前期C級1組から昇級して来た者同士の対決! 佐々木七段は藤井七段がプロ入り初黒星を喫した因縁の相手

第79期順位戦B級2組(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の1回戦、▲佐々木勇気七段-△藤井聡太七段戦が6月25日に東京・将棋会館で行われます。前期C級1組から昇級してきた両者が初戦で激突。ともに順位が悪く、1敗が昇級への命取りになります。早くも昇級争いを占う大一番と言えそうです。

藤井七段は前期10勝0敗という、文句なしの成績で昇級。前々期は9勝1敗ながら順位の差で昇級を逃していました。しかし、順位戦で敗れたのはその時だけ。これまで3期順位戦を戦って、成績は驚異の29勝1敗。勝率は9割6分7厘です。

将棋世界2020年5月号(発行:日本将棋連盟)の「昇級者喜びの声」コーナーにて、藤井七段は「来期も一局一局を大事にして、昇級を目指したいと思う」と意気込みを語っています。

佐々木勇気七段は前期9勝1敗の成績。同成績者が自身を含め3人いましたが、順位の差で昇級を勝ち取りました。C級2組を3期で通過し、C級1組では常に昇級候補と目されながらも足踏みが続いていた佐々木七段。苦節6期目での昇級でした。

「昇級者喜びの声」コーナーで佐々木七段は、「藤井七段が入る来期、昇級候補の人たちが刺激されレベルが上がるのは目に見えている。1敗しか許されないと思うと厳しいが、しがみついていきたい」と藤井七段を意識した発言をしています。また、昇級を決めた当日のインタビューでは「藤井さんとも6時間で指してみたいです」と語っていました。その対決が初戦で実現です。

藤井七段と佐々木七段の過去の対戦は1局のみ。それは3年前の第30期竜王戦決勝トーナメントでのものです。この対局をご記憶の方は多いでしょう。藤井四段(当時)がプロ入り後初めて敗れ、連勝が29で止まった対局です。

その将棋は佐々木七段が先手で相掛かりとなりましたが、今回は先後は前回と同じながらも、戦型は角換わりになっています。午前11時現在では後手の藤井七段が待機戦術を採っており、佐々木七段がうまく戦機をつかめるかがポイントになりそうです。

藤井七段の活躍ぶりは改めてここで書くまでもありませんが、佐々木七段も竜王戦ランキング戦2組で優勝し、現在波に乗っています。好調な若手同士の対決はどちらに軍配が上がるのでしょうか。

前回の対局直後の様子。藤井四段が連勝記録更新中とあって、大勢の報道陣が集まった
前回の対局直後の様子。藤井四段が連勝記録更新中とあって、大勢の報道陣が集まった