社会人になりたての頃、「まずは100万円貯めよう」と貯蓄の目標を立てた人は多いと思います。20代後半や30代になると、次は1,000万円の目標が見えてくる人もいるのではないでしょうか。貯められるペースは収入にも左右されますが、1,000万円を貯めるのは決して不可能なことではありません。たとえば、30歳までに1,000万円を貯めた人は意外と多くいるのです。それでは、1,000万円を貯めるには、毎月いくらをどのように積み立てればいいのでしょうか。

  • 20、30代で1,000万円を貯めるには毎月いくら、どうやって積み立てればいい?

    20、30代で1,000万円を貯めるには毎月いくら、どうやって積み立てればいい?

1,000万円貯めている人は多いの?

貯蓄がうまくいかない人にとっては、1,000万円は現実味のない貯蓄額に思えますよね。では、実際のところ、1,000万円を貯めている人はどのくらいいるのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(平成30年)」によると、二人以上世帯と単身世帯では、1,000万円以上の金融資産を保有している人の割合は以下の通りとなりました(金融資産を保有していない世帯を含む)。

<二人以上世帯>
・20代……3.4%
・30代……17.4%
・40代……30.8%
・50代……44.2%
・60代……48.4%
・70歳以上……42.2%

<単身世帯>
・20代……1.7%
・30代……10.6%
・40代……16.5%
・50代……25.8%
・60代……38.7%

30代では、二人以上世帯だと約6世帯に1世帯、単身世帯では約10人に一人が1,000万円を貯めているという結果に。特に、一人暮らしではなかなかお金を貯められないイメージがありますが、決して少なくない割合の人が1,000万円を貯めているのです。

この結果を見ると、「工夫次第で自分も1,000万円貯められるかも」と思えてくるものではないでしょうか。では次に、具体的にどうすればいいのか見ていきましょう。

毎月いくらをどうやって積み立てる?

1,000万円という目標を立てたら、次に毎月の貯蓄ペースを考えましょう。たとえば、単純に考えて1,000万円を10年で貯めるなら、1年で100万円を貯める必要があります。これを毎月に配分すると、1ヶ月あたり約8万3,000円を貯める計算になります。

これだと家計が圧迫される恐れがあるなら、1年で50万円など無理のない金額に設定しましょう。1年で50万円貯めるなら、1ヶ月で約4万2,000円貯めていくことになり、1,000万円までは20年かかります。毎月の貯蓄額はキリの良い金額にし、残りはボーナスで補い調整する、というやり方もいいですね。

そして、計画通りに貯めるには、「先取り貯蓄」が必須となります。先取り貯蓄は、生活費としてお金を使う前に、給与が振り込まれたら自動的に貯蓄分を別口座へ振り分ける仕組みです。金融機関の「自動積立定期預金」や勤め先にあるなら「財形貯蓄制度」を活用し、確実にお金を貯めていきましょう。

先取り貯蓄で100万円単位のまとまった金額が貯められたら、有利な金利で運用できる預け先への預け替えも検討してみましょう。たとえば、ネット銀行では、100万円以上の預け入れで、一般の定期預金金利より高くなるところがあります。

また、貯蓄の目的に合った低リスクの金融商品で運用すれば、お金が貯まるスピードを上げることができます。たとえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)を使うと、税制優遇が受けられ老後資金を効率的に貯められます。万が一の備えとしてある程度まとまった金額の現金を確保できたら、次からは毎月の貯蓄分の一部を投資商品に充てるのもいいでしょう。

1,000万円を貯める“5つのコツ”

最後に、1,000万円を貯めるためのコツを5つご紹介しましょう。実際に貯蓄を成功させた多くの人が取り入れていますので、ぜひ意識してみてください。

1.少額からでも貯める仕組みを早く作る
1,000万円貯めようと決意するのはいいことですが、意気込み過ぎて無謀な貯蓄プランを立てる人がいます。そうすると、「大変そうだから、もう少し経ってからにしよう」とスタートを先延ばしにしてしまうことも。お金を貯めるには、少ない額でも先に貯める仕組みを作ってしまうことが大切です。余裕ができた時、貯める金額を増やせばそれでいいのです。

2.無駄使いを発見する
お金を貯めたくても、貯蓄分がない、貯蓄したら生活費が足りないと思い込んでいませんか。収入が変わらなくても、毎月の無駄使いを見つけて省くだけで、その分お金はしっかり貯められます。無駄使いの発見には、家計簿アプリなどを使ってお金の流れを可視化することが重要です。無駄使いをやめてその分を先取り貯蓄に回せば、ストレスなく貯められます。

3.ボーナスに頼り過ぎない
「普段は貯蓄できなくても、ボーナスでお金を貯めればいい」と考える人がいますが、これは少し危険です。ボーナスは、景気や会社の業績に左右されるもので、毎回必ず支給されるとは限らず、場合によっては減額やカットもあり得るからです。そこで、貯蓄は毎月コツコツを基本とし、ボーナスは金額の調整程度に考えておきましょう。ボーナスから多めに貯蓄できた場合はその後の貯蓄額を調整してもいいですが、ボーナスありきの貯蓄計画はやめましょう。

4.働いてしっかり稼ぐのが基本
お金を貯めるには、先取り貯蓄や金融商品の活用は大切ですが、そもそもしっかり働き収入がアップすれば、その分生活が豊かになり貯蓄も増えます。さらに、2で解説したように無駄使いを省けば、貯蓄スピードは加速させることができます。

5.状況に応じ柔軟に貯蓄額を調整する
長い間お金を貯めていくと、状況の変化によって、これまでの貯蓄額の捻出が難しくなる局面もあるでしょう。たとえば、夫婦だと出産と子育てで妻が産休・育休に入り、収入が減った時などです。そうした時には無理をせず、毎月の貯蓄額を減らしましょう。その分、余裕ができた時には増額すればいいのです。

人生には様々なライフイベントがありますので、時には貯蓄よりも、生活のために支出を増やさざるを得ないこともあるでしょう。大切なのは、金額を減らしても貯蓄をやめないことです。少額でも続けていれば、何より心の安定になるからです。

千里の道も一歩から

1,000万円というと大きな金額であり、「貯めるのは大変」「自分には無理」と思ってしまうかもしれません。しかし、しっかり計画を立てて貯める仕組みを作り、コツコツと積み立てていけば、達成は難しいことではないのです。

ポイントは、決して無理な貯蓄をしないこと。お金を貯めるために、家計を切り詰め苦しい生活をしても、ほとんどの場合は続けられずうまくいきません。それよりも、金額は大きくなくても毎月必ず貯める習慣を身につけることの方がはるかに大切です。また、ただ貯まればそれでよしとするのではなく、どのような目的で貯蓄をするのか考えてみましょう。有意義に使ってこそのお金です。

武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中