西武鉄道は14日、新型特急車両の導入について発表した。「いままでに見たことのない新しい特急車両」との思いをもとに、デザインコンセプト策定と外観・内観デザインを建築家・妹島和世氏に依頼。風景に溶け込むようなやわらかいデザインをめざす。日立製作所も同日、西武鉄道の新型特急車両の受注を発表している。

西武鉄道の新型特急車両イメージ。「現在検討中のイメージイラストであり、実際のものとは異なります」とのこと(画像はすべて西武鉄道提供)

「いままでに見たことのない新しい特急車両」との思いは、同社およびグループ会社の若手社員からなるプロジェクトチームの議論から生まれたという。これをもとに、プロジェクトチームと妹島氏の意見交換を経て、「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」「みんながくつろげるリビングのような特急」「新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急」の3つのデザインコンセプトが策定された。

妹島氏は自身初となる特急車両のデザインにあたり、「秩父の山の中や都市の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いなと思いました。みんな思い思いにくつろげるリビングルームのような、今日もまた乗りたいなと思うような特急になれば」とコメント。風景に溶け込み、見るだけでも楽しくなるような新型特急車両を提供することで、通勤・通学から観光利用まで、あらゆる利用者に満足してもらえるような車両の実現をめざす。

新型特急車両の製作は、初代「レッドアロー」5000系(写真左)・「ニューレッドアロー」10000系(同右)に続き日立製作所が担当

新型特急車両は2018年度から運行開始する予定。導入両数は8両編成7編成、計56両とされている。製作会社は日立製作所で、西武鉄道の初代「レッドアロー」5000系(1969年デビュー・1995年引退)、現行の特急車両「ニューレッドアロー」こと10000系(1993年デビュー)に続き、3代続けての受注となった。山口県下松市の笠戸事業所にて、日立が開発したアルミ製標準型車両「A-train」コンセプトにより製作されるとのこと。