2018年5月に公開された映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』のBlu-ray&DVD発売(10月3日)を記念したトークショーが、10月2日に東京・渋谷「HMV&BOOKS SHIBUYA」にて開催された。ステージには、主演を務めた藤田富、谷口賢志の2人と、白倉伸一郎プロデューサー、石田秀範監督が登壇。映画撮影時の貴重な裏話や、Amazonプライム・ビデオの配信ドラマとして製作されたSeason1、Season2を再編集した映画『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason1 覚醒』『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason2 輪廻』について熱く語りあった。

  • 左から、石田秀範監督、藤田富、谷口賢志、白倉伸一郎プロデューサー

『仮面ライダーアマゾンズ』とは、Amazonプライム・ビデオにて2016年4月1日から6月24日まで全13話(Season1)、2017年4月7日から6月30日まで全13話(Season2)を配信した連続ドラマシリーズ。現在、日曜日の朝9時からテレビ朝日系で放送されている「仮面ライダーシリーズ」とまったく違う路線を歩む本作では、人間社会に暗躍している危険な人工生命「アマゾン」をめぐって戦いを繰り広げるさまざまな登場人物の激しいぶつかり合いを描き、人が"生きる"とはどういうことか、人の"命"はどうして大切なのかといった根源的なテーマと熱き人間ドラマが追求されている。その中で"ニチアサ"にはとてもオンエアできないような強烈すぎるバイオレンス描写や、刺激的なハードアクションも展開。1974年に放送された『仮面ライダーアマゾン』(主演:岡崎徹)をモチーフにしつつ、「仮面ライダー」シリーズが本来持っていた"怪奇・恐怖"の世界の再構築が試みられている。

お互い、体内に「アマゾン細胞」を宿し、アマゾンズドライバー(ベルト)によって変身する水澤悠(アマゾンオメガ)と鷹山仁(アマゾンアルファ)。人間を守るためアマゾンを問答無用で"狩る"仁と、アマゾンでも人間でも"守るべき者は守る"と主張する悠は、共にアマゾンと戦う存在でありながら、最終的に"対決"する運命から逃れられない。Season1、Season2を経て、キャスト、スタッフ待望の「劇場版」が製作された際、仁と悠の"決着"がどのように着けられるかという部分に大きな注目が集まった。公開された劇場版『最後ノ審判』は、これぞ『アマゾンズ』の完結編と呼ぶにふさわしく、大きな興奮と感動を呼び起こす骨太の作品に仕上がっている。

トークイベントは、まず初めに藤田富と谷口賢志の主役コンビが登壇。いよいよ『最後ノ審判』の映像ソフトが発売されることによって、これがおよそ3年間にわたって繰り広げられた『アマゾンズ』のラストイベントになるのではないか、というMCの言葉を受けた藤田は「終わりという感じがしない。寂しく思いつつも、またどこかで(ファンのみなさんに)会えるんじゃないかという自分もいる」と、ラストイベントに対する率直な気持ちを述べた。

谷口は、「僕の今の率直な感想は、隣にいるこいつは誰?ということです(笑)」と、現在は髪を金色に染めている藤田を見て、『アマゾンズ』撮影時の印象からガラリと変化したことへの戸惑いを打ち明けた後「Season1、Season2と、毎回これで"終わり"だと思って取り組んでいました。さんざんイベントでしゃべって、もうしゃべる機会もないんだと思っていたら、またこのようなイベントがあって、うれしいですよね」と、ファンの応援のおかげで『アマゾンズ』の世界がSeason1からSeason2、そして劇場版へと続いていったことへの喜びを表した。

『最後ノ審判』は、仮面ライダーシリーズ初の「4DX」および「MX4D」での劇場公開となったのも、大きな話題となった。悠や仁がアマゾンに変身する際に座席の横から熱風が吹き込んだり、銃撃による振動や血しぶきを思わせるミスト(霧)がシーンに合わせて発生したりと、視覚・触覚・嗅覚をダイレクトに刺激する4D演出を劇場で体感したファンからは、かなりの満足度が得られたとのリアクションが多く寄せられた。

「映画が公開されたときの、身近な人からの反響は?」という問いに藤田は、「母は僕の芸能界入りに反対していて、『アマゾンズ』の主役に決まったときも『それがどうした』みたいな感じだったんです。でも映画の公開を知らせたとき『それは観に行くよ』と言ってくれて、しっかりと劇場で見てくれました」と、母親に映画を観てもらえたことへの喜びを明かした。(母親の)映画の感想は?と聞かれた藤田は、「あんたカッコええやん!と言われました(笑)」と言って笑わせた後、「もっとあそこはあんな風にしたほうがよかった、なんて細かいダメ出しがあって、バチバチに討論しましたね」と、母親からも熱い意見が寄せられたと話していた。谷口も両親が映画を観に行ったことを話題に出し、「親父からLINEが来ました。『映画、4DXで見た。年寄りにはキツいな。あんなに(座席が)動くとは思わなかった。二度と観ない』(笑)」と、激しく座席が動き、熱風やミストが吹きまくる4Dアトラクションの刺激が強すぎたという感想をもらったことを打ち明けた。

