JR四国は27日、新たなものがたり列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」のインテリアデザインやプロモーション映像について発表した。2020年春から高知~窪川間で運行開始を予定している。

  • 1号車「KUROFUNE」のインテリアイメージ

インテリアデザインは、蒸気機関やロケットエンジンデザインのダイナミズムを新たな旅への高揚感のモチーフとして、明治期の装飾表現と融合させた「空」想ファンタジーデザインに。連立する照明ポールや可変テーブル支柱を張り巡らされた機械配管の疑似デザインとして表現し、機械美に幻想性を重ね合わせたデザインとしている。

1号車「KUROFUNE」は、果てなき青空の下、仲間たちと新たな時代への「志」を語りながら大海をゆく蒸気船をモチーフに、文明開化期から萌芽する19世紀末芸術を想起させるデザインをあしらった。2号車「SORAFUNE」は、大空のその先、大気圏を突き抜けた宇宙空間までにもつながる未来への「夢」をコンセプトに、レトロSF小説で描かれる空想科学上の宇宙船をイメージしている。

  • 2号車「SORAFUNE」のインテリアイメージ

1号車「KUROFUNE」は、全体において「おきゃく」(土佐弁で「宴会」を示す言葉)をイメージした対面の座席レイアウトとし、出入口側にテーブルを囲みながら誰とでも交流できる「高知家の団らんシート」を12席用意。運転席側の4名席4カ所は、3名以上のグループで利用できるシートとなっている。運転席の後方に地元ガイドらが沿線ガイドを行う地域ガイドスタッフエリアを設け、ガイドの様子ならびに列車先頭展望をライブカメラで各車両へ転送する。

2号車「SORAFUNE」は、全体を窓向きの座席レイアウトとし、角度の異なる座席を用意する。これまでのものがたり列車でも利用の多い1~2名で利用できるシートスタイルとなっている。その他、サービスカウンターを設置して飲食物や土産などの車内販売を行い、車いす席のほか、多目的トイレや女性専用トイレを設ける。

  • 1号車「KUROFUNE」窓向き席モードのイメージ

  • 2号車「SORAFUNE」対面席モードのイメージ

各車両とも可変式のテーブルと座席を採用し、窓向きと対面のレイアウトに変更可能。チャーター便では要望に合わせたレイアウトを楽しめる予定となっている。定員は47名(1号車28席・2号車19席)。

下りの便名は、坂本龍馬が脱藩したといわれる道と並行する区間があることから、龍馬が志をもって旅立つ様子をイメージした「『志国土佐時代の夜明けのものがたり』立志の抄(りっしのしょう)」に。上りの便名は、時代の夜明け「文明開化」と、偉業を成し遂げて凱旋する様子や夢を成し遂げた誉れとして「開花」を用い、「『志国土佐時代の夜明けのものがたり』開花の抄(かいかのしょう)」とした。

「高知を走る観光列車『志国土佐 時代の夜明けのものがたり』」ホームページにて、5月27日からプロモーション映像の第1弾を公開している。