「FP」と「MBA」は、どちらもお金に関わる略語ですが、意味はまるで違います。

  • FPとMBAの意味を理解していますか?

どんな言葉なのか、しっかりと見ていきましょう。

FPとは何か

FPとは【Financial Planner】の略で、英語の意味通り、(特に家庭の)財政について、プランニングする仕事のことです。

「マイホームを建てる」「子どもを大学に進学させる」「独立してパン屋を開業する」「老後を豊かに過ごす」といった人生設計について、給料・株式配当・家賃収入などの所得や資産状況、家族構成などを把握した上で、資金計画をつくり、アドバイスをするのがFPです。

ブラック企業問題や消費税増税、親の介護など、次々と社会不安が生まれるなかで、長期的に生活を守っていくためには、お金を適切に管理・運用することが欠かせません。

そのための手助けをするFPは「家計のホームドクター」と呼ばれることもあります。

「日常の買い物に使うクレジットカードはどこがいいのか?」
「子どもが自転車通学を始めたが、保険に入った方がいいのか?」
「会社の業績悪化で給料が減った。家計のどこを削減すべきか?」

など、さまざまな生活の悩みに対して、FPの知識があれば、より良い選択肢を導き出すことができるのです。

独立して事務所を構えるFPもいますが、ほとんどのFPは銀行や保険会社、会計事務所などに勤めており、営業職や資産アドバイザーとして働いています。

働く女性向けに講演会を開催したり、住宅ローン説明会の対応をしたり、子どもにマネー教育をしたりといったことも、FPの仕事です。

FPはいつから存在する?

もともとFPの仕事は、1920年代のアメリカで誕生しました。第一次世界大戦が終わって大量生産・大量消費の社会が花開き、経済的に大きく繁栄した時代です。

そのなかで、一部の保険の営業マン達が商品を売るために、顧客のライフプランニングを手伝うようになったのです。

日本では1986年に民間資格としてのFPが始まり、2002年には国家資格としての「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」が誕生しています。

3級FP技能士ならば、独学でも取得可能とされています。金融資産の運用はもちろん、税制や社会保障制度の知識を持つFP技能士は、一般企業でも人事・総務・財務の部署で活躍できるかもしれません。

【例文】
「FPの資格だけでは、独立して食べていくのは難しそうだ」
「ふるさと納税についてFPに教えてもらったので、家族で温泉旅行に行けた」

勘違いされやすいMBA

MBAとは【Master of Business Administration】の略です。日本で経営学修士と呼ばれる通り、MBAは大学院を出た「学位」です。勘違いされやすいのですが、資格ではありません。

事業を運営し、また、運営のための仕組みをつくることが経営です。

社会にどのような価値を届けるのか、どうやって計画を立て現実にしていくのか、人である社員や顧客・取引先とどう接するか、選択肢の中から何を決断するのか……経営はたくさんの方法の集合体ともいえます。

理想や信念、勘や経験、倫理や道徳なども経営方法の一部でしょう。ですが、それだけでは個人差がありすぎて、新しく事業を始めようとしても困ってしまいます。

みんなが共通に応用でき、なおかつ、より良い経営方法を探すために、経営を学問的に分析していこうという考えが産まれました。

MBAの歴史

世界初のビジネススクールは、1881年にアメリカで設立されたウォートン・スクールです。産業革命を経てさまざまな事業が始まり、巨大化していったことが時代背景にあります。

有名なハーバード・ビジネス・スクールは、1908年に設立されています。ハーバードでMBAを得た有名な経営者には、楽天創業者の三木谷浩史氏やDeNA創業者の南場智子氏がいます。

経営の三要素である「ヒト・モノ・カネ」に焦点を当てたカリキュラムが一般的ですが、AI・IoT・ロボットなどテクノロジーが進化していく中で、ビジネスの構造自体も変化しつつあり、ビジネススクールごとに特色も違います。

イギリスの評価機関Quacquarelli Symondsが作成した「QS Global MBA Ranking 2018」によると、ビジネススクールの1位はハーバード大学、2位はフランスのINSEAD、3位もフランスのHEC Parisです。

アジアのトップは中国上海のCEIBSの28位で、残念ながら日本の大学は50位以内にはありませんでした。

【例文】
「将来起業するために、まずはMBAを目指して勉強しよう」
「社員にMBAを取らせたからといって、すぐに利益に結びつくとは限らない」