バイエル薬品はこのほど、「過多月経の意識・実態調査」の結果を発表した。同調査は、一次調査(2014年11月10日~11日)と二次調査(2014年11月11日~12日)に分けてインターネットで実施。一次調査は18~45歳の月経のある女性4,413名を対象とし、二次調査は過多月経症状が見られる515名に対象を絞っている。

「過多月経(月経過多)という言葉を知っていますか?」

「婦人科疾患が貧血の原因となって、貧血になることがあるということを知っていますか?」

過多月経(月経過多)とは、月経の出血量が異常に多く、総月経血量が140ml以上のものをいう。子宮筋腫や子宮腺筋症など何らかの器質的疾患を伴うもの(器質性過多月経)と器質的疾患を伴わないものに分けられる。月経がある女性では、過多月経や子宮筋腫が鉄欠乏性貧血の原因になっていることも多いという。

それらを踏まえて一次調査では、「過多月経(月経過多)」という言葉や「婦人科疾患が貧血の原因になることがある」ことの認知度について調べた。「知っている」と回答した人は、それぞれ31.3%、33.9%と3割程度にとどまり、いずれも女性の間で十分に認知されていないことがうかがえる。

「過多月経症状の有無」

続いて、過多月経に見られる3つの症状(「昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上ある」「普通のナプキン1枚では1時間もたない」「経血にレバー状の大きなかたまりが混じることがある」)の有無について質問。その結果、月経のある一般女性の41.7%が「1つ以上当てはまる」と回答し、約4割もの女性で過多月経症状が認められた。

「月経時の生活や行動で気にしていることや制限していることはありますか?」(「特に気にしていることや制限していることはない」を選択した場合を除き、複数回答)

そこで、過多月経症状のある女性を対象に二次調査を実施した。まず「月経時に生活や行動で気にしていることや制限していること」について尋ねたところ、「ファッションを気にしている」が74.6%で最も多かった。次いで、「いつも漏れないか心配している」(63.9%)、「夜寝るときは夜用ナプキンを重ねる・パンツタイプのナプキンを使うことがある」(49.9%)があがっている。一方、「仕事や学校を休むことがある」人も9.7%とわずかながらいることがわかった。

続いて、月経時の経血量についてどう思っているかを質問した。「自分の経血量が多いのかわからない」「自分の経血量は正常の範囲内だと思う」の項目については、それぞれ73.2%、72.5%が「そう思う / どちらかといえばそう思う」と回答。また、「経血量が多くても、生理(月経)の期間だけ我慢すればよいと思う」には、62.2%が「そう思う / どちらかといえばそう思う」と答えている。

「月経時の経血量に関して、次の項目ごとにあなたの考えに近いものを選んでください」

さらに、「経血量が多いことくらいで病院へ行くことは恥ずかしい」という項目に、「そう思う / どちらかといえばそう思う」と回答した人は47.6%を占めた。また、「経血量が多いことは将来妊娠するのに影響があるかもしれないと思う」については、58.2%が「どちらかと言えばそう思わない / そう思わない / わからない」と回答。過多月経に関連した婦人科疾患や妊娠しやすさへの影響に対し、正しく理解していない女性が多いことがわかった。

次に、貧血に関連する症状があるかどうかを質問したところ、「つかれやすい、体のだるさを感じる」(61.2%)、「めまいや立ちくらみ、動悸(どうき)や息切れがする」(52.8%)、「頭痛や頭が重い感じがする」(51.5%)が上位を占めた。また、貧血に関連する症状がある女性は80.6%にものぼることがわかった。

また、「血液中の鉄(Fe)が少ないといわれている」「検診や人間ドックなどで、貧血と指摘されている」など、すでに貧血の診断を受けている女性は23.3%。その中の約4人に3人(72.5%)は「婦人科に相談したことはない」と回答した。

「経血量が多いことを産婦人科(婦人科)の先生に相談したことはありますか?」

そこで、「経血量が多いことを産婦人科(婦人科)で相談したことはあるか」を質問したところ、「相談したことがある、または現在治療中である」と回答した女性は15.5%にとどまった。

「相談したことはない」と回答した人にその理由を聞くと、「病院へ行くほどひどくないと思うから」(62.5%)が最多となった。以降、「自分の経血量は特に多くないと思うから」(33.6%)、「経血量が多いことぐらいで行くべきところではないから」(26.0%)、「産婦人科にはできる限り行きたくない・恥ずかしいから」(22.8%)などが続き、月経に関する誤った認識や婦人科受診への抵抗感が顕著にあらわれた結果となった。