“ふつう”とお伝えしたファットバーガーだが、ちょっと変わったところもある。例えばマスタードはバンズでなく「パティの上」に塗る。チーズはパティの上に乗せて溶かしながら焼くが、積み上げる際には上下ひっくり返して「パティの下」に来る。その理由は定かでないが、創業者ヤンシー女史のやり方を今も変わらず守り続けている。昔ながらの調理法だ。
ひたすら肉! パティ6枚重ねの「USキングバーガー」
完食すると認定証授与の上、店内に記念写真を掲示するという「USキングバーガー」(2,560円)は、115gパティが6枚重ね、ビーフだけで690gのバーガーだ。
パティはオージービーフの赤身8割に和牛脂2割を合わせた115g。営業中、キッチンの裏でずっと成形している。食べ口はしっとりとやわらかで、肉の脂が少ないので赤身肉の感覚でバクバク行ける。途中で味に変化を付けたければケチャップとマスタードを。ケチャップはポンプ式の大きなディスペンサーがあるので自分で調達、マスタードは店員に頼むと持って来てくれる。
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看板メニュー「USキングバーガー」(2,560円)にチーズトッピング。チーズは1オーダーでパティと同数の6枚入って代金100円。ひたすら「肉」のバーガーは肉の補給に最適
この「キング」を完食すると“顕彰”があるのは上記の通りだが、制限時間がないので達成者が続出している。予想を上回る大好評で、ゴールデンウィークの半ばから1日あたりの販売数に制限が設けられた。ファットバーガーの大食い精神に共鳴・共感する日本人は少なくないようだ。
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私も「USキングバーガー」完食の証を残してきた
ハンバーガーの原風景
そんな昔ながらのオールドスクールなハンバーガーショップ、それが今度新しく来たファットバーガーだ。オシャレでも時代の最先端でもない。そんな尺度や価値観でなく、純粋に大きなバーガーを口いっぱいに頬張ること、それ自体が大きな喜びであり幸せだった時代の、古き良きハンバーガーの「原風景」を見る思いがする。
数々の流行やトレンドを経て、米国本来のハンバーガーがようやく日本へやって来た。