映画『アルキメデスの大戦』(7月26日公開)の漫画家特別試写会が4日に行われ、藤子不二雄(A)、武論尊ら25人の漫画家ゲストが参加した。

  • 1列目左から山下和美、武論尊、藤子不二雄(A)、石川サブロウ、三田紀房、山崎貴監督、かざま鋭二、高橋よしひろ、高橋のぼる、紅林直。2列目左から目白花子、新條まゆ、立野真琴、 はしもとみつお、村上もとか、福本伸行、後藤一信(監修)、伊藤理佐、わたなべぽん、花沢健吾。3列目左から、竜崎遼児、大島やすいち、本庄敬、魚戸おさむ。

同作は『ドラゴン桜』『インベスターZ』などヒット作を飛ばす三田紀房による同名漫画を実写化。1930年代の日本、大日本帝国海軍の司令部による世界最大級の戦艦“大和”の建造を阻止するため、海軍少将・山本五十六は、帝国大学100年に1人の逸材=アルキメデスの再来と呼ばれる天才数学者・櫂直(かいただし)を引き入れ、軍部の陰謀を暴こうとする。

完成した映画をいち早く観てほしいと、原作者の三田が漫画家仲間たちに試写の案内をしたところ、藤子不二雄(A)、武論尊、福本伸行などのレジェンド漫画家たちが続々と参加を表明。想定以上に多くの漫画家たちからの参加希望者があったことから、急遽「漫画家特別試写会」を開催することになった。

当日は25名の漫画家たちが試写に参加し、上映前の開場は超有名漫画家同士が談笑する姿も。上映前には三田が「この会を開催することができ、皆様に本当に感謝申し上げます。鑑賞後はぜひ忌憚のないご意見を! ……お手柔らかに」と挨拶し、会場に笑いが起こる。また、山崎監督は「来場する方々の名前を観た時、『まさか! まさか!』という方々のお名前ばかりが並んでいて、びっくりしました。今、緊張していると同時に、非常に嬉しく思います」と喜びの気持ちを伝え、さらに「漫画と映画というものは切っても切れない関係にあると思いますし、私自身、漫画からいただいているものが大きいので、皆さまに観ていただけることに感動しております」と語った。

上映終了後、場内は大きな拍手で包まれ、映画を観終わった漫画家たちは三田紀房氏の元にかけより、「面白かった!」と笑顔で話しかける。藤子不二雄(A)は「特撮がメインの映画かと思っていたら、冒頭の特撮シーンから人間ドラマにばっと切り替わり、非常に面白かったです。先の読めない展開や意外性があって、さらに感動もあって、主演の菅田将暉さんの演技も素晴らしかった」と絶賛。最後には超豪華メンバーでの集合写真を撮影し、映画の特別版ポスターにもサインを寄せ、貴重な1枚が出来上がった。

三田紀房氏(原作) コメント

私自身、完成した映画を観て、鳥肌がたちました。画面からくるリアリティーや迫力に、観ていて圧倒されました。山崎監督を信じて楽しみにしていましたが、想像以上で、「ここまで作り込んだか!」と感動しました。
今回、多くの方に観ていただきたく、漫画家同士のコミュニティの中で、ダメ元でいろいろな方にお声掛けしたのですが、こんなにたくさんの方に来ていただき、ただただ感謝しかありません。

山崎貴監督 コメント

漫画家の方々は、話を作り、ある意味では演者もやり、一人で物語を作っていくという、僕にとってスーパーマンみたいな存在です。僕はいろいろな方にお力を借りて映画を作っているので、そんな凄まじい能力を持っている漫画家の方々に観ていただくのは少し怖い気もしましたが(笑)、もちろん、すごく楽しみでもありました。大和はいつか描いてみたいと昔から思っていた、深く関心があったテーマで、そんな中で三田先生の凄い切り口の漫画と出会い、「是非つくらせて下さい!」とお願いしました。この映画を漫画家の方々にも気に入っていただけると嬉しいです。

藤子不二雄(A) コメント

特撮がメインの映画かと思っていたら、冒頭の特撮シーンから人間ドラマにばっと切り替わり、すごく面白かったです。僕も漫画を作っていますが、この映画は先の読めない展開や意外性があって、さらに感動もあって非常に良かったですし、主演の菅田将暉さんも素晴らしかったです。数式を解きながら演技をするシーンには、ビックリしました。僕は大和を知っている世代なので、当時のことも思いだしましたね。

武論尊 コメント

作り手としてライバルの目でも見ていたのですが、「やられたなぁ」と思いましたね。「そういう捉え方をしたのか」「上手いなぁ」と感じ、凄く悔しかったです(笑)。どんでん返しがあり、大和の意味についても語られ、脚本が上手く作られていて面白かったです。

福本伸行 コメント

原作漫画を読んでいる僕はもちろん、物語を知らない人も面白いと思います。ドラマの「半沢直樹」みたいな攻防があって、物語が二転三転し、サラリーマンドラマみたいな面白さもありました。結末は自分の中でしっくりとくるところがあって、感慨深かったです。三田先生のこの漫画をどう映画化するのかと思っていましたが、見事に着地していました。

高橋のぼる コメント

非常に面白く、楽しんで観させていただきました。自分も漫画を映画化していただきましたが、その映画を観ると漫画が良くなってくるんですよね。演じていただいた俳優が漫画の中のキャラクターに上手く入ってきてくれて、キャラの表情も良くなりますし、リアクションもぶれなくなってきます。三田先生の漫画がまたさらに面白くなるんじゃないかと思って、楽しみです。

試写会ゲスト一覧 ※五十音順

石川サブロウ(『蒼き炎』)、伊藤理佐(『おるちゅばんエビちゅ』)、魚戸おさむ(『家栽の人』) 、大島やすいち(『バツ&テリー』)、かざま鋭二(『風の大地』)、新條まゆ(『快感♥フレーズ』)、末次由紀(『ちはやふる』)、仙道ますみ(『リベンジH』)、紅林直(『嬢王』)、高橋のぼる(『土竜の唄』)、高橋よしひろ(『銀牙』)、立野真琴(『YELLOW』)、ナガテユカ(『ギフト±』)、はしもとみつお(『築地魚河岸三代目』)、花沢健吾(『アイアムアヒーロー』)、福本伸行(『カイジ』)シリーズ、藤子不二雄(A)(『オバケのQ太郎』)、藤巻忠俊(『黒子のバスケ』)、武論尊(『北斗の拳』)、本庄敬(『蒼太の包丁』)、村上もとか(『JIN-仁-』)、目白花子(『東京バンパイヤ』)、山下和美(『天才柳沢教授の生活』)、竜崎遼児(『どぐされ球団』)、わたなべぽん(『自分を好きになりたい』)