JR西日本は19日、おもに近畿エリアの優等車両・通勤近郊車両の検査を担当する吹田総合車両所の設備について、大規模な設備更新を行うとともに、新世代車両の特徴を生かした新たな検修(検査および修繕)ラインにリニューアルすると発表した。

  • 吹田総合車両所イメージ

吹田総合車両所は1921(大正10)年に客車・貨車の検査から始まり、約100年が経過している。今回のリニューアルでは、重要な建物の建替えや耐震補強を実施するとともに、編成一括車体昇降装置・台車等部品の自動搬送装置・自動塗装装置・輪軸検査装置・高所からの墜落防止設備・台車枠反転装置などの設備を新たに導入する。

このリニューアルにより、新たな検修ラインでスムーズに検修を行えるようになり、生産性・車両品質の向上が期待できるほか、リスク低減対策の実施による作業安全性・作業環境の向上、大規模な地震が発生した際でも近畿エリアの安全運行が確保できるといった効果が得られるという。

  • 新たに導入する設備(左から編成一括車体昇降装置、台車等部品の自動搬送装置、自動塗装装置)

工期は2019年春頃から2028年度末までとなる予定。車両の検査を実施しつつ、建替や耐震補強、検修ラインの構築を行うため、長期間の工事となる。