第39期竜王戦(主催:読売新聞社・日本将棋連盟)は、藤井聡太竜王への挑戦権を争う本戦トーナメントが大詰め。8月13日(木)には挑戦者決定戦第2局の服部慎一郎七段―柵木幹太五段戦が東京・将棋会館で行われました。千日手にもつれ込んだ対局は指し直し局を服部八段が92手で勝利。挑戦権の行方は第3局へと持ち越されました。
予想外の千日手から
今シーズン25勝4敗と圧倒的な勝率で勢いに乗る柵木五段。とはいえ快勝を収めた前局以降の1週間ですでに3局をこなしている計算で過密日程が心配されます。服部七段の先手番で始まった対局は角換わり相腰掛け銀へと進展。後手右玉の定跡形から両者かなりのハイペースで指し手を進めたのち、終盤の入り口98手目の局面で千日手が成立しました。
16時49分から対局再開。千日手局で守勢に回らされた服部七段ですが、後手番となった指し直し局でも受け身の展開を余儀なくされます。雁木調の出だしから左美濃を選択したのは先手の早繰り銀に対抗するためにやむを得ない受けで、飛車先の歩を伸ばせていないだけに反撃開始はしばらく先になりそうです。逆に柵木五段としては先手番らしい好調な攻め。
まさかの失着で勝負あり
形勢不明のまま盤上は最終盤へ。一日を通して気持ちよく攻め続けていた柵木五段ですが、持ち時間が1時間を切ったところで後悔の一手が出ます。飛車取りに自陣角を据えたのは直後の桂打ちの受けを軽視した失着で、いっぺんに攻め足が止まって苦境に陥りました。柵木五段は局後SNSを更新、「▲4六角はなかった。失礼しました」と赤裸々に振り返りました。
ミスに乗じて息を吹き返した服部七段は一気に形勢差を広げにかかります。遊び駒の金を活用したのが味のよい決め手で、先手の大駒を抑え込みつつ自玉を安全にすることに成功して憂いがなくなりました。攻めては直後の桂打ちが厳しい王手飛車取りとなるため手段には困りません。終局時刻は21時45分、最後は柵木五段が逆転の見込みなしと認め投了。
どちらが勝っても竜王初挑戦となる注目の第3局は8月24日(月)に東京・将棋会館で行われます。
水留啓(将棋情報局)