藤田、谷口も『最後ノ審判』は4Dで観たと言い、藤田は「京都で仕事をしていたとき、劇場を探して4DX体験をしましたが、けっこう体力を使いました。過酷な撮影現場を思い出してしまうような、匂いや緊張感が伝わってきて面白かった」と感想を述べた。

谷口は「普通の映画館で観ると、自分の演技が気になって客観視できないところがありますが、4DXだと座席が激しく動き回りますから、普通に楽しめた」と、自分の演技をチェックする余裕もなく、4D体験を存分に楽しんだと笑顔で答えた。『最後ノ審判』の撮影は冬場のもっとも寒い時期に行われ、そんな中で谷口は上半身裸で演技をする場面が多く、現場は極寒との戦いだったという。谷口は「仁の登場するシーンには、ものすごく冷たい風を座席に噴出して、お客さんに俺の"寒さ"を体験してほしかった(笑)」と、過酷そのものの撮影現場を思い出しながらコメントした。

『最後ノ審判』に先がけて限定上映が行われた『Season1 覚醒』『Season2 輪廻』について谷口は、「すごくよくまとまっているとスタッフ内の評判が高く、期待をして観ました。こうやってまとめるんだ、と石田監督の巧さを改めて確認しましたね」と、それぞれ13話ものエピソードを90分の映画にまとめた石田監督の編集手腕に感心していた。その一方で「仁と七羽が一緒にいるシーンとかは、けっこうカットされていました……」と、上映時間の都合で泣く泣く切られた自身の出番について、思いを馳せていた。藤田は「この2本の映画をご覧になった方が、もっと詳しく『アマゾンズ』を知りたいと思って、配信ドラマやBlu-ray、DVDをチェックしてくださるケースも増えたのではないか」と、根強い『アマゾンズ』ファンが熱い応援をしてくれていることに着目し、喜びのコメントを残した。

続いて、Season1、Season2の主要エピソードを演出し、『最後ノ審判』をも手がけた石田秀範監督と、『アマゾンズ』の企画を立ち上げ、大きく成長させてきたチーフプロデューサー・白倉伸一郎氏が登壇した。白倉氏は赤と緑のストライプが『仮面ライダーアマゾン』のボディ模様を思わせる特製のネクタイをしめ、ひときわ注目を集めていた。

まずMCから石田監督に振られた話題は、映画公開時にSNSを賑わせた「駆除班メンバー(俊藤光利、勝也、田邉和也、小林亮太、宮原華音)と一緒に4DXを観に行った話」についてであった。石田監督は「撮影が終わり、映画が完成すると、彼ら(駆除班)に会う機会がガタッと減ったので、ちょっと"アマ(ゾンズ)ロス"になってしまったんです(笑)。そんなとき、彼らが遊園地に行くという情報を聞きつけて、『俺も混ぜろ』と。『いいから混ぜろ、イヤだろうけど混ぜろ』と(笑)。それで同行しているうちに、テンションが上がって子ども時代に戻ってしまいました。楽しかったですよ。ジェットコースターに乗ったりして」と、映画を4DXで観る前に遊園地(としまえん)で駆除班メンバーと一緒に遊んで、楽しい時間を過ごしていたことを詳細に語った。

映画『最後ノ審判』では、悠と仁が共に生身の状態で激しく争うシーンが強いインパクトを残した。これについて石田監督は「2人が生身で、本気で戦うところが観たいと思った。谷口はきっと本気でやると思ったし、谷口に本気で殴られたら富はどんな顔をするんだろうかと……。ファンのみなさんも、2人の生身の戦いを観たいんじゃないかと思ったし、僕自身が『この2人を現場で本当にケンカさせたらどうなるんだろう』という興味を持って、その瞬間を撮ってみたかった」と、演技を超えて"役にのめりこむ"2人の荒々しい激突を映像に収めてみたいという欲求があったことを明かしていた。

互いに髪の毛をつかみ、嚙みつき、本気で蹴り飛ばし合いをした2人の格闘シーンについて、白倉氏は「あれって長野ロケの、わりと最初のほうでやっていましたよね。確か、谷口くんのスケジュールの都合で、早く東京に帰さないといけなかったので。いきなりあそこのシーンから始めるというのは、なかなかハードだなあという印象でした」と、撮影開始してすぐに、非常にハイテンションなアクションシーンを迎えたことについての感想を述べた。

これを受けて谷口は、「演技している側としては、いきなりフルスロットルでやれたので、あれが一発目でテンションが上がりました。富も死ぬ気できているな、という覚悟がわかりましたし」と、最初から最後までテンション高めで仁を演じる気構えが、生身での格闘シーンによって出来上がったことを打ち明けた。

