有名人の同級生は、今何をしているのか…スタッフが徹底取材して、これまで歩んできた人生とともにドキュメンタリータッチで紹介していくテレビ朝日系バラエティ番組『あいつ今何してる?』(毎週水曜19:00~)のスペシャルが、あす3日(18:00~21:00)に放送される。

同級生の今を知ったゲストたちが、他の番組では見せない表情を披露する同番組。その取材の裏側から今回のスペシャルの見どころまで、演出・プロデューサーの芦田太郎氏に話を聞いた――。

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    『あいつ今何してる?』MCのネプチューン(左から)堀内健、原田泰造、名倉潤

1つのVTRが「めちゃくちゃ長尺化」

――2015年にスタートして、翌年には早くもゴールデンに進出。人気番組として定着しましたが、これまでを振り返ってみて、いかがですか?

レギュラー化にあたって、打ち合わせからロケ、スタジオ収録まで時間を要するこの番組を毎週運用してということに正直不安はありました。また、学生時代に良い思い出がない方も少なからずいらっしゃるので、番組開始当初はまず企画説明、企画の理解というところにかなり時間を要しました。しかし、番組が浸透していくにつれて、人を傷つけたり、出演して嫌な気持ちになる番組では決してないということが世間的にも業界的にも広がってきて、少しずつブッキングのハードルが下がって来たように感じています。

――1人あたりどれくらいの取材期間を設けているのですか?

めどとしていつも考えているのは最初の打ち合わせから同級生を見つけて取材をして、その取材VTRをスタジオで見てもらうまで、最低1カ月ほど。毎回の打ち合わせで気になる方を最低でも10人ほどは名前を挙げてもらっています。

―― 一般の人でも、波乱万丈の人生を歩んでいる人がこんなにいるんだと、いつも感心します。

もともとのコンセプトは、芸能人の方と同級生との当時のエピソードをシンプルに回収するという番組だったんです。例えば「○○ごっこをしていたA君に、40歳を迎えた今、その○○ごっこを再現してもらう」というようなシンプルな答え合わせと、タイトルの通り「"あいつ"が今何をしてるのか」っていう2つの"回収"をVTRの柱にしていました。でも、番組をやっていくうちに、「同級生が芸能人と離ればなれになってから、どんな人生を歩んできたのか」という3つ目の視点が浮かび上がってきたんです。芸能人が歩んできた人生と照らし合わせながら人生をプレイバックしていくドキュメンタリー番組としても面白くなるんじゃないかって。

――どんな人にもそれぞれのドラマがあるんですね。

たまに取材先で「私の人生は普通ですよ」と言われることがあるんですが、絶対にその人と同じ人生を歩んでる人っていないんです。その時点で"普通"じゃないと思っていて、1人1人が持っているオリジナルの人生、それを徹底的に丁寧に描いてみようと思ってやってみたら、結果にもつながったので、これはやれる範囲で徹底的に掘り下げていこうと決めました。だから、番組開始当初より1つのVTRがめちゃくちゃ長尺化してます(笑)。最初は同級生1人について10分程のVTRで、2016年4月のゴールデン初回2時間スペシャルはゲストが4人でVTR8本だったんですが、昨年8月の放送では坂上忍さんと森昌子さんの2人、VTR4本で2時間構成しました。無理矢理VTRを引き延ばすのではなく、その人は「人生においてなぜその選択をしたのか」「その時どんな心境だったのか」というのをしっかり丁寧に、分厚く描く作業をしていくという共通意識を番組内に浸透させて、自然とVTRが長尺していったという感覚です。

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番組をきっかけに同窓会も

――これまでで、印象に残ってる人やロケのエピソードはありますか?

どれも選びがたいですが…自分でロケを担当したので特によく覚えてるんですが、南野陽子さんが、「小学校時代に"好きな人ランキング1位"にした○○くん、実は今だから言えるけど2番目に好きな人だった」というエピソードを話してくれたんです。この衝撃的な事実を50歳になった今、あらためて言われるっていうドキュメントは面白くなるなと確信しました。

ただ、その衝撃の事実を初めて聞く、ファーストリアクションをカメラで絶対に押さえるべきだと思ったので、その同級生に取材交渉をする時に、「南野陽子さんが気になってる同級生としてあなたの名前が挙がったのでぜひ出演をお願いします」ということしか伝えなかったんです。で、ロケに行ったら、当時学校でもすでにアイドル的存在だった南野陽子のことを、もちろんその人も好きで、40年近く経った今、まさか自分のことを覚えていてくれてるとは!と、すごくドキドキしてるわけですよ。しかし、何十年越しに、「実は2番目だった」という事実を知らされる。しかも画面越しのVTRで本人から(笑)

――本人が会いに行かないっていうのが、この番組の特徴ですよね。

そうですね。画面越しだからこそ芸能人側にそこまで気をつかわずに話せるし、芸能人側も当時の気持ちになってリアクションができたり、本音が出たり、その彼の本当にがっかりした表情も出るんです。ただ、1人でこの衝撃の事実を受け止めきれないかなと思い、他の同級生も呼んで一緒にVTRを観てもらって、リアクションやイジりでだいぶ助けてもらいました(笑)。そういう青春時代の大人になってしまえば「くだらない」ことを、50歳手前になった大人が40年越しに答え合わせをするって、たぶんこの番組がなかったら絶対やらないことだと思うんですよね。あらためて「ごめん」と画面越しに謝る南野さんや、事実を知らされて何十年越しにフラれた気持ちになる同級生、そして、それを見て爆笑する同級生たちを見て、この番組の良さが凝縮された瞬間だなと思いましたね。ちなみに後日、南野さんも交えて飲みに行ったみたいなので、遺恨はなさそうで安心しました(笑)

――ご対面シーンがないので、番組収録後に芸能人の方が実際に会いに行くということもあるんですか?

それはすごくあるみたいです。これをきっかけに同窓会をやったとか、連絡するようになったとか、すごく感謝していただくことがあって、そういった放送以外の部分で何かのきっかけになれているのは番組としても光栄です。