――今回のVシネマは、ギャバンG=十文字撃がデカレンジャーの協力を得て、銀河をゆるがす巨大な事件を探る……という筋書きですね。

石垣:初めに東映ビデオの中野(剛)プロデューサーと話したとき、「ものすごく強い敵が出てくる」ことと「初代ギャバン=烈が登場する」ことを絶対条件としました。そして、研究のために『デカレンジャー』のBlu-rayを全話観たんですが、これが面白くて、すぐハマってしまいました(笑)。勢いづいて、『VSシリーズ』とか『海賊戦隊ゴーカイジャー』のデカレンジャー登場回とかも全部観たんです。

さいねい:佑磨がすっかりデカレンジャーに詳しくなっていて、驚いた(笑)。

石垣:さいねいに関しては、第1話のとき犯人を追いかけるシーンで、すでにバンのキャラを掴んでいると思ったんです。その上で『10YEARS~』を観ると、なんでバンがファイヤースクワッドの隊長に引き抜かれたのか、その理由に納得がいきます。10年の歳月を経て、バンがどんな風に成長しているか、そういう役作りをしてきているのがオーラでわかりました。

さいねい:そういうところ、しっかり感じ取ってもらえたのはうれしいですね。昔のバンは新人刑事でしたけれど、『10YEARS~』ではさまざまな経験を積んで成長した部分を見せたいと意識して撮影に取り組んだんです。それを受けての『スペース・スクワッド』ですからね。

石垣:ヒーロー同士のコラボという、観ている方が一番期待されるシチューエションを実現するにあたって、以前の(ヒーロー共演映画)『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』(2013年)とは違ったテイストにしたかったんです。

坂本(浩一)監督と話し合って、荒川(稔久)さんの書かれた台本にも僕達のアイデアをどんどん盛り込んで。時には現場でもちょっと芝居やセリフを変えたりしてね。みんなと強烈な"セッション"ができた作品になりました。さいねいをはじめとする共演のみんなに、それぞれ芝居心、演技力などの技術がありますから、どんな場面においても、思いっきりアドリブが利かせられる。そんな楽しい現場でしたね。