――撮影開始から現在までで、上遠野さんご自身で何か変化したことってありますか。

「役」の成長というのは大事だなって改めて思いました。一年を通してチェイスが何も変わっておらず、ずっと淡々と喋り続ける「機械人形」のようなキャラだったら、きっと観る方たちも興味を持たなかったかもしれません。今後、例え短いスパンの仕事であっても、与えられたストーリーの中で「役」を大なり小なり成長させていく。それをやることで、よりリアルな演技になるんじゃないか、観てる人に納得してもらえるんじゃないかと思うようになりました。

――上遠野さんとチェイスで、似ているのはどんなところでしょう。

頑固なところかな。なかなか自分の意見が曲げられないところが共通しているかもしれません。我が強いってよく言われますけれど、いいときと悪いときがあるんで、そこが悩みどころです(笑)。

――7月26日放送の第39話では、チェイスが運転免許を取るために教習所で真面目に教習を受けるシーンがあり、ファンの間で話題になりました。

車に乗ってロイミュードを誘い出すために、四輪の免許が必要だって流れでしたね。チェイスも、特状課のみんなと一緒に何かをしたかったんじゃないかと思うんです。「免許がないと車には乗れない、それが人間のルールか!」って、きっと思ったんですよ(笑)。それでストレートに、免許を取りに行ったわけです。

チェイスは人間ではないって言う思いが自分自身にあったけれど、「免許」というのは人間から認められるというか、人間として何かをした証だと思っているんでしょう。人間と同じことをしているというのが、チェイスにとっては、うれしくてしょうがないんです。劇中でのベルトさんの台詞にもありましたが、僕もそういうつもりで演技をしています。

――免許証の写真が、満面の笑顔なのも衝撃的でしたね。

あれは、そういう風に笑えって言われたから、笑ったまで(笑)。おそらく「写真を撮るときは笑うのがルールだ」と言われたか、チェイス自身もそう思ったからですね。

――最後に、上遠野さんが思う「理想のヒーロー像」を教えてください。

僕にとって「ヒーロー」になる人がいるとしたら、これから先「何があっても最後まで自分を信じてくれる人」でしょうね。それはもしかしたら、子供のころからの親友や、家族なのかもしれません。あいつだけは俺のことを信じてくれるんだ、という人の存在は、自分への活力になります。常に自分を勇気づけてくれる存在、それがヒーローだと思います。

『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』は、8月8日より全国公開。同時上映は『手裏剣戦隊ニンニンジャーTHE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖!』。

■プロフィール
上遠野太洸
1992年10月27日生まれ 宮城県出身。2010年ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのグランプリを受賞し、デビューその後は、映画、テレビドラマ、舞台など多方面で活躍中。2014年10月から『仮面ライダードライブ』にチェイス役でレギュラー出演し、子供から主婦層まで幅広い年齢層からの人気を集めている。

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