バンダイが企画・開発する"大人のための変身ベルト" 「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の第24弾は、Amazonプライム・ビデオにて2016年より配信が開始された特撮ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』の「アマゾンズドライバー」に決まった。CSMアマゾンズドライバーにはアマゾンズドライバー本体に、オメガ、アルファ、シグマのコアパーツ、そしてオメガの"充血発光"を再現したオメガ用コアパーツ(充血Ver.)、手鎌状の武器「アマゾンサイズパーツ」、腕輪の形状をした「アマゾンズレジスター」が付属する。

  • 藤田富(ふじたとむ)。1992年生まれ。大阪府出身。 モデルとして雑誌などで活躍したほか、ドラマNHK『精霊の守り人 最終章』、舞台「B-PROJECTonSTAGE『OVER the WAVE』」ほか多数の作品に出演。『仮面ライダーアマゾンズ』では水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ役で主演を務めた後、テレビドラマ『雲霧仁左衛門4』(2018年)や『妖怪!百鬼夜高等学校』(2018年)、映画『地獄少女』『喝 風太郎!!』(いずれも2019年公開予定)などにも出演している。撮影:大塚素久(SYASYA)

1974(昭和49)年に放送された仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーアマゾン』をモチーフにして「野獣のような戦闘スタイルを持つ異形の仮面ライダー」というコンセプトを現代風に発展させた本作は、特撮ヒーロー作品という枠組みからはみ出るかのように陰惨なストーリー展開や、目をそむけたくなるようなバイオレンス描写を含みつつ、アマゾンの襲撃に対抗する人間たちそれぞれのキャラクターを魅力的に描き、深みのあるドラマを生み出した。2016年のSeason1、2017年のSeason2と、配信ドラマを作っていた段階から、いつかは劇場映画として大きなスクリーンで『アマゾンズ』の物語を届けたいというスタッフ、キャストの思いは、ついに2018年5月公開の劇場版『仮面ライダーアマゾンズTHE MOVIE最後ノ審判』という形で結実した。

人間とアマゾンとの狭間で常に葛藤し、"自分が守りたいと思った者は、人間でもアマゾンでも守る"という自分自身の信念を貫こうとする悠を演じてきた藤田。劇中での悠がたくましく成長していく様は、そのまま俳優・藤田富の成長とシンクロしているかのようであった。劇場版の公開から1年が過ぎた今、改めて藤田に『アマゾンズ』出演で自分自身が経験した多くの出来事をふりかえってもらい、『アマゾンズ』という作品の魅力の数々を訊いた。

――2016年のシーズン1から2018年の映画『最後ノ審判』まで、足かけ3年にわたって『仮面ライダーアマゾンズ』でアマゾンオメガ/水澤悠を演じて、藤田さんご自身の中でどんな変化が起きましたか?

なんといっても"演技する楽しさ"に気づかせてもらったことが大きいですね。それは、谷口(賢志)さんという俳優と一緒に芝居をしたことによって、自分が引っ張られていったというか、自分の持っている以上の力を出すことができたような感覚でした。これが『アマゾンズ』を経験したことで、自分自身がもっとも変わったところだと思います。これ以来、他の作品で演技をやっていても、「『アマゾンズ』のときのような瞬間があるかもしれない」と考えるようになりましたし、そういった瞬間に出会うために、今目の前にあるシーンを本気で演じよう、と常に思っています。演技の楽しみ方のひとつを教えてくれた『アマゾンズ』には、すごく感謝しています。

――アマゾンアルファ/鷹山仁を演じられた谷口さんとの共演で、強く印象に残っているシーンはどこでしょう。

たくさんあってすべて挙げられるものではないですが、とにかく最初に出会ったときのインパクトがすごかったですね。シーズン1の第2話、おびえている悠の頭を仁さんがガッとつかまれたとき、びっくりしましたよ。リハーサルにない動きをしてきましたからね(笑)。いきなり頭をつかまれて怖いですし、このあとどうされるかわかりませんから、あのときは何も知らない、自分がアマゾンであることすら知らない悠の"恐怖"がリアルに表現されていました。その後も、谷口さんはリハーサルではぜんぜんやっていないことを本番でどんどん仕掛けてきて、それに対応していくというやりとりが、とても楽しいと思うようになりました。

――石田秀範監督や「駆除班」のみなさんをはじめとする共演者の方々とは、撮影が終わった後でも交流があるとうかがいましたが、みなさん集まられると今でも『アマゾンズ』の話になったりしますか?

これまでに何度か「アマゾンズ会」と称してみんなで集まりましたけれど、撮影していたころの話題はもうほとんど出なくなりましたね。共に芝居をした仲間同士で、あそこが良かった、ここが良かったと褒め合ったりしませんから(笑)。

――『アマゾンズ』の撮影を経て、役者としてステップアップを果たした藤田さんを石田監督はどのように思っているでしょう。何か言葉を交わされたことってありますか。

石田監督と久々にお会いしたとき「最近どうだ? 芝居楽しいか?」と声をかけられることがありました。今の僕にとって芝居が楽しいのは"当たり前"のことで、ふだん言葉にしないようなことなんです。なので「はあ、楽しいです」と答えるのですが、これがそのうち、「楽しくないんです」という感情に変化するかもしれないのかな、そのときがいつか来るんじゃないかと思うと、「芝居楽しいか」というのが、とても深いなと感じるようになりました。

――「楽しい」と藤田さんが答えたとき、石田監督はどのようなリアクションをされるのですか。

「おおそうか、よかったな」と言って笑ってくださいます。でもそのうち「いま楽しくない」と言うようになったとき、監督としては「こいつ何か考えていることがあるんじゃないか」と、成長を感じ取ってくれるのかなって思うんですよ。いまとても楽しいことが、楽しくなくなる瞬間には絶対的な"原因"があるはずですから、それが一体何なのか、考えるじゃないですか。だから石田監督の問いかけにある「楽しいか?」は、僕がこれから芝居について壁にぶちあたったとき、改めて響いてくる言葉なんだと思います。

――Amazonプライム・ビデオの配信が現在も続いていることで、今まさに『アマゾンズ』の世界に進行形でハマってファンになった方もいるのではないかと思います。これまでに、アマゾンズファンの存在を実感されたことなんてありましたか?

それはもう、さまざまな形で反響の声が聞こえてきましたから、ファンの方が観てくださっているというのは、ひしひしと感じています。オンタイムで新しいエピソードが配信されていた金曜日の夜なんて、Twitterで感想のつぶやきがたくさんついていたりして、とてもありがたかったですね。昨年(2018年)の8月に、新高輪プリンスホテルで開催された『仮面ライダーアマゾンズ スペシャルイベント』では、あんなに広い会場がファンの方たちで満席になり、とても盛り上がって楽しかったですね。女性のファンの方で、水澤悠のコスプレをされている人たちが何人かいたそうですが、仁さんと比べて、悠のほうがわりとふつうの格好なので、やりやすいのかなって(笑)。白シャツにチノパンで悠っぽくなりますからね。コスプレをしてくれる方がいるというのも、うれしいことのひとつです。