日産自動車が昨年11月に投入した新型「ノート」の売れ行きが好調だ。乗り味と同様、販売面での加速も良好で、同車は日産を久々の月販台数トップの座に押し上げた。このクルマ、どのあたりが購入者に受けたのだろうか。

売れ行きが好調な日産の新型ノート

サニー以来、30年ぶりの月間販売トップに立った日産

2016年11月、軽自動車を含む車名別の月間販売ランキングで、1万5784台を販売したノートがトップに立った。ご参考までにお伝えすると、2位は本田技研工業「N-BOX」(1万4813台)、3位はトヨタ自動車「プリウス」(1万3333台)、4位はダイハツ工業「ムーヴ」(1万3201台)、トヨタ「アクア」が5位(1万2409台)だった。日産車が月販台数で首位になったのは、“トラッドサニー”と呼ばれた6代目「サニー」の1986年9月以来、実に30年ぶりだ。

6代目サニー(通称:トラッドサニー)

そして翌12月。首位はダントツでN-BOXの1万4967台だったが、乗用車で2カ月連覇となるかが注目されたノートは1万2403台で、1万2776台を販売したプリウスにわずか373台差で敗れた。なお、4位のムーヴが1万1702台、5位のアクアが1万1449台とこちらも僅差だ。

ちなみに、もしもノートが2カ月連続で乗用車の月販首位を達成していたとしたら、日産車としては45年ぶりであった。ご参考までに、前に2カ月連覇を達成した車種は2代目の「B110型サニー」で、初のSOHC(Single OverHead Camshaft)エンジン搭載モデルが人気を博し、カローラに競り勝ってのことだったという。

2016年1月~12月の乗用車と軽自動車を合わせた累計販売台数の上位10台は以下の通り。

6位以下は僅差だ(表は日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表している統計データをもとに編集部で作成)

マイナーチェンジで飛躍した販売台数

2016年を通して、たしかにノートは日産の乗用車の中ではもっとも売れていたが、こうして見ると、ラスト2カ月の出来事が、いかに快挙であったかがご理解いただけよう。そのうち、新たに追加された電動パワートレーン「e-POWER」を搭載したモデルは初期受注の8割近くにも及んでおり、ノートの月販首位はe-POWERなくしてありえなかったことになる。

それにしても、日産ほどのメーカーが、30年間も月販首位から遠ざかっていたという事実にも驚いたのだが、その突破口となったのが、いくらマイナーチェンジを実施し、e-POWERを追加するなどしたとはいえ、ニューモデルではない、登場から5年も経ったノートだったというのも興味深い。

では、そのe-POWERとは、一体どういうものなのだろうか。