クランベリーズのリードボーカル、ドロレス・オリオーダンが亡くなった。46歳だった。ロンドンにて短期のレコーディングをしていたドロレスだが、15日(月)に帰らぬ人となったこと以外、詳細については現在のところ明らかにはなっていない。

  • ドロレス・オリオーダン

    とても個性的で魅力的なヴォーカリストだった。初めて聞いたときは、あまりの不思議な歌声に驚かされたものだった。1971年9月6日生まれ
    (C)BANG Media International

ドロレスの広報は声明を通して「アイルランド、そして世界のシンガー、ドロレス・オリオーダンが今日突然の死を迎えました。46歳でした。ロンドンで短期のレコーディング中でした。現時点でこれ以上の詳細は控えさせていただきます」と発表している。

また、家族ぐるみの友人で1994年、ティペラリー州でのドロレスの結婚式で神父を務めたキャノン・リアム・マクナマラ氏は、彼女の出身地でもあるアイルランド、リムリックの地元紙に「家族にお悔やみ申し上げます。ドロレスは彼らの誇り、そして喜びでありました。私たちは彼女を心底愛していたのです。ドロレスは順調に人生を送っていました。なのに今日あまりに早く旅立ってしまったことが残念でなりません。家族のみなさんはドロレスのために献身し、あらゆるサポートをしていました」と話している。

同バンドは、1994年のセカンドアルバム『ノー・ニード・トゥ・アーギュ』が世界規模でヒット、収録の自国への反戦歌『ゾンビ』も話題となった。

その後5枚のアルバムを発表、昨年に7作目となる『サムシング・エルス』をリリースしたものの、ドロレスの健康上の理由でツアーをキャンセルしていた。

同バンドの他にD.A.R.K.でもフロントを務めていたドロシーだが、2014年には20年付き添ったデュラン・デュランの元ツアーマネージャーで夫のドン・バートンと別れていた。ドンとの間には3人の子供もいる。

また、ドロレスは生前ヨハネ・パウロ2世や現ローマ教皇に謁見、ヴァチカンでパフォーマンスを行うなど、カトリック教徒として育ち、その信仰を生涯持ち続けていたことでも知られていた。

僕がクランベリーズを初めて聞いたのは、「ノー・ニード・トゥ・アーギュ」だった。アコースティックなサウンドや曲調は少し前のドリーム・アカデミーを彷彿とさせたが、ドロレスのヴォーカルの個性が際立っていた。形容しがたい居心地の良さがスピーカーの前に現れた。

  • クランベリーズ

    『ノー・ニード・トゥ・アーギュ』クランベリーズ 1994年10月1日発売
    ユニバーサル ミュージック ジャパン

また、カーペンターズの(They Long To Be) Close To Youをカバーしたトリビュートに参加して、その世界観を聞かせてくれた。

アイルランド、最高のヴォーカリストのご冥福をお祈りします。