第67期王座戦が9月2日(月)に神奈川県秦野市「陣屋」で開幕します。昨年この棋戦で初タイトルを獲得した斎藤慎太郎王座に、永瀬拓矢叡王が挑戦するという構図です。永瀬叡王は今年5月に叡王戦で初戴冠したばかり。続けざまに二冠目を狙います。本記事では両者のプロフィールを紹介します。

20代タイトルホルダーが激突

  • 若きタイトルホルダーの対決 斎藤王座(左)と永瀬叡王

斎藤慎太郎王座は1993年4月21日生まれの26歳。2004年9月に6級で奨励会に入会し、12年4月に四段昇段でプロデビューしました。矢倉や角換わりを得意とする居飛車党です。また、終盤力に定評があり、詰将棋解答選手権では第9・10回で優勝しています。

斎藤王座のタイトル戦初挑戦は17年の第88期棋聖戦。羽生善治棋聖(当時)に挑むも、1勝3敗で獲得はなりませんでした。その1年後、第66期王座戦の挑戦者決定トーナメント準決勝で藤井聡太七段を、決勝で渡辺明棋王(現在は棋聖と王将も保持)を破って2度目のタイトル挑戦を決めます。相手は中村太地王座。第1局と第2局を続けて制し、タイトル奪取まであと1勝としますが、そこから2連敗。硬さが出たと本人ものちに語っています。しかし、タイトル戦を経験して精神的に成長したという斎藤王座は激戦となった第5局で勝利し、初タイトル獲得となりました。

永瀬拓矢叡王は1992年9月5日生まれの26歳。斎藤王座と同じく2004年9月に6級で奨励会に入会しましたが、一足早い09年10月に四段に昇段し、プロデビューを果たします。プロ入り当初は振り飛車党でしたが、今ではすっかり居飛車党に。矢倉や横歩取りを得意としています。粘り強い棋風で千日手も厭わず、勝っても負けても長手数決着になることが多いです。また、将棋に対する努力を惜しまず、ストイックに自身の棋力向上を求めることで知られており、その厳しい姿勢から、「軍曹」と呼ばれたりもしています。

永瀬叡王のタイトル戦登場は今回の王座戦で4回目。2016年度の第87期棋聖戦五番勝負、2017年度の第43期棋王戦五番勝負に挑戦者として名乗りを挙げましたが、前者は羽生善治棋聖(当時)、後者は渡辺明棋王にいずれもフルセットで敗れました。しかし、高見泰地叡王に挑戦した第4期叡王戦七番勝負で4連勝、念願のタイトル初戴冠となりました。

両者の対戦はまだ少なく、2戦のみ。成績は1勝1敗です。直近の対戦は今年の7月の第78期順位戦B級1組で、斎藤王座が制しています。

タイトル戦の戦型は相居飛車になることは間違いないでしょう。永瀬叡王が先手なら矢倉、斎藤王座が先手なら矢倉か横歩取りが予想されます。

斎藤王座が初防衛を果たすか、それとも永瀬叡王が奪取で二冠になるか、この秋注目の五番勝負の日程は以下の通りです。

  • 第1局:9月2日(月)神奈川県秦野市「陣屋」
  • 第2局:9月18日(水)大阪市北区「ウェスティンホテル大阪」
  • 第3局:10月1日(火)神戸市中央区「ホテルオークラ神戸」
  • 第4局:10月8日(火)静岡県賀茂郡河津町「伊豆今井浜温泉 今井荘」
  • 第5局:10月16日(水)山梨県甲府市「常磐ホテル」