西武鉄道は29日、新型特急車両001系「Laview(ラビュー)」が2019年3月にデビューすると発表した。同車両は建築家・妹島和世氏監修の下で開発され、現在運行している10000系「ニューレッドアロー」から25年ぶりの新型特急車両となる。第1編成は各種試験等を経て、池袋線・西武秩父線にてビジネス・観光型の特急列車として営業運転を行う。

  • 西武鉄道の新型特急車両001系「ラビュー(Laview)」の外観

新型特急車両の車両形式「001系」は、西武鉄道の次世代のフラッグシップトレインとして「いままでに見たことのない新しい車両」であること、「次の100年に向けた出発点である車両」であることを表現するため、100年を逆から表した「001」表記とし、「00」に「∞(無限)」の可能性の意味も込め、「001系」とした。

愛称「Laview」の「L」は贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間、「a」は矢(arrow)のような速達性、「view」は大きな窓から移りゆく眺望(view)を表す。都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む車両として、多くの乗客に特急列車での旅を楽しんでもらいたいとの思いが込められた。

  • 車体前面は球面形状とし、三次元の曲面ガラスを採用。客室窓は大型の窓ガラスを配置

エクステリア・インテリアの画像も公開された。エクステリアは、先頭部を球面形状とし、前面ガラスには国内初という曲線半径1,500mmの3次元の曲面ガラスを採用。客室窓は縦1,350mm×横1,580mmの大型窓ガラスを等間隔で配置し、沿線の景色を大パノラマで楽しめる。車体カラーはアルミ素材の車体に塗装を施し、都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込むデザインを実現している。

インテリアは、座席に乗客の背丈サイズに合わせて調節できる手動式可動枕を採用し、各座席に電源コンセント(AC100V)を設置。従来の背面テーブル(大型)に加え、向かい合わせに座席を転換しても使用できるインアームテーブルを設けた。

  • 客室内の各座席に電源コンセントも設置される

  • 背面テーブル

  • インアームテーブル

  • 「SEIBU FREE Wi-Fi」を各車両に導入

  • 23インチの大型車内ビジョンを設置

各車両に「SEIBU FREE Wi-Fi」と、同社初の23インチ大型車内ビジョンを導入。エントランス床材には同社初の人造大理石を採用し、あたたかみと安心感のある空間に上品さも演出している。サニタリにおいても、同社初となる女性専用トイレやパウダールームを5号車に設け、拡大鏡やチェンジングボード、おむつ交換シートを設置するなど、幅広いニーズに応えられるように設計している。

車両の基本デザイン監修は建築家の妹島和世氏が担当。座席シートや床面などのテキスタイルはデザイナーの安東陽子氏、天井照明をはじめとする車内の照明デザインは照明家の豊久将三氏、デザインコーディネーションとグラフィックデザインは建築家の棚瀬純孝氏が担当し、いままでにないデザインとした。

  • 多目的トイレ

  • パウダールーム

新型特急車両001系「ラビュー(Laview)」は今後、2018~2019年度にかけて、池袋線・西武秩父線で運行中の10000系「ニューレッドアロー」を順次置き換え、特急「ちちぶ」「むさし」として運行予定。特急料金・特急券発売場所は現在の特急レッドアロー号と同様で、特急料金は大人300~700円・小児150~350円とされている。

  • 「ラビュー(Laview)」ロゴ

  • 新型特急車両のポスターも製作された