第39期竜王戦(主催:読売新聞社)は、藤井聡太竜王への挑戦権を争う本戦トーナメントが大詰め。8月4日(火)には挑戦者決定戦第1局の柵木幹太五段―服部慎一郎七段戦が関西将棋会館で行われました。対局の結果、得意の相掛かりから攻め切った柵木五段が71手で勝利。強敵相手に力を出させない指し回しを見せ挑戦まであと1勝と迫っています。
まさに竜王戦ドリーム
服部七段は菅井竜也八段と増田康宏八段を、柵木五段は佐々木勇気八段・斎藤慎太郎八段・永瀬拓矢九段らのそうそうたる面子を制しての登場。特にランキング戦から数えて10連勝中の柵木五段が勝ち上がれば、伊藤匠二冠以来2度目となる5組からの挑戦となるだけにファンの期待も高まります。振り駒が行われた対局は柵木五段の先手で相掛かり空中戦へ。
早々に右桂を跳ねたのがこの日の柵木五段の作戦で、横歩取りを主軸にした急戦が含み。ともに想定の範囲内か、早いペースで指し手が進む中、先にまとまった時間を使ったのは柵木五段でした。ジッと中住まいを完成させたのは飛車角交換を許してからの攻め筋を吟味したもので、結果的にここでの充実の長考が土台となって、柵木五段の猛攻が火を噴くことに。
驚異のマセカン旋風
後手玉そばの端に歩を垂らしたのが軽い好手で先手好調の展開が続きます。後手の服部七段としては、飛車を手にしたものの、先手陣には打ち込みのスキがなく反撃は望めません。この直後、玉を寄って受けきりに舵を切ったのが服部七段の後悔することになった失着。攻めが止まらなくなった本譜を思うと、銀を上がっての軽い受けのほうがまだ粘れたとの結論に。
57手目、柵木五段の放った敵陣奥深くへの角打ちが一局の掉尾を飾る決め手となりました。服部七段の軽視したこの一手により、後手玉は一気に寄り形となっています。終局時刻は16時59分、自玉の受けなしを認めた服部七段が投了。柵木五段がこれまでに披露してきた「気持ちよく攻めて快勝」というスタイルがこの日も炸裂した格好で、観戦したファンも「ませかん強すぎる」「流れるような手順だった」と舌を巻きました。
注目の第2局は8月13日(木)に東京・将棋会館で行われます。
水留啓(将棋情報局)
