JR東海は28日、特急「ひだ」「南紀」に使用している特急形気動車キハ85系に代わり投入を予定しているハイブリッド方式の次期特急車両に関して、名称とシンボルマークが決定したと発表した。

  • HC85系のエクステリアデザイン(提供 : JR東海)

ハイブリッド方式の次期特急車両は、2019年12月に完成する試験走行車で基本性能試験や長期耐久試験などを行い、その試験結果を踏まえ、量産車の投入を予定している。名称は「HC85系」に決まり、シンボルマークも公開された。

名称に使用される「HC」は、エンジンで発電した電力と蓄電池の電力を組み合わせ、モーターを回して走行する「Hybrid Car」(ハイブリッド方式の車両)の略称。1989年の導入以降、30年以上にわたって利用されてきた従来方式のキハ85系から技術革新した「ハイブリッド方式の85系」との意味を込め、HC85系と名づけた。

  • HC85系の車体側面とシンボルマーク(提供 : JR東海)

HC85系は安全性・快適性の向上や環境負荷の低減などを図りつつ、ハイブリッド方式の鉄道車両として国内初という最高速度120km/hでの営業運転をめざしており、シンボルマークのデザインは車両の特徴を色と形状で表現している。

赤と青の2色は、特急「ひだ」「南紀」が走行する飛騨・南紀の沿線の紅葉や海をイメージし、対比する2色のグラデーションがハイブリッド方式を表す。外観の帯に合わせた3本の流線形状はスピード感を表現。シンボルマークは先頭車両に各2カ所(両側)、1編成あたり4カ所に配置。このシンボルマークは試験走行車にも使用する。

試験走行車の完成後、1年間をめどにハイブリッド技術の確立に向けた基本性能試験や長期耐久試験などを行う。試験結果を踏まえた量産車の投入は2022年度を目標に検討を進めるとしている。