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なんでこんな面白い番組が終わるんだろう?

――『めちゃイケ』がここまで続いた理由は何でしょうか?

西山:面白いことを追求する中で、その中にドラマがあるじゃないですか。加藤(浩次)さんが第1子を出産したときの密着とかやっぱり鮮明に覚えていますし、みんなが成長していく過程でいろんな面を見せていくというのは、ただのお笑いの番組じゃないですからね。もちろん、演者さんたちの面白さもあるんですけど、そこにちょっとしたドキュメンタリーも加わっていたので、みんなが「『めちゃイケ』っていいね」って言ってくれてここまで続いてきたのかなって思いますね。

――西山さんは『笑っていいとも!』のグランドフィナーレや、『SMAP×SMAP』の最終回など、歴史的な番組の最後に立ち会うことが多いですよね。

西山:『スマスマ』が終わった後に、社内で「おくりびと」とか言われて…。でも、すごい番組が終わるのは複雑ですね。「ネタNo.1決定戦」が終わって、メンバーのみんなが仙台の皆さんと握手しているのを遠くで見ていたんですが、「はぁ、この光景をずっと見ていたいなぁ」って思うくらい、あの人たちのパッケージが大好きなんで、すごい寂しかったですね。

佐野:僕も、最後の抜き打ちテストをやったときに、こんなに面白くてみんなが必死に作ってるのに、なんでこの番組終わるんだろう?って思いました。例えば、1個オチがあって、そこに向かってみんなで集中してやり遂げるみたいなところは、本当に真面目です。真面目に面白がったり、ふざけたりしてきたんです。そういうことを何度も何度も繰り返してやってきたことが支持されたんだと思いますね。あと、制作側の手法もそうでしょうし、お笑いに関しても、時代を引っ張って世間がついてきたっていうところがあると思います。

『めちゃイケ』が終わる時は会社を辞める時と…

――では最後に、あらためてご自身にとって『めちゃイケ』とは何ですか?

西山:仕事だったんですけど、楽しくって仕事であることを忘れる場所でしたね。

佐野:僕は正反対で、しんどかったです(笑)。資料を準備するようなことも多かったので。でも、しんどかったけど楽しかった(笑)

西山:『27時間』のとき、岡村さんが起きっぱなしでラストに具志堅(用高)さんとボクシングだったじゃないですか。みんな、岡村さんがもつかって言われてたんですけど、私は佐野の声がもつのかと、すごく心配してたんです。でも、見事にやり切ったので、すごいなと思いました。

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    『FNS27時間テレビ』(2004年)の岡村隆史不眠不休ボクシング (C)フジテレビ

佐野:例えば、「めちゃ日本女子プロレス」も、リハーサルから取材してメモを書き込んだりしてて、だから作業が多いのかな…。でも一番大変だったのは「矢部浩之の持ってけ100万円」でバボちゃんの中に入ったときですね。フジテレビの前で、バスから降りてきた人が出てきたタイミングで100万円を落とすという役割だったんですけど、戸渡さんが「あー人数少ないから次のバスね」って、それを4回くらいやったんですよ。もう中は暑いし、ちゃんとやらなきゃ怒られるし、地味にしんどかった…。あれ、アナウンサーとして、このエピソードでいいのかな?

――大丈夫です! 番組が終了すると、そのプレッシャーから解放されるという気持ちも、本音ではあるんですか?

佐野:ありますね(笑)。でも、それだけの番組だったということです。

――『めちゃイケ』が終わってしまったら、今後の生活が想像できないんじゃないですか?

佐野:だから、もうアナウンサー引退でもいいんじゃないかと思ったんです。

西山:私も正直、そう思ったんです。仙台の仕事が終わって、「あぁ私、なんかやることなくなっちゃったなぁ」っていう喪失感があったんです。自分の役目を1つ終えたくらいの感じになりましたね。

佐野:前から『めちゃイケ』が終わるときって、会社を辞めるときかなと漠然と思っていて、いよいよその時が来たかっていう感じがありますよね。自分の存在意義を考えるというか…。

――えー!!!!

佐野:というわけで、この2人は4月からフリーになります。

西山:ちょっとちょっと!(笑)