9.STARing -from rebirth-[2015/03/11発売:18thシングル]

新谷 みんなを連れていきたい、むしろ付いてきなよ!くらいの強さを出したくて作った曲です。ジャケットもちょっとジャンヌ・ダルクみたいなイメージにして、先陣を切って進んでいく頼もしさのようなものがそろそろあってもいいのではないかと思って作りました。実際、今でもそうですが、先なんて全然見えていないし、やりたいことはあるけれど、上手く言葉にできない。だけど、進むためのエンジンはかかっていますという時期だったので、それを自分自身に言ってあげたかったんですよ。そういう気力は十分だったので、それを表現できる曲にしたいと思いました。本当に、自分で自分に言ってあげたい感が全部詰まっている曲なので、気持ち的に迷うところはなく、歌えば歌うほど自分の気持ちがより固まっていく感じがして、カッコいい曲になるんだろうな、ライブでもいいところにくる曲になるんだろうなって思っていました。

10.HOPPING DICE[2015/03/11発売:18thシングル・カップリング]

新谷 むつきんぐ(睦月周平)とミズノ(ゲンキ)君の組み合わせはこの曲が初めてだったのですが、どうやらこの2人はバンビポップをすごく好きでいてくれたようで、違和感なく新しい風を吹かせてくれたと言うか、違和感なく若い力が入ってきたと言うか(笑)。むつきんぐは実際にライブでギターを弾いてくれたりもしていましたし、それをミズノくんは見に来てくれたりもしていたのですが、バンビポップが好きだったんですと言ってもらえるまでになったんだ、そしてそういう子たちとお仕事をしているんだと思うと、すごく不思議な気がしました。そして、そういう方たちに作ってもらった曲が、こんなにすごいインパクトのある曲になるというのも、ここまで続けてこられたおかげなんだなって思うと、すごくいい出会いだし、これからも大事にしていきたいと思いつつ、「こんなの歌えるか、バカ!」って言っちゃいました(笑)。

――歌詞がすごく多いですね

新谷 最初にライブでやるときは絶対に覚えられないと思いました。ちょうどむつきんぐがギターだったので、「ムリ、バカ、ムリ」ってずっと言っていた気がします(笑)。でも、口が流れるようにいかないと歌えない曲なので、逆に、一回覚えてしまうと、わりとスンナリと歌えるんですよ。一回覚えるまでが本当に大変でしたが(笑)。とにかくインパクトの強い曲だったので、この2人が、次にどんな曲をバンビポップとして出してくれるのかがすごく楽しみになりました。実際「HOPPING DICE」も、デモを聴いたときに、歌詞もこのままで歌うと決めたくらい気に入ったので。

11.リンガベル[2015/03/11発売:18thシングル・カップリング]

新谷 これもちょっと変な曲ですよね。最初に聴いたときは「何だこの曲」って笑っちゃって(笑)。カップリングだからできる遊び方というのもあるんだろうなって思いました。「STARting -from rebirth-』がとても重くて、カッコいい曲で、「HOPPING DICE」が新しい風なのであれば、最後はやはりR・O・N君にバンビポップの芯の部分も入れておいてもらいたくて頼んだ曲なのですが、RON君なりの遊び方も入りつつ、すごく落ち着く一曲になっています。特にサビなどには、いわゆる新谷良子のバンビポップみたいなものが、色濃く出ている曲だと思います。

――まだまだ若い奴らには譲れんといったところでしょうか

新谷 たぶん、このシングルには、そういう戦いがきっとありますよね(笑)。この曲はとても歌いやすくて、楽しい曲で、ライブの一曲目に歌ったのですが、エンジンを掛けるのにはとてもいい曲だと思いました。

12.DAFT GEART[2017/06/21発売:3rdミニアルバム『tick-ta cRock』収録]

新谷 『tick-ta cRock』は、スチームパンクをやってみたいというところから始まっていて、いろいろな人に“スチームパンク×バンビポップ”みたいなイメージで曲を作ってもらい、最終的にこの曲でMVを撮ることになりました。どの曲をメインにするか、ギリギリまで悩んだんですよ。どの曲がメインでもおかしくない感じになっていたので。この曲を選ぶのは、私の中でもわりと冒険した感じです。色が強いというか、これを等身大のバンビポップとしてメインに出すのはありなのか、なしなのか、けっこうギリギリのラインだったと思います。結果的にはすごく新しい風をむつきんぐとミズノ君の2人が(笑)。

――先程のカップリングの遊びとはまた違う感じですよね

新谷 だからこそ、アルバムのタイトルを「DAFT GEAR」にするのではなく、『tick-ta cRock』にして、そこに集まってきた楽曲たちの中からMVを作りましたという感じにしたのですが、本当に不思議な曲ですよね。でも、カッコいい。これもライブで歌って、すごく楽しかったです。新谷だけど、新谷じゃない何かに成れている気がする。それがライブではとても気持ちよかったです。