明日のことを気にしない人が行く店
そんな「ファットバーガーが大好き」と語るのは、ロサンゼルスでフレンチシェフとして24年間活躍し、帰国後、東京・青山で人気ハンバーガー店「E・A・T」を始めた高橋路和シェフだ。「私の中では元祖アメリカンバーガーの地位はダントツでファットバーガーでした。カロリーとか健康といったことをまるで気にせず、出したいバーガーを何の躊躇もなく出している」――その営業姿勢を羨ましく思いつつ、頻繁に利用した。とにかく量と油が多くて、「明日のことを気にしない人が食べに行く店でした」というその感じは、日本でいうと「ラーメン二郎」のような店だろうか。
バーガーメニューは全5品でシンプル
日本のファットバーガーを運営するGreen Micro Factory取締役の遠藤洋氏は、ロサンゼルスで数あるハンバーガー店を視察した中でファットバーガーとライセンス契約を結んだ理由を、「一番肉を食べている感じがしたから」と説明する。ファットバーガーの特徴をひと言で表わせば、それは「肉」――その「量」、その「枚数」だ。
メニューは至ってシンプル。日本のファットバーガーにはバーガーメニューが5品しかない。基本の「オリジナルバーガー」に「チーズバーガー」、あとは「ダブルバーガー」「トリプルバーガー」、パティを6枚重ねた「USキングバーガー」と、肉の「枚数」で決まる仕組みだ。
何か特別なソースもなければ、日本限定のバーガーもない。5つのバーガーとも内容は同じで、国産のバンズの間にパティとレリッシュ、刻んだオニオン、ピクルス2枚(「トリプル」以上は3枚)、トマト1枚(「キング」は2枚)、細切りのレタス、調味料はマスタードとマヨネーズ。あとは5種類のトッピングを好きに乗せるだけ。斬新でも特別でもない、いわゆる“ふつう”の一般的なバーガーだ。