夏休みの人気イベント『ウルトラマンフェスティバル2018』が2018年7月20日より開幕し、これに先がけて19日にマスコミ、関係者による内覧会が行われた。

  • 「ウルフェス2018」ついに開幕

    巨大バトルジオラマの前でポーズを取るウルフェス公式サポーターの爆笑問題(左:田中裕二、右:太田光)

子どもたちとの記念撮影およびハイタッチ入場を行ったのはウルトラマンブル、ウルトラマン、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンロッソの4人。今年の「ウルフェス」のテーマは「ウルトラ兄弟の絆!」ということで、1973年に放送されて以来、長年にわたって高い人気を誇る『ウルトラマンタロウ』を大フィーチャー。イベントスタッフのユニフォームも従来の科学特捜隊(ウルトラマン)でなく、『タロウ』で活躍した防衛チーム「ZAT」を思わせるものになっていた。

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現在放送中の最新作ウルトラマンシリーズ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』では、ウルトラマンロッソ(兄)とウルトラマンブル(弟)の兄弟ウルトラマンが登場することで話題を呼んでいるが、最初に「ウルトラ兄弟」という設定が生まれたのは、1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』だった。

続く『ウルトラマンA(エース)』(1972年)の第1話「輝け!ウルトラ5兄弟」で兄弟設定は完全に固まり、エースのピンチにウルトラ兄弟が力を貸したり、兄弟の師といえる「ウルトラの父」が現れたりした。そして『ウルトラマンタロウ』では「ウルトラの母」も姿を見せ、タロウを含めたウルトラ6兄弟、そして父と母を加えた「ウルトラファミリー」が子どもたちの人気を集めた。

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ウルフェス恒例のお楽しみといえる展示コーナーでは、襲い来る巨大怪獣を迎え撃つウルトラヒーローたちの戦いの模様をリアル造形にて再現しており、それぞれが絶好の撮影スポットとなっている。今年はウルフェス史上初となる「1587体」もの怪獣・宇宙人が結集し、会場の隅々にまでキャラクターが潜んでいて実にエキサイティングである。

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宇宙怪獣エレキングとベムラーを相手に戦うウルトラマンダイナ。脇には宇宙龍ナースの尻尾が見える。

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ウルトラセブンの手前にいる宇宙龍ナースは、隣のブースをまたいでこちらに頭部を出していた。子どもたちがナースの胴体に座って写真を撮影するスポットにもなっている。

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ウルトラマンマックスが戦っているのは、変身怪獣ザラガスと高原竜ヒドラ。いずれも『ウルトラマン』の人気怪獣である。

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シリーズの原点『ウルトラQ』からは、隕石怪獣ガラモンが「ガラダマ」と呼ばれる巨大隕石の中から姿を現したシーンを再現。手前にはガラダマの破片が置かれており、子どもたちもガラモンと同じく隕石から出てきたような写真が撮影できる。

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『ウルトラマン』の怪獣の中でも屈指の人気を誇る古代怪獣ゴモラ。ここ数年のゴモラは人類に味方するヒーロー性を加味して親しまれているが、ジョンスン島で発見された最初のゴモラは手のつけられない暴れ者として、科学特捜隊やウルトラマンも手を焼いた怪獣だった。ゴモラの側でうごめいているのは、ジョンスン島や多々良島に棲息している吸血植物スフラン。

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エンペラ星人(左)テンペラー星人(右)という実力派が脇を固めるこのコーナーでは、数々の侵略宇宙人と一緒に記念撮影をすることが可能。

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巨大な磁力怪獣アントラーの上半身がお出迎え。ここからは怪獣、宇宙人、超獣、魔王獣など、さまざまな人類の恐怖についていくつかの分類を行い、展示されている。

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こちらは宇宙人エリア。『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』に登場した知的生命体の侵略者(星人)たちのユニークなキャラクターを楽しむことができる。