改めて、『アマゾンズ』で目指したことを問われた白倉氏は、「Season1を始めたときのことを思い出すと、やはり"ニチアサ"との対比になりますけれど、"怖い"怪人が跋扈する世界というものを描きたかったんだなあと思います。怪人が実在するかのように思えて、お客さんが"怖い"と思う。夢……まあ悪夢かもしれないのですが、怪人が現実世界に存在するかのように見える、それは『仮面ライダー』の基本中の基本なのかもしれません」と、いわゆる「仮面ライダーと怪人がいる世界」をいかにリアルに描写するか、に重きを置いた『アマゾンズ』のポイントを明かし、それがすなわち『仮面ライダー』の"原点"に立ち返ることであるという説明を行った。

客席からの質問に出席者が答えるコーナーでは、映画の結末に触れるデリケートな話題を含むさまざまな難問に、藤田や谷口がときおり苦笑しながらハイテンポで回答していった。中でも多く寄せられた質問として、「他の役柄を演じるとしたら誰?」というものがあり、藤田は「駆除班の三崎を演じてみたい。何も考えていないようなコメディタッチの芝居がとてもいいと思います。僕、最近コメディをやってみたいんです」と、勝也演じる三崎の飄々としたキャラクターを挙げ、コミカルな芝居に挑戦してみたいと意欲を燃やした。

谷口は「特にないんだけどなあ……。悠の役はイヤだなあ」と、自身が演じる役は仁しかない、という確固たる思いがあることを改めて主張。藤田が「谷口さんが悠を演じたら……(笑)」と一瞬想像してウケていると、谷口は「俺にもさわやかな時代があったんだよ! マモル(小林亮太)みたいにかわいいころがあって、いろいろ経て、今の俺があるんだ!」と、かつて自身も『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)で"さわやかな"ヒーローを演じていた経験があったと過去を振り返る様子を見せた。

現在、平成仮面ライダー20作記念作品『仮面ライダージオウ』を手がけている白倉氏には、「(アマゾンズのライダーは)『ジオウ』に出ますか?」という、なんとも興味深い質問が寄せられた。しかし、当然のことながらこの場では明確な回答は行われなかった。谷口は「どうなんですかね? みなさん出てほしいのかなあ。『アマゾンズ』は『アマゾンズ』で(別枠で)いてほしいと思う意見もあるんじゃないですか。だって、俺(アマゾンアルファ)が『ジオウ』に出たら、他のライダー殺しちゃうんじゃないの(笑)」と、仮面ライダーシリーズにおける『アマゾンズ』の特異なポジションを十分に理解した上でのサービス精神に満ちたコメントを残し、客席を爆笑に包んだ。

最後のあいさつで白倉氏は、「ライダーシリーズの中でも非常にレアな作品となった『アマゾンズ』を愛してくれたみなさんに感謝しています。これで終わりじゃなくて、まだ続くんじゃないかという期待もあるかと思いますけれど、今日このイベントをもちまして、そんな希望を1ミリも残さず終わらせることができればと……(笑)。もし機会があれば……ないと思いますけれど、万が一機会があったら、それを潰していきたいと思っています!」と、『アマゾンズ』の次の展開は"ない"とキッパリ言いきった。

「『アマゾンズ』が大好きなんです」と繰り返しその愛を語る姿が印象的だった石田監督は、「長く長く残る作品を作ったつもりです。DVDやBlu-rayを"一生"観続けていただきたいと思います」と、自身の監督生活の中でもひときわ愛着のある『アマゾンズ』を多くのファンの元へ届けることができた喜びをかみしめていた。

谷口は、「DVD、Blu-rayになったことで、この作品は僕よりも長生きするんだなという実感がわいてきています。『アマゾンズ』は僕の心に一生残るライダーになりましたし、多くの方たちにもそうなってほしいです。ちゃんと終わらせないと次に進めないので、今日でバッチリ終わらせて、また別の形でみなさんに会えたらいいなと思っております」と、『アマゾンズ』に携わった濃密な3年間の思いを胸に、改めてファンへの感謝の気持ちを伝えた。

藤田は、「みなさんのおかげで『仮面ライダーアマゾンズ』という作品がここまで長く続くことができました。僕は『アマゾンズ』を代表作として背負って、これからも役者としてメシを食っていきたいと思っています! ありがとうございました!」とあいさつ。『アマゾンズ』で培ってきた経験を生かし、よりいっそう俳優として飛躍を目指すと力強く宣言した。

Blu-ray&DVD『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』、そしてDVD『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason1 覚醒』と『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason2 輪廻』は2018年10月3日より発売を開始する。また3作品のBlu-rayをまとめた『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE トリロジーBlu-ray BOX』も同時発売される。

(C)『仮面ライダーアマゾンズ』製作委員会 (C)2018劇場版『仮面ライダーアマゾンズ』製作委員会 (C)石森プロ・東映