ステイホーム運動で高まる健康意識

新型コロナウイルス感染症まん延にともない外出自粛の動きが高まり、自宅で過ごす時間が増え、健康への関心が高まっている。健康から連想される「免疫」や「免疫力」といった言葉が、さまざまなメディアで盛んに取り上げられているが、正しい知識を持っている人は多くないだろう。

先ごろ、「#STAYHOME Afterコロナを考える 免疫と腸内フローラ研究最前線」というWebセミナーが開催された。

主催は一般社団法人ウェルネスフード推進協会で、メタジェン代表取締役社長CEOで慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授の福田真嗣(しんじ)氏が解説した。

  • ステイホーム中に免疫を強化してみませんか(写真:マイナビニュース)

    ステイホーム中に免疫を強化してみませんか

腸内環境が免疫力を左右する

「免疫を上げれば病気にかからない」といったことが広く言われている。では、免疫とは身体の中のどこにあるのだろう。その答えは腸。腸は代表的な免疫機関であり、免疫細胞の約60パーセントが腸内に集中している。食べた物を消化・吸収する機能はよく知られているが、腸には「免疫を司る」という役割がある。

そういうことなら腸の働きを活発にし、免疫力を高めて健康を目指したいものだ。では、具体的に何をすれば良いのかといえば、やはり食事。生命維持に欠かせない栄養を取り入れるため、日々の食事は何よりも重要。

そして、食べたものを受け入れるのは腸。それを消化・吸収し体内に受け入れる作用を考えると、腸は栄養を受け入れる入り口であり、対外環境であるといえる。

腸内環境は人それぞれ

腸内フローラという言葉を聞いたことがあるだろうか。ヒトの腸内には多種多様な細菌がすんでおり、この細菌が作り出す物質により、生体の恒常性(生体の状態を一定のレベルに保つ生命現象)が維持される。

これら、重要な腸内細菌は種ごとにまとまって群生していることから腸内フローラ(フローラは花畑の意味)、叢(くさむら)にたとえて腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と呼ばれる。

腸内フローラのバランスは生活習慣や長期的な食習慣によって大きく変化し、その人ごとに違うため免疫力を高めるためのアプローチも人によって異なることになる。

免疫機能アップを意識した食事とは

「発酵食品を食べると免疫力が上がる」ということが言われているが、もっと注目されるべき存在であり、日本人に不足しがちなのが食物繊維である。食物繊維は腸内で分解され「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」となり、免疫細胞を活性化させ、感染症予防効果も期待される。

食物繊維には、イヌリンやフラクトオリゴ糖、また分類も水溶性・不溶性や発酵性、腸内細菌に届く(MAC)など、多様な種類がある。

  • MACやイヌリンの働きを解説した資料 提供:メタジェン

    MACやイヌリンの働きを解説した資料 提供:メタジェン

食物繊維にもさまざまな種類があり、食べたものを受け止める腸内フローラも人それぞれであるため、自分に合った食物繊維を取ることが重要。

とはいえ、「どの食物繊維を何グラム取ると良い」といった具体的目標を出すことはできないため、多様な食物繊維を試し、体調の変化を観察しながら探していくことが重要である。

ただ、この分野の研究は進んでおり、将来は自分の腸内環境を知り、健康になるための腸内デザインを提案するような具体的アプローチが実現するかもしれない。

ステイホーム中に見直したい食事と生活習慣

こうした内容を踏まえ、最後に管理栄養士の浅野まみこ氏が腸活に良い料理を紹介してくれた。以下がレシピである。

  • 腸も喜ぶ! ピリッと大人のすりおろしれんこんハンバーグ わさびヨーグルトがけ

    腸も喜ぶ! ピリッと大人のすりおろしれんこんハンバーグ わさびヨーグルトがけ

【材料(2人分)】
ごぼう 5cm
玉ねぎ 1/8個
油 小さじ1
れんこん 80g
豚挽肉 200g
卵 1/2個
塩 1g
黒こしょう 少々
油 大さじ1

◆ソース
ピフィズス菌入りヨーグルト 大さじ2
わさび(チューブ) 3cm
柚子こしょう 小さじ1
醤油 小さじ1

好みの野菜(水菜30g、トマト1/2個など)

【作り方】
1.ごぼう、玉ねぎはみじん切りにし、油小さじ1を加え妙める。
2.ボウルに1を入れ、すりおろしたれんこん、豚挽内、ときほぐした卵、塩、黒こしょうを加えよく混ぜ合わせ2つに分けて丸める。
3.別のフライパンに油大さじ1を加え、中火で熱し、2を焼く。途中返して、水(分量外・大さじ1)を加えフタをし蒸し焼きにする。
4.ソースの材料を合わせる。
5.器に、3を盛り付け、ソースをかけ、好みで野菜を添える。

  • 腸すっきり! イチゴとバナナのヨーグルトスムージー

    腸すっきり! イチゴとバナナのヨーグルトスムージー

【材料(2人分)】
イチゴ(冷凍) 90g
バナナ 1本
レモン汁 大さじ1
水 50m
ビフィズス菌入りヨーグルト 150g
アーモンド 5粒

【作り方】
1.ヨーグルトとアーモンド以外の材料をミキサーに入れ、滑らかになるまで攪拌する。
2.ヨーグルトを加え10秒ほど攪拌する。
3.グラスに注ぎ、刻んだアーモンドをふる。

筆者プロフィール: 木村悦子

出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。