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異次元人ヤプールが既存の生物と宇宙怪獣を合成して作りだした侵略兵器、それが超獣である。左は一角超獣バキシムで、右はミサイル超獣ベロクロン。いずれもウルトラマンAを手こずらせた実力ある超獣たちだ。

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怪獣をあらゆる角度から研究するコーナーでは、レッドキングの胴体やマシュラの触手など、怪獣のパーツを実際に手で触ることができたり、据付のヘッドホンから怪獣の咆哮が聞こえてきたりと、五感をフルに使って怪獣という生物についての探求心を煽っている。

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奥のコーナーへの入り口となるカーテンには、『ウルトラQ』全28話から選りすぐった名場面が投影されている。ここに映っているのは、南極に棲息していた冷凍怪獣ペギラ。

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いかにも凶悪そうなウルトラマンベリアルの巨大な手に捕まった状態で記念撮影を行うことのできるこのスポットも、家族連れの人気を集めそうである。

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今やウルフェス恒例となった「巨大バトルジオラマ」コーナー。怪獣とウルトラマンの巨大感をかもしだすために、精密に作りこまれたミニチュアセットは間近で見ても惚れ惚れするような出来栄え。これぞ「特撮」作品の醍醐味といえる。爆笑問題の田中裕二も「昔から小さい小さいと言われていたが、ここに来ると自分が大きくなったような気がする」と大喜びだった。

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ウルトラマンジードと戦っているのは『ウルトラマンオーブ』に登場した怪獣デアボリック。巨大ジオラマコーナーでは、ヒーローと怪獣の手前にミニチュアの街を入れ込むことにより、テレビや映画のような臨場感が生み出される。ぜひジオラマを実際にご覧になって、自分だけのベストショットを撮影していただきたい。

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マガジャッパと戦うウルトラマンビクトリー。手前の倒壊した高速道路や、コンクリートの瓦礫が異様なリアリズムを生み出している。

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ウルトラマンギンガと戦うマガパンドン。こちらも手前の民家のミニチュアが精密に作りこまれ、なんともいえない生活感というものも感じさせる。

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ウルトラマンエックスと戦う虚空怪獣グリーザ。『ウルトラマンX』の最終章でその強大な力を見せつけた、エックス最大の敵である。

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ウルフェスといえば、イベント開催中に前半、後半と2種類の公演が行われる「ウルトラライブステージ」を外すことはできない。内覧会イベントではウルトラマン、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブルがさっそうと現れて、爆笑問題や元TBSアナウンサー・安東弘樹(現在はフリーアナとして活躍中)、そして会場に集まった家族連れと一緒に写真に収まっていた。

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ウルトラライブステージは、LEDディスプレイを用いた迫力ある映像表現、ウルトラマンや怪獣たちのダイナミックなアクション、そしてウルトラマンの戦いを通じて子どもたちに愛や友情の大切さを伝えようとする優れたドラマ性などさまざまな魅力で、毎年子どもから大人まで幅広い年齢層に勇気と感動を与えてくれる。今年もまた、昨年と同じく座席に備わっている「ウルトラフラッシュ」を用いて、ウルトラヒーローたちに応援のパワーを与えるという演出も試みられた。

内覧イベントで催された第1部「Brother~勇者たちの絆~」では、青いボディをした光の国の少女ソラや、エンペラ星人に戦いを挑む赤いウルトラの女戦士など、女性キャラクターの活躍が強く印象に残るほか、ウルトラマンとタロウの合体光線技「コスモミラクルスラッシュ」の登場や、最新ヒーロー『ウルトラマンR/B』のロッソとブルの活躍、さらには今年20周年という記念の年を迎えるあのウルトラヒーロー2人も救援にかけつけるという、スペシャルな要素が満載されている。

第1部は7月20日から8月6日までの連日公演で、8月7日から8月27日は第2部「時代を染めろ!伝説のウルトラ兄弟」に切り替わるので、ぜひ第1部、第2部両方のステージを楽しんでもらいたいところだ。

