第67期王座戦五番勝負第2局が9月18日に大阪府大阪市「ウェスティンホテル大阪」で行われました。第1局は挑戦者の永瀬拓矢叡王が千日手指し直しの末に勝利しています。永瀬叡王が勝って奪取まであと1勝と迫るのか、斎藤慎太郎王座が1勝を返してタイスコアに戻すのか、とても大きな意味を持つ対局でした。

「負けない将棋」の永瀬叡王、終盤戦で粘りを発揮。斎藤王座はカド番に

  • 斎藤慎太郎王座(左)と永瀬拓矢叡王

先手番の斎藤王座が得意の角換わり戦法から用意していた新構想を見せると、永瀬叡王も決断よく反発して戦いが始まりました。中盤は難解な局面が続きましたが、先に有利になったのは斎藤王座のほうでした。

しかし終盤戦に入ると、「負けない将棋」を標榜する永瀬叡王が持ち前の粘りを発揮します。攻めを急がず、自陣に手を入れ、局面はますます複雑化していきました。

すると持ち時間の残りが少なくなっていた斎藤王座にいくつかのミスが出て、形勢が逆転。優位に立った永瀬叡王がそのまま押し切り、貴重な2勝目を上げました。

今年の5月に念願の初タイトルを獲得した永瀬叡王は、これで早くも二冠まであと1勝としました。もちろん斎藤王座としても、昨年ようやく奪取した初タイトルを、すんなり手放すわけにはいきません。

永瀬叡王のストレート奪取か、それとも斎藤王座が意地を見せるのか。注目の第3局は10月1日に、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われます。