公開記念舞台あいさつに登壇した吉本進役の宮野真守

現在公開中の劇場アニメ『劇場版 弱虫ペダル』公開記念舞台あいさつが6日、東京・お台場シネマメディアージュにて行われた。

『劇場版 弱虫ペダル』は、原作者・渡辺航氏書き下ろしの『弱虫ペダル』初となるオリジナル長編ストーリー。"火の国"熊本・阿蘇の山を舞台に、インターハイの成績優秀チームが集結して新たな熱き闘いが繰り広げられる。この日の舞台あいさつには、「箱根学園」のキャラクターを演じる代永翼(真波山岳役)、前野智昭(福富寿一役)、吉野裕行(荒北靖友役)、柿原徹也(東堂尽八役)、日野聡(新開隼人役)、阿部敦(泉田塔一郎役)、「熊本台一」のキャラクターを演じる宮野真守(吉本進役)、田尻浩章(田浦良昭役)が登壇した。

本作を小野田坂道役の山下大輝と一緒に観賞したという代永は「感動しましたね。総北や箱学、熊本台一など劇場でみんなが登場するのは迫力がありました」と大満足の様子。また、前野や吉野は見どころとして「選手ごとのモノローグや台詞」や「スクリーンで観るレースの迫力」などを挙げていた。

レースの舞台となる熊本の地元校・熊本台一のメンバーを演じるのは宮野と田尻。特に宮野は劇場版で初登場のキャラクターを演じており「アフレコ現場では皆さんの絆を感じられたのがうれしくて。(これまでも)すごくいい雰囲気で収録をやっていたんだなと感じました」と感慨深げ。その一方で、やはりエンターテイナーとしての血が騒ぐのか、あいさつやトークの端々で「もっこす! もっこす!」と熊本の特徴的な方言を入れて笑いを誘う場面も。ちなみに、「もっこす(肥後もっこす)」とは頑固で男性的な性質のことを指しており、熊本の県民性を表現している言葉。熊本弁については、熊本出身の田尻が現場で「本来はこうやって言います」など、修正を加えていたという。裏話として、宮野の台詞から「もっこす」が削除された際に、宮野が「僕『もっこす』が言いたいです!」と田尻に直談判し、復活したエピソードも明かされた。

そんな田尻は、実はTVアニメ第1話から柔道部員やヒロくんなどさまざまな兼役で出演していただけに、今回の劇場版は感慨のひとしお。柿原は、田尻をはじめとしたさまざまな演者の支えで作品は成り立っており、「そのおかげで熱い芝居が出来る」と感謝を伝えていた。

印象的なシーンの話題では、柿原から「巻ちゃんと……巻ちゃんが……巻ちゃんで……巻ちゃんに……もっこすもっこす」と気になる発言も。東堂と巻島の関係もそうだが、各キャタクターの関係性は『弱虫ペダル』の見どころのひとつで、阿部と日野は互いのキャラクターのやりとりが特に印象に残っている模様。また日野は、新開の決め台詞に自分が入れたかった言葉をアドリブで入れたという。

舞台あいさつの後半では、Webラジオの名物コーナーの番外編「チャリネットハコガク」が実施され、今回のターゲットは宮野。ステージには劇中で宮野が演じる吉本が乗っているモデルとなった「CERVERO(サーベロ)」の自転車が登場して、その性能や魅力などが紹介された。「うわっ! すごい」「軽っ! 自転車って片手で持てるの?」などと驚きつつ、実際に自転車にまたがって感触を確かめた宮野は、ゴールの瞬間などさまざまなポーズをとって喝采を浴びる。そして、「20~30万なら買っちゃおうかな」と言っていた宮野に明かされた値段は、40万というなんとも微妙なライン。リアルな値段に戸惑う宮野は「このロード、買う?」と詰め寄られ……「このロード、買いますん!」と曖昧な言い方で濁していた。

トークもコーナーも和気あいあいとした雰囲気で行われた今回の舞台あいさつ。作品や各キャラクターへの思いは強く、最後のあいさつでは劇場版の魅力をアピールするのと同時に「またこの箱学のメンバーで走りたい」と語っていた。