突然だが、健康的な夏をお過ごしだろうか? 実は8月4日は「栄養の日」で、日本栄養士会は8月1日から7日までを「栄養週間」と定めている。

「エイト」と「よん」の語呂合わせだと思われるが、実際にこの時季は夏バテや食欲減退による栄養不足に気を付けたいタイミング。特に今年はコロナ禍による運動不足も心配だ。

  • 「栄養週間」に免疫力アップ! 栄養士推薦の簡単「予防めし」を作ってみた

そこで参考にしたいのが、日本栄養士会の特設サイト「栄養の日・栄養週間 2020」で紹介されている「予防めし」。今年は「免疫機能を低下させないで、感染症の予防に役立つ食事」をテーマに、管理栄養士や栄養士がインスタグラム上で発信した「予防めし」のレシピが多数公開されている。

少し覗いてみると、料理下手にもチャレンジできそうなメニューが盛りだくさん。感染症や運動不足に負けず、健やかな夏を過ごすため、さっそく3品の「予防めし」を作ってみたので、ここに公開したい。

夏はやっぱりこれ。10分以内で作れる「鯖缶と野菜飲料のカレー」

夏はやっぱりカレーである。いくらでも食べられる気がするが、市販のカレールーは油と小麦粉が多く、カロリーも高いと聞く。調理にもそこそこ時間がかかる。

だが、「予防めし」に掲載されていた「鯖缶と野菜飲料のカレー」ならヘルシーそうだし、作り方も簡単そうだ。

(材料 2人分)
さばの水煮缶詰…1個
野菜ジュース…1パック(200ml)
カレールー…ひとかけ

カレーづくりに必要な材料は、わずか3種類。これらをまずは……

耐熱容器に汁気を切ったさばの水煮缶、カレールー、野菜飲料を入れる。そして、さばをざっくりとほぐしたら、ラップを"ふんわり"とかけて、600Wのレンジで2分間、加熱するらしい。

自分なりにラップは"ふんわり"してみたつもりだ。

そして2分後。レシピによると、一度レンジから取り出して中身を混ぜる。カレールーがあまり溶けていなかったので、ここでちょっと細かく砕いてみた。

ここからもう一度ラップをして、レンジで2分間の再加熱をするそうだ。

そうして出来上がったのがこちら。カレールーが溶けたためか、とろみも出てかなりカレーっぽくなっている。匂いもカレーそのものだ。これを白米にかければ……

もう完成。まさかもろもろの作業を含めて10分もせずに完成するとは衝撃だ。まな板もフライパンも鍋も使わないので、調理段階で発生した洗い物は耐熱容器だけ。実に手軽だ。

気になる味は、まさにカレーそのもの。やや侮っていたこともあり、余計に美味しく感じる。フレッシュな味わいだが野菜ジュースっぽさは皆無で、さばの出汁と風味が味に奥行きを与えている。大袈裟ではなく、どこに出しても恥ずかしくない、立派なカレーだ。辛味がほしい人はレッドペッパーなどのスパイスを追加すればいいだろう。

「予防めし」の記事によると、さば缶はたんぱく質、カルシウム、ビタミンDなどが豊富。野菜飲料には野菜の栄養価が濃縮されているので、野菜嫌いな子どもでも手軽に栄養素を補給できるという。これは大いに試す価値あり、である。

ホワイトソースいらずの「ヨーグルトグラタン」

続いては「ヨーグルトグラタン」にチャレンジ。食べたことがないどころか、見たことも聞いたこともないメニューである。用意する材料は先ほどのカレーに比べて少し多め。

材料(2人分)は以下のとおり。

(具材)
なす…大きめの4本
スライスチーズ…2枚(今回はとろけるチーズで代用)
パセリ…少々

(トマトソース)
トマトの水煮…1/2缶
玉ねぎ…50g
おろしにんにく(チューブ) …2センチ程度
オリーブオイル…小さじ1

玉ねぎ…50g
オリーブオイル…大さじ3
塩…少々

(ヨーグルトソース)
ヨーグルト…1個
卵…1個
薄力粉…大さじ2
塩…適量
こしょう…適量

まず、なすはヘタを取って縞目に皮を剥き、1.5cm程度の厚さに輪切り。そこに塩を少々を振って10分ほど放置したあと、フライパンにオリーブ油をひいて中火で熱し、両面をこんがりと焼く。

続いてはトマトソース作り。 みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルで炒め、そこにトマトの水煮を加えたら約10分間、中火で煮る。

今度は「ヨーグルトソース」作り。ボウルに(ソース)の材料を入れ、混ぜ合わせるだけでオーケー。これで仕込みは終了だ。

グラタン皿になすとトマトソースを盛り、ヨーグルトソースをかけ、上からとろけるチーズをパラパラと振りかける。そして……

230℃に温めたオーブンで10分間焼けばいいのだとか。チーズに焦げ目がしっかりつくまで焼くと、ソースがプリンのように変わるという。ちょいちょい様子を見ながら、約10分後――。

こんがり焼き上がったグラタンにパセリをかけて完成。ホワイトソースのグラタンに比べ、特におかしいところはない。それどころか、火を入れながら作るホワイトソースと違い、ヨーグルトソースはボウルで混ぜるだけなので実に簡単だった。ヨーグルトの酸味が心配だったが、変に主張することもなく、味もバランスが整っていて美味。タバスコなどをかけても美味しそうだ。

こちらはたんぱく質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンCがたっぷり摂れるそう。まさかこんなに簡単にグラタンが作れるとは思わなかったので、今後も具材を変えるなどして、いろんなパターンを試してみようと思う。

締めはサッパリ「キウイヨーグルト」で

最後はデザート作りに挑戦。チョイスしたのは「キウイヨーグルト」だ。甘ったるくなく、夏でもサッパリ食べられそうだし、何より料理下手でも確実に簡単に作れる。

(材料 2人分)
ヨーグルト…適量
グリーンキウイフルーツ…1個
ゴールドキウイフルーツ…少量
はちみつ…5g

まず、グリーンキウイフルーツの皮を剥き、ミキサーにイン。

サッとミキサーにかけたら、はちみつをかけて軽く混ぜる。

ゴールドキウイフルーツはイチョウ切りにカット。ここまで仕込んだ分を……

器に入れたヨーグルトの上で合わせれば完成。ゴールドキウイフルーツは中央に添えると盛り付けもキレイだ。味は想像どおり、キウイとヨーグルトの酸味がフレッシュで、はちみつが上品な甘みとまろやかさをプラスしてくれている。

「予防めし」のレシピに添えられたコメントによると、キウイフルーツはビタミンC、ビタミンE、食物繊維、カリウムが豊富で、特にビタミンCはレモンより多く、ビタミンEとの相乗効果で強い抗酸化力を発揮するそうだ。ヨーグルトの「乳たんぱく」は筋肉や血液などに必要な必須アミノ酸がバランスよく摂取できるという。

すべて並べると実に壮観。ちょっとしたパーティが開けそうである。まさか自分でこんな立派な料理が作れる日がくるとは想像しなかったが、やってみれば簡単。しかも栄養もプロお墨付きなのだからなおさら満足度も高い。

たまの自炊は、いい気分転換にもなる。栄養バランスの取れた食事で免疫力を上げて、健康に夏を乗り切ろう。