俳優の上川隆也と女優の瀧本美織が30日、テレビ朝日系スペシャルドラマ『検事・佐方~恨みを刻む~』(9月6日21:00~22:54)の配信限定トークイベントに参加した。

  • 左から瀧本美織、上川隆也、三ツ矢雄二 -テレビ朝日提供

このイベントでは、『検事・佐方~恨みを刻む~』と同日に放送されるバラエティ番組『アニメソング総選挙』(9月6日18:30~20:54)とのコラボも実現。声優界のレジェンド・三ツ矢雄二がスペシャルゲストとして登場し、芸能界きってのアニメ好きとして知られる上川とアニメトークで盛り上がった。

上川と三ツ矢は京都駅でバッタリ出会い、あいさつを交わしたことはあるものの、仕事をともにするのは初めて。上川は「三ツ矢さんは僕がアニメーションにいちばんハマっていた時期に大活躍されていた方。今、人気声優のみなさんはアイドルのような活動をされていますが、その走りのような存在」とリスペクトを語った。

ほかにも、上川と瀧本が劇中に登場した“ずんだもち”にちなんで“ずんだかき氷”作りに挑戦したり、視聴者から寄せられた質問に応じて撮影秘話を語りあったりと、和やかなトークを展開。

上川が「瀧本さんは“晴れ女”らしく、雨が降ってきても撮影になると弱まってきたりして、撮影ができないということはありませんでした」と裏話を暴露すると、瀧本は「胸を張って言います、私、晴れ女です! お任せください!!」と自ら“晴れ女宣言”する場面も。

瀧本に対して、上川は「これぞ瀧本イズム(笑)。瀧本さんは独特の発想によって、まったく違う方向性からキャラクターとアドリブを投げかけてくださいましたので、お芝居が本当に豊かに広がりました」と笑顔で称賛していた。

上川、瀧本、三ツ矢のコメントは以下の通り。

■上川隆也
――瀧本美織さんとは本作が初共演でしたが、印象は?

瀧本さんは初日からアドリブを投げかけてくれたんです。僕などは現場にある程度なじんでいきながら空気を読みつつ差し挟んで、様子を窺うのですが、瀧本さんは初日、しかもファーストカットでいきなり、台本にもト書きにも書いてないようなお芝居をされたんです。初日からキャラクターがちゃんと確立されているからこその『アドリブ』ですので、そんな瀧本さんが頼もしかった。そのアドリブを受けた瞬間、僕も「今回は上手くいく、佐方と尚子という両輪で回っていくことができる」と思いました。瀧本さんは独特の発想によって、まったく違う方向性からキャラクターとアドリブを投げかけてくださいましたので、お芝居が本当に豊かに広がりました。

――京都での撮影はいかがでしたか?

暑さもさることながら、線状降水帯がちょうど来ていた頃だったので、雨が多かったんです。予測のつかない天候の変化にスタッフの皆さんも頭を悩まされながら撮影を続けていたのですが、どうやら瀧本さんが晴れ女らしく、おかげさまで雨が降ってきても、撮影になると多少弱まってきたりして、撮影ができないということはありませんでした。とても助かりました。一方で現場では、瀧本さんが蚊に刺されまくっていました。オジサンばかりのこの現場ではズバ抜けてお若くていらっしゃるので、現場の蚊もそれを分かっているのか、瀧本さんにだけたかるんですよ。京都の蚊は美味いも不味いもわかっているようです。

――自分はボケとツッコミ、どっちだと思いますか?

僕は完全にツッコミです。どちらかと言うと、言葉の綻びを見つけて指摘する、ちょっと性格の悪いタイプです(笑)。かたや、瀧本さんはボケだというのは間違いのないところだと思います。ご本人に自覚がないこと自体にちょっと驚かされています(笑)。だからこそ現場が和むので助けられました。

――初の配信イベントにちなんで、最近、初体験したことは?

何より“エヴァンゲリオン初号機”(※『東映太秦映画村』の新アトラクション『エヴァンゲリオン京都基地』)に乗ったことが初体験です。あと、生まれて初めて舞台が“飛ぶ(=中止)”という経験をしました。この状況の中では致し方ないのですが、自分の携わっている作品が中止になる事態をついぞ想像したことがありませんでした。でも改めて、役者としての在り方、佇まいを考えさせていただく時間にもなりました。ですから、こうしてドラマが撮影されて、お届けできるということは本当にスゴいことなんだとも思っております。本当にうれしい限りです。

――今回の配信トークイベントに出演した感想は?

