13.Memories[2017/06/21発売:3rdミニアルバム『tick-ta cRock』収録]
新谷 これは「やみ曲」と呼んでいるのですが、どうしても『tick-ta cRock』の中に「やみ曲」を一曲は入れたいという話をしていて……。
――「やみ曲」の“やみ”は、“闇”ですか?それとも“病み”ですか?
新谷 ……ダークな方かな?メンタルな方じゃなくて、ダークな方。うーん、どっちでもいいかな(笑)。『tick-ta cRock』を等身大の新谷として出すとき、どうしても当時の自分の欠片として入れたかった“闇”の部分を凝縮してもらった感じで、その世界観に合うようなダークさを強めに出してもらい、私もよりダークになっていく……そういう曲になっています(笑)。あらためて歌詞を見るとすごい“闇”ですね。でも、入れておきたいエッセンスだったんです、当時の私にとっては。
14.Best Wishies![新曲]
新谷 私の15年のバンビポップを担ってきてくれた、R・O・N君とまこっちゃんの2人に作ってもらった曲なのですが、このベストアルバムを作る際に、新曲は一曲ですと言われたとき、誰に頼めばいいの?どっちにすればいいの?みたいな悩みがあり、決められないから、じゃあ2人に!みたいな感じでお願いしたのですが、とても面白い作り方、イントロを作って渡し、Aメロ作って渡し、みたいに、2人でキャッチボールをしながら作ってくれたんですよ。皆さんは聴けないのですが、仮歌は作ってくれた人が作ってくれたところを歌っていて、それを聴いた私が大爆笑するという(笑)。つぎはぎなんですけど、全然そんな感じがしない。たぶん、2人の考えるバンビポップがすごく滑らかに繋がっているんだと思います。私の中で、2人が作る曲の位置はまったく違うのですが、合わせてみたら同じ方向性だった。それがすごく面白かったです。
――歌詞の中に、過去の曲のタイトルが散りばめられているのも面白いですよね
新谷 そんなこと一言も言ってなかったのに、気づいたら入っていました。それもめちゃくちゃ細かく入っているんですよ。さらに気がつけばどこかで聴いたフレーズが入っていたり。さすがだなって思いました。バンビポップの老舗感みたいな感じ(笑)。面白い話があって、「オレンジに染める」という言葉を、まこっちゃんはどうしても自分のパートで使いたかったらしいんですよ。なので、2人で交換日記をしている間、「使うなよ、使うなよ」ってずっと思っていて、最後までR・O・N君が使わなかったので、「今だ!」という感じで使ったらしいのですが、そういう駆け引きも楽しそうですよね(笑)。
――ちなみに、最初はどのような感じでオファーしたのですか?
新谷 カッコよさではなく、バンビポップのいわゆる王道、“楽しい”、“笑顔”、みたいなものを前面に出しつつ、15周年というアニバーサリー感も出しつつ、今後も楽しみになるような期待感も入れたい、ということだけを伝えました。
――かなり欲張りな感じですが、タイトルはどなたがつけたのですか?
新谷 15周年ライブのタイトルが「BEST Wishes」なのですが、それを私が決めたときに、それじゃあ歌詞にも入れてみようということになり、結果的にめちゃくちゃいいところに使ってくれたので、曲のタイトルも「Best Wishes」にしようということになり、最後に私が勝手に「!」を付け加えて決定になりました(笑)。
――レコーディングはいかがでしたか?
新谷 本当にあっという間で、気がついたら本編が終わっていて、もういいんですか?もういらないですか?みたいな(笑)。掛け声なども少しあったので、それも楽しくやらせてもらい、ちょっとウィスパーなところは笑っちゃうなと思いながら歌いました。
――あのウィスパーは絶対に殺しに来ていますよね?
新谷 ヘッドホンなどで聴いてほしいところですね。ちょっとドキッとしてもらえるのではないかと思います。ちなみに、あそこの仮歌はR・O・N君だったんですけど、私は大爆笑してしまいました(笑)。ライブではどうしましょう。みっちゃんもすごく気に入っているらしいので、どうせならみっちゃんにやってもらおうかな(笑)。ツアーだったらどこかの会場で絶対にやってもらったのに!お客さんに言ってもらうのも面白いかもしれません。
――そこはやはり新谷さんにやってもらいたいんじゃないですか?
新谷 それはCDで聴けるので、ライブではちょっと遊びたいかな(笑)。