日産自動車がSUV「エクストレイル」をマイナーチェンジして発売した。変更点はいくつかあるが、最大の目玉は“自動運転技術”の「プロパイロット」を採用したことだ。現行モデルは登場から3年半が経過しているが、新技術の追加は販売の活性化につながるのだろうか。

日産「エクストレイル」がマイナーチェンジ

「プロパイロット」とは何か

エクストレイルは2000年に登場した日産のSUV。これまでに2度のフルモデルチェンジがあり、現行モデルは2013年12月に発売となった3代目だ。今回のマイナーチェンジによりエクストレイルでは、日産が“高速道路同一車線自動運転技術”と表現する「プロパイロット」の搭載をオプションで選べるようになった。

プロパイロットとは、フロントガラスの中央上部に取り付ける単眼カメラで前方車両や車線を3次元的に捕捉し、その情報を元にクルマのステアリング、アクセル、ブレーキを自動制御するシステムのこと。この機能を使うと、ドライバーが設定した車速(時速30~100キロ)を上限にクルマが自動で走行する。高速道路でしか使えない機能だが、前にクルマがいなければスピードを維持し、クルマがいれば追従・停止・停止保持を自動で行ってくれるので、長距離の巡航走行や渋滞時の運転でドライバーの負担軽減につながるというのが日産の売り文句だ。

中央に見えるのが単眼カメラだ

エクストレイルに新機能を入れた意図

日産車でプロパイロットを搭載するのは、2016年8月に発売となったミニバン「セレナ」に続く2車種目。セレナで20万円以上だったプロパイロットのオプション価格は、今回のエクストレイルでは14万400円(税込み)に抑えた。価格が安くなったのは、オプションパッケージの内容がセレナとエクストレイルで異なるため。具体的に言うと、プロパイロットは他の機能を含めたパッケージでのオプション販売なのだが、そのパッケージに入っている機能の内容が、エクストレイルはセレナに比べて少ないということだ。

エクストレイルには「20X」と「20S」というグレードがあり、それぞれでガソリンエンジンとハイブリッドが選べる。価格は219万7800円~309万8520円(税込み)。プロパイロットを搭載できるのは「20X」で、付けた場合の価格は268万9200円からとなる。

左がセレナ。プロパイロット搭載車はエクストレイルが2車種目となる

ミニバンのセレナでは、大勢の乗員を乗せたドライバー(例えば家族づれの父親)が、行楽や帰省などの際にプロパイロット機能を使い、長時間にわたる高速道路の運転で負担の軽減を図る様子が想像できた。エクストレイルに同技術を展開した日産は、どのような利用シーンを想定しているのだろうか。