三ツ矢(雄二)さんをお迎えして、本当に楽しい時間を過ごすことができましたし、瀧本さんがどんな方であるかということも広く知っていただける機会が得られて、本当にこの上ない時間になりました。ありがとうございました。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。

とある事件から、『検事・佐方~恨みを刻む~』の物語は始まります。そこから思いもよらなかった事件へと発展していく――その“正義の過程”を楽しんでいただく、サスペンスとしてとても充実した作品です。また、今回は瀧本さんをお迎えしたことで、これまでの『検事・佐方』にはなかった新しい風が盛り込まれていると思います。今回初めてご覧になってくださる方も、そしてこれまでご覧いただいてきた方も、ぜひこの物語を楽しんでいただければ、と思います。

■瀧本美織
  ――上川隆也さんとは本作が初共演でしたが、印象は?

上川さんとは初めての共演でしたが、本当に温かくて、やさしくて、紳士的でした。実は私、唐突にアドリブを入れたりしてたんです(笑)。でも上川さんが“佐方さん”として、まっすぐブレない芯をもってぜんぶ受け止めてくださいました。だからきっと私もいろいろとチャンレンジすることができたんだな、と上川さんの大きな器に感謝しています。

――京都での撮影はいかがでしたか?

(上川に「瀧本さんが晴れ女で、雨が降っても撮影ができなくなることはなかった」と言われて…) 胸を張って言います、私、晴れ女です! お任せください(笑)! 京都では日々、撮影所とホテルの往復だったのですが…上川さんと一緒のシーンが多かったので、待ち時間はずっと他愛もないことを話してました(笑)。あとは現場で「私だけ!?」というくらい、蚊に刺されました(笑)。なので、「やだ! 蚊に刺されてる!」ってアドリブを入れてしまい、「それ、もうただの撮影日記になっちゃうから(笑)!」って、上川さんがツッコんでくださったんです。それがとても心に残っています。

――自分はボケとツッコミどちらだと思いますか?

私はツッコミに憧れているんですけど、ボケかなぁ…と思います。でも誰かがボケたときには、ちゃんとツッコむようにしています!(上川に「絶対ツッコミではない!」と断言され…)そんなにハッキリ言わないでください(笑)!

――初の配信イベントにちなんで、最近、初体験したことは?

私は最近、日常生活で左手を使うようにしています。右利きなんですけど、左手も使えたらいいなぁ、と思いはじめたんですよね。今まで右手しか使ってこなかったので、左手を使うことで筋肉が鍛えられて、両手を使えるようになったら強いんじゃないかな、と…。歯磨きとかドライヤーとか、日常のささいな行動で、なるべく左手を使うようにしています。どこもかしこも強くなりたいんです、身も心も(笑)!

――配信トークイベントに出演した感想は?

楽しかったです! 上川さんの少年のようにキラキラした瞳も見ることができて、私にとってもレアな時間でした。

■三ツ矢雄二
――ドラマをご覧になった感想は?

ひと言でいうと面白かったです。見ていると頭の上にクエスチョンがいっぱい飛び出していくのですが、最後の最後にそれがイコールになる、というようなサスペンスでした。上川さん演じる佐方はクールだけどキザじゃなくて、清逸なんです! 瀧本さんはまるで『Dr.スランプ アラレちゃん』みたいな感じで縦横無尽にちょこまか動きつつ、お美しいお顔をメガネでお隠しになって3枚目役に徹していらっしゃいました。そんなお2人のコンビネーションが物語にリズムを作ってトントンとストーリーが進みながら最後の最後、“エーッ!?”というようなラストに結びつくので本当に一時も目が離せませんでした。

――配信トークイベントに出演した感想は?

イベントで明るい上川さんを見て、佐方とはあまりにも違うので、「この人はどれだけの演技力をお持ちなのか!」と思いました。ドラマでは本当にクールで、まるで別人です。やっぱり役者さんってスゴイな、役に入り込むと変わるんだな、と思い知らされました。