1年分を3カ月のスピードで

具体的には今、JALではどのようなイノベーションが起きているのか。すでに発表されているものでは、ヘッドセット型スマートデバイスト「Xperia Ear Duo」のほか、「JALホノルルマラソン」のJAL便利用者先着プレゼントされたスマートフォン対応のオリジナルバンド「JALアロハバンド」もある。またAI関連では、「Amazon Alexa」のサービス「JAL Skill」にて、予約や空港サービスを展開している。

  • 「Xperia Ear Duo」は4月から実証実験中

    「Xperia Ear Duo」は4月から実証実験中

  • 「JALアロハバンド」等のIoTデバイス開発も、ラボという環境を設けることでよりスピード感のある開発に

    「JALアロハバンド」等のIoTデバイス開発も、ラボという環境を設けることでよりスピード感のある開発に

VR技術に関しては、機内サービスの紹介やプロモーション等でBtoC向けに展開していたVRヘッドマウントディスプレイをよりコンパクトにし、海外でも気軽に使えるBtoB向けのディスプレイにするという開発も行っている。現在も開発中であり、7月から海外支店での営業ツールとして、20台程度の運用開始を予定している。

ラボ内ではさらに、手荷物の運搬や空港内の案内での活用を目指したロボットが搬入されている。インスピレーションをかきたてる空間で実機に触れ、時には思いついたアイデアをクラフトルームで作ったプロトタイプで検証する。今までは外部企業を挟まないと進まなかった開発も、社員自らが気軽に実践できることで、よりスピード感を伴ったイノベーションが生まれる。

  • 手荷物の運搬や空港内の案内でのロボット活用も、クラフトルームを備えた空間で開発を進めることで、様々な検証が可能となる

    手荷物の運搬や空港内の案内でのロボット活用も、クラフトルームを備えた空間で開発を進めることで、様々な検証が可能となる

このラボでの期待に関してJAL執行役員の西畑智博氏は、「JALグループの中でイノベーションを起こしていこうと思っているメンバーはたくさんいると思いますので、『それでいいんだ』『それでやっていこう』ということを全社でやっていきたい。このリアルの場があることで、文化が目覚めてくると思います。

もちろん、スピードということもあります。アジャイルと呼ばれるプロトタイプを作りながら素早くやっていくという流れがありますが、部の中では今まで1年かけてやってきたことを3カ月でやってみようというスピード感で、社内のやる気がある人を巻き込みながら、さらには社外から知見をもらいながらやっていきたい」とコメントしている。

  • ラボは「もっと手前の段階で、自分たちの手で生まれる現場」(JAL執行役員の西畑智博氏)

    ラボは「もっと手前の段階で、自分たちの手で生まれる現場」(JAL執行役員の西畑智博氏)

JALでは、「People(お客さま・社員の気付き)」「Place(JAL Innovation Lab)」「Process(デザイン・シンキング)」「Partnership(オープン・イノベーション)」という4つのPを、イノベーションを起こす要素としている。いろいろな可能性にワクワクさせられるようなラボから今後、どのようなイノベーションが生まれていくのかに注目したい。