――劇中で「似ている」と言われているバンと撃ですが、あえて違いを挙げるとすればどういうところでしょうか。

さいねい:現在のバンは刑事としてのプロ意識が強いですが、撃はバンよりも"愛"や"怒り"といった私的な感情を優先させるんです。プロフェッショナルという立場で見るとそれは間違いなのかもしれませんが、今の段階では撃のそんな強い思いがあるからこそ、強力な敵を倒せるんだと思います。

――監督を務められた坂本浩一さんの印象はいかがでしたか。

さいねい:『ゴーカイジャー』のとき、初めて坂本監督と出会いました。まだ初期のエピソードだったためか、若いキャストさんたちにていねいな演技指導をされているのが印象的で、僕らにもそういう指導が入るのかと思ったらそんなことなくて、とても自由度の高い現場だったんです。

石垣:ハリウッドスタイルというのでしょうか、ひとつのシークエンスを頭から終わりまで一気に撮って、それから照明やカメラの位置を変えて同じ芝居をもう一度撮る、という手法が強く印象に残っています。セッティングをやり直さないといけないので、時間がかかりますけれど、その分しっかりと芝居ができてやりがいがありました。

さいねい:坂本監督といえば、やっぱりアクションもすごかったね。ちゃんとボディに当てる"痛いアクション"を演出されるんです。

石垣:坂本監督ご本人が武道をされていますしね、本格的なワイヤーワークなども迫力がありました。

さいねい:佑磨のアクションが凄いんです。テストを重ねても、毎回毎回よくなっていくし、出来上がりもすばらしい。今、これだけ動ける俳優もそうそういないですよ。

石垣:実戦アクションを目指しているからね。海外の映画を観て、こういうアクションをやりたいって監督に提案したり。アクションの中に、ドラマを組み立てていって劇中のような立ち回りにしているんです。監督もアクション映画が大好きですから、俺が「この映画のあんな動き」って言うと、すぐわかってくれる(笑)。