京都鉄道博物館は2日、JR四国の観光列車「瀬戸大橋アンパンマントロッコ号」の入線シーンを報道関係者らに特別公開した。JR四国所属の車両が京都鉄道博物館へ入線するのは今回が初めてだという。
「瀬戸大橋アンパンマントロッコ号」はJR四国のキハ185系とキクハ32形の2両で構成され、おもに瀬戸大橋線経由で岡山~高松・琴平間にて運行されている。この車両は「アンパンマントロッコ」として2006年にデビューした後、2015年にリニューアルされた。その際、牽引車両のキハ185-26がグリーン車になり、車番がキロ185-26に変更されている。
入線当日、館内はこどもたちを連れた家族や鉄道ファンらが集まった。こどもたちの「出発進行」という元気なかけ声を合図に、「瀬戸大橋アンパンマントロッコ号」が先頭のキクハ32形からゆっくりと館内へ入線。照明の影響もあり、車体に描かれたアンパンマンのキャラクターたちが見事に映えた。
JR四国の関係者によると、展示に向けた車両の整備には苦労したという。瀬戸内海の真上を走る列車だけに、メンテナンスには気を使うのだろう。
京都鉄道博物館での「瀬戸大橋アンパントロッコ号」の展示に合わせ、車内も報道公開された。キハ185系の車内にはアンパンマンやバイキンマンらを描いたシートが並ぶ。車端部にはベビーカー置場や売店も。一方、「指定席」と記されたプレートは年季が入っており、キハ185系が1980年代末に登場した車両であることを実感させられた。
キクハ32形の車内はトロッコ列車ということもあり、開放的な雰囲気。木製の座席にはアンパンマンのキャラクターが置かれている。また、記念撮影コーナーとして、日付が書かれたプレートを持つアンパンマンの姿も。まさしく「瀬戸大橋アンパントロッコ号」はこどもたちを楽しませるためのしかけがたくさん詰まった車両だった。
「瀬戸大橋アンパントロッコ号」は土休日を中心に、春休み・夏休み期間も運転されるとのこと。詳しい運転日は「アンパンマン列車HP」で公開されている。乗車の際、乗車券の他にグリーン車指定席券が必要となる。なお、トロッコ車両(キクハ32形)への乗車は児島~坂出・琴平間に限られる。
京都鉄道博物館では「瀬戸大橋アンパントロッコ号」の特別展示に合わせ、本館2階の企画展示室にて、特別展「アンパンマン列車だいしゅうごう! 展」とイベント「アンパンマン列車だいしゅうごう! スタンプラリー」を開催している。特別展ではパネルや模型を中心に、19年にわたるJR四国「アンパンマン列車」の歴史を紹介。予讃線を走る8000系「アンパンマン列車」の「アンパンマンシート」を用いた撮影コーナーも用意された。
「瀬戸大橋アンパンマントロッコ号」の特別展示ならびに特別展、イベントは3月3日まで。なお、最終日の3月3日は搬出予定のため、見学できない時間があるとのことだ。