

結果として、「より良い仕事をしよう」という気持ちよりも、「問題を起こさないようにしよう」という意志が強くなり、良い成果を出すための本質的な動きが取りにくくなり、パフォーマンスが下がってしまいます。