新しい年を機に気分一新して水族館へ出かけませんか。干支にちなむ「ハダカデバネズミ」は1/19まで実施中。1/10からは深海生物がテーマのディープでエキサイティングなイベントがスタートします!

  • サンシャイン水族館が深海生物の企画を開催

深海生物を見るなら冬!

深海生物は、深く、暗く、冷たい海にすむ生き物。海水の表面水温が下がり、深海生物への影響が最も少ない冬が採集のベストシーズンです。この時期を待ち構えていた飼育員は、深海生物の採集に出かけます。サンシャイン水族館では、3人ほどのチームで沼津などの駿河湾あたりに出かけ、深海底引き網漁船に乗るそうです。

採集した生物は慎重に持ち帰り、館内入り口特設水槽や館内1階「冷たい海」水槽、館内2階 「クマノミとイソギンチャクの海」水槽横に展示予定。

筆者は特別に、水族館の舞台裏ことバックヤードを見せていただきました。採れたてホヤホヤの生物は、いけすのような水槽、黒いタンスのような水槽に入っていてよく見えません。

  • 「メンダコ 貝?」と書いてある通り種の判定は難しい 撮影:木村悦子

  • バックヤードで出番を待つ深海生物たち 撮影:木村悦子

飼育員の笠原穣さんによると、「水圧や水温などの関係で飼育や展示が難しいものが少なくありません。本来真っ暗な深い海にすんでいるので、その環境を再現すると何も見えないぐらいに真っ暗となり、展示はひと苦労。生態や繁殖どころか、何を食べているのかについてさえ分からない生き物もいて、飼育も大変。短い期間しか見られない生き物もいるので、ぜひ見にきてください」とのこと。

以下は飼育員さんたちの生物収集の様子です。
※写真はすべてサンシャイン水族館提供

「ゾクゾク深海生物」イベントの予習

暗く、光の届かない深海では、えさや繁殖相手と出会うチャンスも少なめ。厳しい環境でも生き延び、子孫を残すべく独自の進化を遂げたためユニークな見た目のものが多いのです。以下に、必見の深海生物を列記します。

深海生物の魅力を広く伝えるべく頑張る飼育員さんたちの「深海愛」を感じてください!

メンダコ

  • メンダコ 提供:サンシャイン水族館

8本ある脚は短く、脚の間には膜があります。耳のような形のヒレを動かして泳ぎます。葛西臨海水族園で2019年11月、水槽内で卵が孵化し(世界3例目)、27日という飼育最長記録を達成し、話題になりました(※一般公開なし)。

アカザエビ

  • アカザエビ 提供:サンシャイン水族館

ハサミが長く、体長20cmほどと大きめ。生態や飼育について不明な点は多い。身は美味で寿司ネタのほか、フランス料理ではラングスティーヌ、イタリア料理ではスカンピと呼ばれる高級食材。

オオグソクムシ

  • オオグソクムシ 提供:サンシャイン水族館

深海にすむ甲殻類の一種。陸上のダンゴムシやフナムシなどと近い関係にあります。イベント中は、オオグソクムシを多数入れた「超ゾクゾク水槽」を公開予定。

キホウボウ

  • キホウボウ 提供:サンシャイン水族館

頭が大きく、全身が骨質の硬い板で覆われています。普通のホウボウは人気食材ですが、深海性のキホウボウは底引き網にかかっても食べることはないそうです。

※採集状況や生物の状態により見られないことも

水中ドローンによる深海映像

サンシャイン水族館では、初となる「水中ドローン」を導入。

  • 水中ドローン 提供:サンシャイン水族館

「ゾクゾク深海生物」では、深海映像の放映などを行います。その実機を見ながら深海の話が聞けるイベントや、深海生物に触れる「ゾクゾクタッチ」「深海サメタッチ(冷凍標本)」もお楽しみに。

今回導入された水中ドローンにより可視化されたのは、深海のゴミ。「環境問題を考えてもらうきっかけになれば」という思いで、今後さまざまなイベントの企画などで環境教育にも力を入れていくそうです。

サンシャイン水族館
「ゾクゾク深海生物2020~未知なる世界へ~」
2020年1月10日(金)~3月8日(日)

筆者プロフィール: 木村悦子

出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。