バイエル薬品はこのほど、全国の20代~60代の男女1,000人を対象に実施した「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH/シーテフ)と、難病に対する生活者の意識と身近な症状に対する調査」の結果を明らかにした。調査期間は3月16日~18日。

難病に対するイメージ

CTEPH は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension)の略称。CTEPH では、肺の血管の内側に血のかたまり(血栓)が詰まり、血液が流れにくくなって、肺動脈へかかる圧が上昇する「肺高血圧症」と呼ばれる状態が続く。肺と心臓の血液の流れが悪くなるため、息苦しさや身体のだるさ、胸の痛みなどさまざまな症状が現れるのが特徴だ。

調査で日頃感じる症状を聞いたところ、「疲れやすさ」や「だるさ」があると回答した人は70%以上と多数にのぼることが明らかになった。ただ、「疲れやすさ」や「だるさ」を感じていても、半数近くの人が「特に何もしない」と回答しており、一般病院や診療所などの医療機関を訪問する割合は5%以下になっている。

難病に対するイメージを尋ねたところ、「社会生活が困難」「明確な治療法がない」「かかったら治らない」について「そう思う」と回答した人がそれぞれ85.2%、84.3%、78.4%と約8割を占めた。

調査対象となった難病についてその認知度を尋ねたところ、「パーキンソン病関連疾患」「クローン病」「潰瘍性大腸炎」はいずれも半数を超えた。

しかし、その他の疾患の認知率は半数以下で、特に「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH/シーテフ)」は12.6%と約1割強にとどまっている。この数値は、CTEPH(シーテフ)と同数レベルの患者数を持つ「肺動脈性高血圧症」や「アミロイドーシス」などの難病と比較しても低い結果だった。

難病の認知

CTEPHに関する情報を提示した後、あらためて「だるさ」や「疲れやすさ」などの症状に対する対処法を聞いたところ、「特に何もしない」が減少。一方で、病院に行くと回答した割合が共に3割以上まで増えている。