先ごろ幕張メッセで開催された「JAPAN CampingCar2020」。近年のキャンプやアウトドア人気の高まりとともに、私のようなキャンピングカーに詳しくない人でも楽しめる内容になっている、と編集者から誘われたので行ってみた。

  • 幕張メッセで開催された「JAPAN CampingCar2020」

天の川をテントで体験する

従来は最新車種や人気モデルを展示するなど、モーターショー的なノリのイベントのようだが、今回はキャンピングカーで出かけた先での趣味や遊びを紹介する体験型エリア「コンセプトゾーン」が新設。アウトドアに疎い筆者のような初心者でも楽しめるようだ。

同エリアでまず目についたのが、テープが貼られた大きなドーム型のテント。入り口でもらった案内図を見ると、100万個の星を投影する「プラネタリウムテント」というものらしい。どういう目的で作ったのだろうか。プラネタリウムテントを自作したフォトグラファーで、「星のソムリエ」の資格を持つ猪俣慎吾さんにお話を聞いた。

  • 猪俣慎吾さんが自作した「プラネタリウムテント」

「『天の川』って観たことありますか? 実は、日本は晴天率が約30%といわれていて、なかなか本物を観ることができません。なので、これで天の川の魅力をぜひ知ってほしいと思い、既存のテントをベースにしてDIYで作りました」。

上映会は1回30分。最初の10分間解説をして、残りの時間で1年間の星空の動きを投影し、紹介している。実際にテントの中に入ると、「じゃあ、寝転んでみてください」と言われて、1分もしないうちに360度に星空が広がった。

まさに、大草原で星空を見ているかのようである。「次は、ぜひリアルな天の川を!」という猪俣さんの言葉通り、終わった後は本物の星空を見たくなってきた。

フィッシングゾーンでバス釣りの道具に触れる

次にのぞいたフィッシングゾーンでは、普段見ることができない、疑似餌と呼ばれるルアーが水中でどのように動いているかを解説して、(ブラック)バス釣りの面白さを伝えていた。

釣り未経験者の私にとっては、未知なものばかりだったので、「皆さん、どんな道具をもっていくのか」聞くと、ネット(網)やクーラーボックスだけでなく、エレキと呼ばれるモーターやボートで座るための板(座板)、魚探なども必須アイテムだそう。

  • フィッシングを楽しむさまざまなギアを搭載した車内

  • エレキと呼ばれる座板

ここまで大きなギアだと、それなりに荷物を積める車が必要になる。キャンプやアウトドアなどいろんなことが楽しめるのは理解できたが、肝心のキャンピングカーって、今どんなものが流行りなのだろうか。

特に、購入経験のない人たちがまず検討するとしたら、いったいどんなキャンピングカーを選べばいいのか?

軽キャンピングカーの機能性に驚く

車両が展示されたエリアをのぞいてみると、目に留まったのが「軽キャンピングカー専門店」の文字……。キャンピングカーにも軽自動車があるようだ。ブースの準備をしていた、クルーズカンパニー代表取締役の青木秀之さんに話を伺った。

  • キャンピングカーと聞くとイメージする大型のタイプ

  • 軽自動車のキャンピングカー

「軽自動車のキャンピングカー(通称軽キャン)を選ぶ人は、キャンプだけにこだわらず、さまざまな用途で利用しています。例えば、ペットがいる方が旅行先でペット同伴がNGだったり、自然災害などによりペットが入れない避難所生活を強いられたりしても、この軽キャンがあれば一緒に過ごすことができます。もちろん、普段の買い物やドライブなどに使っている人も多いです」。

軽キャンは、団塊世代を中心に利用者が増えていったが、今は30代のファミリーにも裾野は広がってきているとのことだった。

  • 手動ポンプで送る空気で組み立てるテントを装着した軽キャン

  • 居住性が高そうな印象


ここに来るまでは、キャンピングカーに乗る人なんて、違う世界の人間だと思っていたが、この話を聞いて、興味が湧いてきた。キャンプデビューしたいアウトドア初心者や、子どもとファミリーキャンプを検討しているお父さん、お母さんには選択肢の1つになるのでないか。