JR西日本が嵯峨野線(山陰本線)京都~丹波口間に設置する新駅、梅小路京都西駅の開業日が2019年3月16日に決まった。先日、取材で京都鉄道博物館を訪ねた際、新駅周辺の現在の様子も見ることができたのでレポートしたい。

  • 梅小路京都西駅の駅舎

    梅小路京都西駅の駅舎。2019年3月16日のダイヤ改正に合わせて開業する

梅小路京都西駅の開業にあたり、JR西日本は新駅を「京都観光の新たなサブゲート」と紹介している。周辺には京都鉄道博物館や京都水族館をはじめ、観光スポットが点在しており、新駅開業でこれらの観光スポットへのアクセス改善が期待されている。

来年3月のダイヤ改正に合わせて開業し、相対式ホーム(延長165m、幅3.0~6.7m)を有する高架駅に。普通列車が停車し、快速は通過する。運転本数は終日上下各68本(土休日は67本)。日中時間帯標準の所要時間は京都駅から3分、嵯峨嵐山駅から14分とのこと。嵐山から京都駅西部エリアへセットでの利用も容易となる。

新駅周辺では開業に向けた工事が着々と進み、すでに駅舎の一部は姿を現している。「梅小路公園および京都駅西部エリアにある観光の玄関口の駅として、地域との連携を育むデザイン」をコンセプトに、京都の町並みの「縦格子・縦縞」、京友禅の反物の「縦長矩形」を想起させる形態としている。駅改札口付近では、工芸品などに用いられる「梅柄光琳梅」の形状を引用。自動改札(4通路)と券売機2台・みどりの券売機1台が設けられる。

  • 京都方から見た梅小路京都西駅。京都の町並みの「縦格子・縦縞」、京友禅の反物の「縦長矩形」を意識したデザイン

  • 京都府道113号梅津東山七条線付近から見た梅小路京都西駅

  • 京都駅方面へ向かう嵯峨野線(山陰本線)の221系

  • 梅小路京都西駅では日中時間帯、1時間あたり4本の普通列車が停車するという

工事中の駅舎外観を見ると、縦筋が目立ち、京都の伝統・文化だけでなく未来を感じさせるデザインとなる様子。まだ駅舎内には入れないものの、新駅と京都の伝統・文化がどのように組み合わせられるのか、いまから楽しみだ。

梅小路京都西駅から京都鉄道博物館までは徒歩5分ほど。現状では、京都駅から京都鉄道博物館まで徒歩約20分を要する。公共交通機関としてはバスに頼らざるをえない。梅小路京都西駅の開業により、京都鉄道博物館への来場者数の増加も期待されている。

新駅周辺では駅前広場などの整備が進む。梅小路公園・京都鉄道博物館前バス停(京都市バスなど)周辺では、断続的に工事が進められ、12月10日から梅小路公園の大型バス駐車場が閉鎖されている。七条入口広場も最整備されており、新駅開業で周辺の風景も大きく変わることだろう。

  • 京都鉄道博物館は梅小路京都西駅のすぐ南側に位置する

  • 京都鉄道博物館の館内に、新駅開業までの日数を表示したディスプレイが置かれてあった

  • 梅小路京都西駅と梅小路公園・京都鉄道博物館前バス停

  • 梅小路京都西駅の周辺で行われる工事箇所を示した地図

なお、工事にともない道が狭くなっている箇所があるため、京都鉄道博物館や梅小路公園を訪れる際は十分に注意してほしい。