JR北海道は9日に発表した長期経営ビジョン(2019~2031年度)と中期経営計画(2019~2023年度)にて、新千歳空港アクセス強化をはじめとする在来線の輸送サービス改善と、2両ワンマン電車新製など省力化・効率化によるコスト削減に取り組む方針を明らかにした。

  • 快速「エアポート」は733系への更新に加え、7両編成化も検討する

新千歳空港のアクセス強化においては、今年度の事業計画でも打ち出している快速「エアポート」の毎時5本化(2020年春)に加え、2023~2024年度にかけて721系から733系への車両更新を推進。これにともない、1列車あたりの定員は762人(721系)から821人(733系)に増える。現在は6両編成で運行される同列車の7両化もあわせて検討する。

また、快速「エアポート」の他に特急列車・普通列車・貨物列車も走行し、過密状態にある千歳線の輸送力を拡大するため、JR貨物とのダイヤ調整にも取り組むとした。単線の盲腸線で千歳線と結ばれている新千歳空港駅の「スルー化」も検討。新千歳空港駅と千歳線を結ぶ線路を苫小牧方面にも延ばし、行き止まり駅となっている状態を解消する。新千歳空港駅と石勝線を結ぶ線路も作り、南千歳駅での乗換えを不要にする。

現在、キハ281系・キハ261系による運行となっている特急「スーパー北斗」は2022年度をめどに、すべてキハ261系化される予定。その他、省力化・効率化によるコスト削減の取組みとして、老朽車両の更新に合わせた2両ワンマン電車新製の検討なども盛り込んだ。

  • 電気式気動車H100形「DECMO」(写真は量産先行車。2018年4月の報道公開にて撮影)

中期経営計画では、今年度から始める取組みとしてH100形「DECMO」の導入も記載された。エンジンで発電した電力によりモーターで走行する電気式気動車であるため、従来の気動車と比べて構造がシンプルで機械的な要素が少なく、メンテナンス時の負担軽減とコスト削減を図れるとしている。