いちばん奥のスペースには、まさに圧巻というべき歴代ウルトラヒーローと怪獣、宇宙人軍団との大決戦がディスプレイされている。いまの子どもたちが大好きな『ジード』や『R/B』には負けないぞとばかり、お父さん、またはおじいちゃんがかつて好きだったウルトラヒーローたちの勇姿も、ここで確認することができるに違いない。こちらもまた、絶好の記念撮影スポットとして注目されるに違いない。

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物販コーナーの「ウルトラマンデパート」では、こちらもウルフェス名物といえる会場限定商品の販売が行なわれている。いつも早々に売り切れてしまうので、購入を考えている方はお早目にご来場していただきたいところだ。

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会場内をねり歩き、子どもたちの頭をなでたり握手したりと大忙しのウルトラマンとウルトラマンタロウ。期間中はウルトラヒーローが日替わりで来場し、有料記念写真「ウルトラショット」を撮る機会に恵まれることもある。

「ウルトラマンフェスティバル2018」では、期間中にいくつかのスペシャルイベントも予定されている。まず7月25日には新作アニメ『SSSS.GRIDMAN』出演者によるトークイベントを開催。7月26日には「みうらじゅん×山田五郎のオトナのウルフェスVol2」(ゲスト:田口清隆監督)。8月1日は「TAMASHII NATIONS presents ニュージェネレーションヒーローズ スペシャルナイト」と銘打ち、『ウルトラマンギンガ』の根岸拓也、『ウルトラマンX』の高橋健介、坂本浩一監督、田口清隆監督ほかによる濃密なトークライブが開催される。

そして8月15日は「ウルトラマン ダークヒーロー スペシャルナイト」として、『ウルトラマンオーブ』のジャグラー役・青柳尊哉と『ウルトラマンジード』の伏井出ケイ役・渡辺邦斗、そして鶴田幸伸プロデューサーが登壇し、マグマ星人たちと共にダークなトークを繰り広げるようだ。8月16日は、『ウルトラマンレオ』のBlu-ray BOX発売を記念しての「スペシャルトークショー」を開催。なんとイベントをBlu-ray BOXの映像特典とするべく、公開収録を行う趣向である。出演は真夏竜、森次晃嗣、冨永みーな、坂本浩一監督。

8月20日は、「『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』スペシャルイベント 光と闇の激突!?」と題し、飯田里穂(アギラ 役)、徳井青空(ピグモン 役)、新田ひより(ブラック指令 役)、八木侑紀(ペガッサ星人 役)、高橋未奈美(シルバーブルーメ 役)、石原夏織(ノーバ 役)が登壇予定で、こちらも注目度の高いイベントとなっている。

最後は8月23日に開催される「『ウルトラマンガイア』放送20年記念・超時空のフェスティバル」。20年ぶりにメインキャスト・スタッフが大集合し、思い出トークはもちろんのこと『ガイア』を愛するファンの方々からの投票によって選ばれたエピソードを生コメンタリー付きで上映するという、当時からのファンにはたまらないイベントになるだろう。出演は吉岡毅志、高野八誠、渡辺裕之、マリア・テレサ・ガウ、平泉成の予定。

「ウルトラマンフェスティバル2018」は、池袋サンシャインシティ文化会館4F展示ホールBにて、7月20日から8月27日までの開催(8月7日は休業)となる。ウルトラライブステージは8月6日までが第1部「Brother~勇者たちの絆~」で、8月7日から最終日までは第2部「時代を染めろ!伝説のウルトラ兄弟」が上演される。詳細はウルフェス公式サイトをご確認していただきたい。

■著者プロフィール
秋田英夫
主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌などで執筆。これまで『宇宙刑事大全』『宇宙刑事年代記』『メタルヒーロー最強戦士列伝』『ウルトラマン画報』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全』『鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー大百科』をはじめとする書籍・ムック・雑誌などに、関係者インタビューおよび作品研究記事を多数掲載。

(C)円谷プロ