日産が想定する自動運転の利用シーン

日産で日本事業を担当する専務執行役員の星野朝子氏は、新型エクストレイルの発表会に登壇し、クルマでレジャーに出掛ける若者を例に引きつつプロパイロットの利用シーンを説明した。要約すると、目的地では思い切り遊んで、疲れた帰り道はプロパイロットを使って安全かつストレスなく帰宅しましょう、という感じだ。

発表会会場で話を聞いた説明員によれば、家族向けが中心のセレナに対し、エクストレイルは30代男性が主なターゲットで、女性ユーザーが乗っているケースも意外に多いとのこと。この説明員は、「目的地に到着するまでに疲れてしまってはもったいないので、出掛ける際には往路でもプロパイロットを使って頂ければ」と補足していた。

スノーボードも縦に積める車内。荷室にはウォッシャブルラゲッジボードを採用

レジャーでの長距離移動も多そうなエクストレイルに、プロパイロットが付いた。これは販売面でも新たな訴求ポイントになりそうな要素だ。このクルマは年間4~6万台程度の販売台数がある人気車種だが、今回のマイナーチェンジで勢いは加速するだろうか。

販売への影響、セレナではどうだったか

プロパイロットが販売面にもたらす影響を考える場合は、セレナの例が参考になる。昨年8月に発売となった現行セレナは、現在も好調な販売をキープしているそう。気になるプロパイロットの装着率は、発売当時で約7割、現状でも5割程度の水準を維持しているという。2017年3月に日産が発表した情報によれば、新型セレナ(昨年8月発売)の累計販売台数は発表当時で約6万5000台。そのうちプロパイロット搭載車は約3万6000台とのことだった。

プロパイロットはステアリングに付いているスイッチで起動させる(画像はエクストレイル)

もちろん、プロパイロットがなくてもセレナは売れていたかもしれないので、この技術が直接的に販売台数の増加に寄与したかどうかは判断できない。しかし、現行セレナを買ったユーザーの半数以上がプロパイロット搭載車を選んでいるという事実は、この技術がユーザーの関心を引くものであったと考える1つの理由にはなるだろう。

では、エクストレイルの販売にプロパイロット搭載効果は現れるだろうか。