JR北海道は21日、札沼線(学園都市線)北海道医療大学~新十津川間の鉄道事業廃止届の提出について発表した。廃止予定日は2020年5月7日とされた。

  • 札沼線(学園都市線)の終点、新十津川駅

現在の札沼線(学園都市線)は桑園~新十津川間を結ぶ営業キロ76.5kmの路線で、途中の石狩当別駅・北海道医療大学駅までは札幌市近郊の通勤路線として発展。一部区間が複線化されたほか、2012年に電化され、日中時間帯におおむね20分間隔で電車による運転が行われている。一方、非電化区間の北海道医療大学~新十津川間(営業キロ47.6km)は列車の本数が少なく、浦臼~新十津川間では2016年3月以降、1日1往復のみの運転となっていた。

JR北海道の「当社単独では維持することが困難な線区」の中でも、北海道医療大学~新十津川間は輸送密度200人未満(片道100人未満)の線区とされ、地元高校への通学利用を除いて日常的な利用がほとんどなく、老朽化したレールや橋梁などの維持管理にも苦労しているとのこと。運営赤字とは別に、老朽土木構造物の維持更新費用として、今後20年間で6億円程度が必要とされている。JR北海道は持続的な交通体系とするため、バス等への転換について沿線自治体である当別町、月形町、浦臼町、新十津川町と協議してきた。

協議の結果、12月20日に鉄道事業廃止の合意に至ったことから、「本日、鉄道事業法第28条の2(事業の廃止)に則り、国土交通大臣宛てに鉄道事業廃止届出書を提出いたしました」とJR北海道。2020年5月上旬の営業運転をもって廃止されることとなった。